気心の知れた友人同士の旅行は、本来なら日常の疲れを癒やすものになるだろう。しかし、時として些細な掛け違いにより、修復不可能な「地獄」へと変貌することもある。化学メーカーで営業職を務める梶原直樹さん(仮名・26歳)は、連休が近づくたびに当時の苦い思いが込み上げるという。
社会人2年目のゴールデンウィーク。梶原さんは大学時代のサークル仲間だった大輝さん、優斗さん、七海さん、明日香さんの計5人で、山奥のコテージへと向かった。
事件は2日目の夜に
「2泊3日の旅行でした。コロナ明け最初の大型連休で、名残り惜しさもあり、2日目の夜は全員が泥酔するほど飲み明かしたんです。リビングのソファや床で雑魚寝する形で、いつの間にか深い眠りに落ちていました」
翌朝、目が覚めた瞬間に梶原さんは異変を察知した。二日酔いのダルさとは違う、嫌な緊張感が漂っていたという。ダイニングでは七海さんが青ざめた顔でスマホを握りしめ、対面では明日香さんが冷ややかな視線でコーヒーを啜っている。大輝さんは眉間に皺を寄せて腕を組み、優斗さんは3人に背を向けスマホゲームに興じていた。
衝撃の文面に愕然とする一同
「『雰囲気悪くないか』と声をかけましたが、優斗は『クソ悪い』と答えるだけ。大輝に促されてグループメッセージを開いた瞬間、凍りつきました」
そこには、七海さんのアカウントから投稿された衝撃的な一文があった。
「ガチで地獄。直樹は優柔不断でイライラするし、明日香は服のセンス死んでてキツいw 大輝の話はサムいし、優斗はゲームしかしてない。みんなガチでダルすぎる。早く地元に帰って遊びたい」
送信者である七海さんは震えながら「私、こんなこと書いてない!」と叫んだが、明日香さんは「アンタがスマホを握って寝てるの見たよ。誤爆でしょ、最低」と吐き捨てた。
片目をこじ開け、認証を突破していた?
絶体絶命の七海さんを救ったのは、意外にもゲームを続けていた優斗だった。「なあ、顔認証って片目でも解除できるの知ってるか?」
優斗は淡々と続けた。「夜中、俺は見ちゃったんだよ。眠っている七海の片目を無理やりこじ開けて、スマホをかざしているヤツを。そいつが七海のスマホをいじった後、このメッセージが届いたんだ」
衝撃の告発に大輝が食いつくと、優斗は冷ややかに言い放った。
「明日香、お前だよな」
悲鳴を上げる七海と、「ありえない!」と激昂する明日香。親友同士だったはずの2人は、見るに堪えない罵り合いを始めた。
全員が憎み合い、友人関係は崩壊
「大輝が仲裁しようとしましたが、女子勢から『あんたに何がわかるのよ!』と一喝され、自分も味方を強要されて……。どうすることもできないまま言い争いが続き、最終的にはお互いが憎み合う最悪の状態になりました」
帰りの車内は、葬儀場に向かう車中そのものだったという。カーナビの音声だけが虚しく響き、誰も音楽すら流さない。時折聞こえる七海の嗚咽。窓の外を凝視したまま動かない明日香。
「自分はハンドルを握り続けるしかありませんでした。元カレを巡る確執が原因だという噂もありましたが、真相はわかりません。確かめる気力すら、あの場にいた全員から失われていたんです」
この日を境に、数年来続いていたグループメッセージが動くことは二度となかった。
<TEXT/和泉太郎>
【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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