4月24日(金) 5:40
自分の年金も受け取る予定の場合、遺族年金を全額受け取れなくなる可能性があります。
まず、夫が亡くなると受け取れる可能性があるのは、遺族年金です。遺族年金には子どものいる配偶者もしくは子どもが対象となる遺族基礎年金と、子どものいない配偶者でも条件を満たしていれば対象となる遺族厚生年金があります。
ここでいう「子ども」とは、18歳の年の年度末までの日にある人か、障害者等級1〜2級状態の20歳未満の人を指します。
つまり、今回のように夫が亡くなったことで単身世帯になると、配偶者は遺族基礎年金ではなく、遺族厚生年金の対象になる可能性があります。
しかし、日本年金機構によると年金は特例を除いて原則として1人1年金です。支給事由が異なる2つ以上の年金を同時に受け取ることはできず、基礎年金同士、厚生年金同士での併給は基本的にできません。例えば、遺族基礎年金を全額受け取りながら自分の老齢基礎年金も全額受け取る、といった選択は通常できません。
夫が亡くなったときに65歳になっており、遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の条件を満たしている場合、老齢厚生年金が支給されます。しかし、遺族厚生年金額が老齢厚生年金額を超えていると、特例としてその差額は受給できます。
自分の年金と遺族厚生年金の両方を受け取れるか分からない場合は、遺族厚生年金額を試算したあと、「自分のねんきん定期便」などで老齢厚生年金額を確認して判断するとよいでしょう。
日本年金機構によると、遺族厚生年金の求め方は「亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3」です。報酬比例部分は、老齢厚生年金額を決める計算の基礎となる金額を指します。
ただし、亡くなった人の配偶者が老齢厚生年金の受給権を持っている場合、遺族厚生年金額は「亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3」と「(亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分×2分の1)+(配偶者自身の老齢厚生(退職共済)年金の額×2分の1)」のどちらか高い方を受け取ることになります。
例えば、亡くなった夫の報酬比例部分が50万円、妻の老齢厚生年金額が30万円だとして、遺族厚生年金額を試算しましょう。
まず、夫の報酬比例部分の4分の3は37万5000円です。対して、「(夫の報酬比例部分×2分の1)+(妻の老齢厚生年金額×2分の1)」は40万円になります。そのため、妻は40万円の遺族厚生年金を受け取れるでしょう。
自分の老齢厚生年金も受け取る場合、遺族厚生年金は老齢厚生年金との差額10万円を受け取ることができます。
なお、65歳以上で老齢基礎年金を受けている方が遺族厚生年金を受け取れるようになった場合は、併給ができます。
日本年金機構によると、遺族厚生年金を請求する際は次の書類を用意する必要があります。
・年金請求書
・戸籍謄本もしくは法定相続情報一覧図の写し
・世帯全員の住民票の写し
・亡くなった人の住民票の除票
・遺族厚生年金を請求した人の収入が分かる書類
・子どもがいる場合は子どもの収入が分かる書類
・自治体に提出した死亡診断書のコピーもしくは死亡届の記載事項証明書
・請求した本人名義の受取先金融機関の通帳など
亡くなったときの状況によっては、上記以外の書類も必要になる場合があります。必要な書類が分からないときは、年金事務所へ相談しましょう。
必要な書類をすべてそろえたら、年金請求書に必要事項を記入します。その後、近くの年金事務所や年金相談センターへ提出すると、請求手続きは完了です。
基本的に、年金は1人1年金です。そのため、遺族年金を満額受け取りつつ、老齢年金も満額受給は原則できません。
ただし特例的に、65歳以上で、遺族厚生年金額が自分の老齢厚生年金額よりも多い場合は、その差額を受け取れる可能性があります。また、65歳以上で老齢基礎年金を受けている方が遺族厚生年金を受け取れるようになった場合は、併給ができます。
遺族年金は請求する際の必要書類も多いため、書類が足りているか、自分が遺族年金の対象になっているかなどの不明点があれば、年金事務所などへ相談するとよいでしょう。
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金の併給または選択
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 遺族厚生年金を受けられるとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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