アルバイトを始めたばかりのころ、私はレジ研修で何度もミスを重ねていました。覚えることが多く、焦れば焦るほど手順が頭から抜けていく……そんな自分に、すでに自信をなくしかけていたのです。あの日の出来事は、そんな私の心に強く残っています。
お客さまの前で浴びせられたひと言
その日は特に店内が混み合っていました。手順が少し遅れてしまった瞬間、同じシフトの先輩が後ろから大きくため息をつきました。
「何回教えたらできるの? ホント向いてないよね」
はっきり聞こえる声でした。胸がぎゅっと締めつけられ、顔が一気に熱くなりました。どう返せばいいのかわからず、私はただ「すみません……」と小さく答えることしかできませんでした。
お客さまの前で言われたこともあり、心の中は恥ずかしさと落ち込みでいっぱいに。レジを打ちながらも、頭の中は真っ白でした。
店長のひと言で変わった空気
その様子を少し離れた場所から見ていた店長が、すぐにこちらへ来ました。
「指導は裏でやります。お客さまの前でスタッフを否定するのはやめてください」
きっぱりとした口調でした。先輩は「別にそんなつもりじゃ……」とごまかすように言いましたが、店長は落ち着いた声で「つもりではなく、言葉が相手を傷つけています」と返しました。
その瞬間、場の空気がはっきりと変わったのを感じました。私は驚きながらも、胸の奥にたまっていた重たいものが、すっと軽くなっていくのを感じていました。
救われたひと言と、心に残った決意
そのあと店長は私に向き直り、「最初は誰でも間違えるから大丈夫。変な言い方をされたらすぐ言ってね」と声をかけてくれました。
涙が出そうになるほど、うれしかったのを覚えています。ずっと我慢していた気持ちを、誰かが代わりに受け止めてくれた、まさに「スカッとした」瞬間でした。
まとめ
理不尽だと感じる態度を向けられても、きちんと見てくれている人がいる。あの日、私はそれを身をもって知りました。ひとりで抱え込まなくてもいいのだと気付けたことは、私にとって大きな出来事です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:有村あつこ/30代女性・会社員
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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