4月24日(金) 4:20
今回のケースにおいて、地方公務員である息子の年収600万円は、実際の民間相場と比べてどうなのでしょうか。まずは、日本国内の民間企業で働く人たちの給与水準と比較してみましょう。
国税庁が発表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円となっています。男女別に見ると、男性の平均は587万円、女性は333万円です。
このデータから分かるとおり、地方公務員で年収600万円という数字は、民間企業の平均値を大きく上回る水準です。多くの給与所得者が年収300万円から500万円の間に集中している現状を考えると、年収600万円を稼ぎ出す人は高所得者層に位置しているといえます。
ただし、民間企業の場合は業種によって格差が大きく、金融業などの大企業では30代で1000万円を超えるケースも見られます。しかし、日本全体の平均と比較すれば、年収600万円は十分に高水準であり、安定した生活の基盤が築けているということができるかもしれません。
次に、地方公務員全体の中での立ち位置を確認してみましょう。総務省が公表している資料によると、一般行政職の平均給与月額は40万2761円となっています。
これに期末・勤勉手当(ボーナス)を加算すると、平均年収は約645万円と試算されます。つまり、年収600万円という水準は、地方公務員全体の平均と比較した場合、中堅層に位置づけられる水準と考えられます。
ただし、地方公務員の給与は勤務する自治体によっても大きく異なり、200万円以上の差が出るケースもあるようです。
公務員の「安定」という評価は、単に給与水準の高さだけを指すものではありません。地方公務員の給与は任意に決定されるものではなく、民間の給与水準と均衡させることを基本として決められています。これは、民間企業の給与水準と大きく乖離しないよう、公務員の給与を調整する仕組みを指します。
民間企業の場合、業績の悪化によりボーナスが減少したり、雇用環境が不安定になったりする可能性があります。これに対して、地方公務員は法律に基づき身分が保障されており、雇用の継続性という点で安定性が高いとされています。
また、自治体の運営が継続されることを前提としているため、給与が大きく変動するリスクは相対的に低く、一定の収入水準が維持されやすい点が、公務員の「安定」の大きな要素といえます。
不況時でも、民間企業ほど給与が急激に落ちにくい傾向があるため、長期的なライフプランを立てやすいのが特徴です。年収600万円という数字以上に、この将来の収入の見通しが立ちやすいという安心感が、地方公務員の強みのひとつと考えられます。
年収600万円という水準は、日本国内の全給与所得者の中でも上位に入る水準です。民間企業の平均を大きく超えており、安定した数字といえます。
また、地方公務員の給与体系には、一定の年功的要素が組み込まれているため、勤続年数に応じて段階的に昇給していく傾向があります。その結果として、将来的に年収700万円や800万円といった水準に到達する可能性も考えられます。
こうした収入の見通しや雇用の安定性は、将来設計を考えるうえで一定の安心材料となる側面があるといえるでしょう。
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
総務省 令和6年地方公務員給与の実態 令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第2 統計表I 一般職関係 第5表 職種別職員の平均給与額(253~254ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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