暴走自転車の女性を怒鳴ったら“ボスママ”だった…無視・嫌がらせの末に起きた「まさかの逆転劇」

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暴走自転車の女性を怒鳴ったら“ボスママ”だった…無視・嫌がらせの末に起きた「まさかの逆転劇」

4月30日(木) 15:52

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自転車のマナー違反がここ数年、問題となっている。自転車だからいいや……くらいの気持ちなのか、信号無視やスマホ片手のながら運転、逆走や飲酒運転など、トラブル事例は枚挙に暇がない。

こうした状況にようやく警察も重い腰を上げ、2026年4月より自転車の道交法違反には反則金が課されるようになった。

こうした自転車のマナー違反は、時として車を運転する人からすると恐怖となり、歩行者からすれば凶器にもなる。今回ご紹介する話は、筆者の体験談である。

一時停止無視の自転車にあわや大惨事に

ある日、筆者はダンス教室に通い始めた娘を自転車の後ろに乗せて、教室に向かっていた。片側1車線ずつある車道の左端に寄り、自転車を漕いでいたところ、一時停止を無視した自転車が突っ込んできたのである。突っ込んできたのは電動自転車で子供を乗せたママだった。

間一髪で避けることができたのだが、もちろん謝罪の一言もなし。彼女が出てきた道は、一時停止の標識があるのにもかかわらず、飛び出す自転車が後を絶たない。驚いた車が大きく避けたりするのを何度も見たことがあった。

これまでも危ないなぁと思ったことは何度かあったが、自分が当事者になると腹立たしいものである。筆者は飛び出してきたママに自転車を寄せ、怒気を孕んだ声でこう言った。

「一時停止って書いてあるの見てないのか!あんたも子供乗せてんだから、交通ルールは守れよ。それができねぇなら自転車乗るなバカ!」

思わずバカと言ってしまったのは、こちらの非礼だが、彼女は謝るどころかムッとした顔でこう返してきたのだ。

「そんな言い方することないじゃない。あんただって自転車乗ってんだから気をつけたらいいでしょ。あたしが全部悪いわけじゃないでしょ!」

目が点になるとはこのことか。こちらは左側をゆっくりと走り、娘にもヘルメットを被せ、ルールを守って気をつけているのに、自分の無法っぷりを棚に上げて、この言い草である。頭に来た筆者は思わず怒鳴りつけてしまった。

「お前が全部悪いだろ。こっちはルール守って気をつけて乗ってんのに、お前が飛び出してきたから危険な目に遭ってんじゃねぇか。あとな、子供乗せるならヘルメットくらい被せとけよ」

すると彼女は私を睨みつけると、自転車で走り去ってしまったのだった。そして、話は思わぬ方向に転がっていくのであった。

娘のダンス教室に行くとそこには…

あまりにも腹が立ったので、筆者と娘はコンビニに寄ってドリンクを買い、心を落ち着かせてからダンス教室に向かった。

通い始めて3回目。筆者にとってはダンス教室の送迎デビューである。だが、教室に入った瞬間、目を疑ってしまった。そこにはなんと、怒鳴りつけた親子がいたのであった。そしてこの日から地獄の日々が始まった。

気まずいながらも挨拶をしたのだが、暴走ママは私に一瞥をくれただけで無視。しかも後でわかったのだが、暴走ママはダンス教室においてはいわゆるボスママ。取り巻きのママたちも翌週からは私が挨拶をしても無視してくるようになってしまったのだ。どうやらあの一件が広まり、私の立場は微妙なものになってしまったようである。

挨拶をしても基本的に無視。終わった後にファミレスなどへ行くこともあったのだが、私たち親子は誘われない。妻にも事情を説明したのだが、「悪いのは向こうなんだし、ママ友とつるむためにダンス通わせてるワケじゃないから無視していいよ。わたし、そういうの苦手だし、むしろ付き合わなくていいじゃん」と、なんともサバサバした対応。私の気持ちは随分と楽になった。

その後、3ヶ月ほど冷戦のような状態が続いたのだが、ダンス教室が主宰する発表会をきっかけに私とボスママの関係に大きな変化が起きたのであった。

教室内で無視され続けるも光明が差す

そのダンス教室では発表会やダンス大会への参加など、イベントでは保護者がさまざまな係を担当して運営する方式になっており、筆者もライターという仕事を生かして発表会のフライヤーや映像制作を担当するようになった。

