トランプ大統領、人気深夜番組ホストの「即時解雇」要求

「即時解雇」を要求したトランプ大統領

トランプ大統領、人気深夜番組ホストの「即時解雇」要求

4月29日(水) 12:00

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ドナルド・トランプ米大統領が、米ABCの人気深夜トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」の司会者を「即時解雇」するよう、ABCと親会社のディズニーに要求した。トランプが深夜番組の司会者の降板を公の場で迫るのは、昨年に米CBSの看板番組「ザ・レイト・ショー」の打ち切り発表に繋がった一連の動きに続き、2度目となる。

発端は、4月23日放送のオープニングトーク。司会のジミー・キンメルは、3日後に控えるホワイトハウス記者協会晩餐会(米大統領も出席する報道団体主催の年次行事)で「自分が司会だったら」と仮定した一人芝居を演じ、メラニア夫人にこう語りかけた。

「ファースト・レディのメラニアもお越しになっています。ご覧ください、なんてお美しい。トランプ夫人、まるで『夫の死を待ちわびる妻(expectant widow)』のような輝きをお持ちですね」

英語の「expectant widow」は、出産間近の母親を意味する慣用句「expectant mother」をもじった表現。妊婦特有の「輝き(glow)」になぞらえた皮肉だ。

このジョークは、4月26日に同じホワイトハウス記者協会晩餐会の会場で発生した発砲未遂事件を機に、改めて注目を集めることになった。トランプ夫妻と政権幹部は事件直後にステージから避難させられ、出席者は床やテーブルの下に身を伏せて待機した。容疑者は政権関係者を標的にした宣言文を残していたと報じられている。

事件の3日前に放送されていたジョークを、トランプ側はこの事件と結びつけて「暴力扇動」と位置付け、解雇要求の根拠とした構図だ。4月27日、メラニア夫人がABCに対して「キンメルに対する立場を示せ」と求めると、続いてトランプも自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿。ジョークを引用したうえで「キンメルの卑劣な暴力扇動」と非難し、「ジミー・キンメルはディズニーとABCに即時解雇されるべきだ」と書いた。

キンメルがトランプの標的にされるのは、これが初めてではない。2025年9月にも、保守活動家チャーリー・カーク銃撃事件をめぐる発言が波紋を呼び、トランプが任命した米連邦通信委員会(FCC)の委員長が放送局に「穏便に解決するか、強硬手段に出るか」と公の場で警告。その数時間後にABCは番組を一時休止に踏み切り、大手放送局グループも放送中止に動いた。

加えて、CBSが看板の深夜トーク番組「ザ・レイト・ショー」の2026年5月をもって終了することを昨年7月に発表した際にも、政権側からの圧力が背景にあったのではないかとの議論が広がった。CBS側は経営判断と説明したが、ハリウッドや言論界からは懸念の声が相次いだ。

米国の深夜トーク番組は、ホストたちがトランプへの辛辣な風刺を繰り広げてきた主要な舞台でもある。司会者の降板や番組の打ち切りに大統領自身が公の場で介入する形は、こうした批判の場そのものを封じ込めようとする圧力として、米国内では警戒の声が広がっている。

いまのところABCはコメントを出していない。

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