これまではカメラを持っている、ちょっとデザインができるといった程度のパパやママが担当していたのだが、こちらは本職。ここぞとばかりに気合いを入れ、先生にはプロのカメラマンを入れることを進言し、私はディレクターとして携わることとなったのである。

しかし、この時点ではまだまだボスママとそのグループからは無視が続いていたのだが、発表会のフライヤーや当日撮影された動画を編集してまとめたものが参加者に共有されたことで流れが大きく変わった。これまでの素人作品とは明らかに違う、プロの手による映像作品やフライヤーに、先生も保護者たちも大絶賛。ダンス教室における筆者を見る目も大きく変わったのであった。

駐輪マナーを巡ってダンス教室に苦情

そんなある日、筆者は先生からある相談を受け、その対応をすることとなった。そして、この一件でボスママは窮地に立たされることとなる。その相談とは、ダンス教室の自転車駐輪マナーについての相談であった。

先生によると、教室が入っている建物のオーナーにかなりの苦情が入っており、ルールの徹底を求められたというのだ。たしかに駐輪スペースに停められなかった自転車は、歩道に停められているだけでなく、近くのスーパーに勝手に停める人も……。

先生は何度かグループLINEで注意を促したが、日が経つとまた元通り。そこで筆者は先生と相談して自転車の駐輪マナーを啓発するフライヤーを作り、入り口に貼ったり、通っている生徒に手渡ししたのだが、これが思いも寄らない方向に行ってしまうこととなる。

駐輪マナーを啓発して反感を買う

なんと、ボスママは筆者の行為について「先生に取り入ろうとしていい人ぶってやってること」と思い込んでいたようで、あることないことを周囲の人に言い始めたのである。しかもその内容が因縁の自転車にまつわるものだったこともあり、ボスママの心中は穏やかなものではなかったはずだ。

とはいえ、こちらは間違ったことなど言ってはいないし、頼まれたから自転車のマナーを啓発したまで。この啓発は大半の保護者には受け入れられ、駐輪マナーはよくなったのだが、ボスママ軍団はなんとこの注意を無視し、近くの公園に集団で駐輪するようになってしまったのだ。見かねた筆者は、ボスママに面と向かって注意をしたのだが……。

「近隣から苦情も出ていて、先生がその対応をしています。近隣から苦情がもっと出たら、教室の評判も悪くなりますよ。公園に停めるのはやめてもらえないですか」

努めて冷静に話したのだが、「〇〇ちゃん(※私の娘の名前)のパパは自転車のマナーに厳しいですからね〜」と返され、その後も公園に駐輪することを彼女たちはやめなかった。

そして、事件は起きた。なんと公園に駐輪していたことについて警察に通報が入ってしまい、教室に警官がやって来て、先生は厳重注意を受けたのだ。

警察から叱られ先生が激怒。そして復讐を……

これには先生も怒り心頭。レッスン前に父兄を集めて「公園には絶対に停めないでください!警察にも通報がありましたし、苦情もたくさん来てます」と努めて冷静に事情を説明。ボスママグループはさすがにシュンとしていたが、筆者は少しだけ仕返しをすることにした。静まり返ったボスママグループを横目に、筆者はスッと手を挙げてこう言った。

「実は私、公園に停めないようにお願いをしたんですが、〇〇さん(※ボスママの名前)から、自転車のマナーに厳しいですねって言われて、無視されました!」

この一言で先生は激昂。

「今度、公園に自転車を停めたら、辞めてもらいますからね!!」

先生の金切り声がスタジオに響き渡った。それから1ヶ月後。気まずくなったのか、ボスママの娘はダンスを辞めてしまい、グループも自然消滅してしまった。

元ボスママグループのママから聞いた事実

それから半年後、ダンス教室の発表会後の打ち上げで、筆者は元ボスママグループの1人からこんなことを打ち明けられた。

「〇〇さん(※ボスママ)は何でも仕切りたがって、すごく強引で……。公園に停めるのも『怒られるよ〜』ってみんなで言ってたんですが、『公園はみんなのものだから大丈夫』と言って、みんなで公園に停めようって。でも、谷本さんがみんなの前で言ってくれたお陰で、あの人が辞めることになったじゃないですか。だから、みんな感謝してますし、自転車乗ってるときに怒鳴りつけたんですよね。もう、みんなスカッとしたって言ってますよ」

自転車のマナーをきっかけに、ママたちの人間関係も改善させることになるとは……。なんとも恥ずかしいやら嬉しいやら、複雑な気持ちになってしまった。マナー違反に対して毅然とした態度で臨むことの大切さを改めて思い知らされた一件であった。

文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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