4月23日(木) 5:30
老後の生活を支える柱となる年金ですが、受給額を周囲と比べて不安を感じる方は少なくないでしょう。月13万円という金額は、現在の日本の平均的な受給額と比較すると、かなり低い水準にあるといわざるを得ません。
厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の受給者平均年金受給額は月額15万1142円です。もし夫婦一方が厚生年金、もう一方が国民年金のみ(同資料より受給者平均年金月額5万9431円)を受給している世帯であれば、合計額は月21万円ほどになります。
また、夫婦ともに国民年金(老齢基礎年金)のみを受給している場合、夫婦2人で約12万円となります。つまり、月13万円という受給額は、自営業などを営んでいた国民年金のみの世帯の平均よりはわずかに多いものの、会社員など厚生年金保険の被保険者がいる世帯の平均からは、大きく下回っているのが現実です。
年金月13万円で生活を維持するのは、決して容易ではありません。総務省統計局が発表した「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職夫婦のみの世帯における1ヶ月あたりの消費支出(生活費)は平均25万6521円となっています。
この平均的な家計支出の内訳を見ると、食料費に7万6352円、光熱・水道費に2万1919円、保健医療費に1万8383円などが費やされています。これらと比較すると、月13万円の年金収入では、平均的な生活を送るだけで毎月12万円以上の赤字が発生してしまう計算です。
月13万円で生活を成立させるためには、住居費がほとんどかからない持ち家であることはもちろん、食費や交際費、娯楽費を極限まで切り詰める必要があるでしょう。平均的な世帯が月25万円以上使っている中で、その約半分の予算でやりくりをしなければならないという、非常に厳しい家計のダイエットが求められているのです。
生活費に不足が生じている場合であっても、直ちに子どもへ仕送りを依頼するかどうかについては、慎重に判断する必要があります。現代の現役世代も、物価高や社会保険料の負担増などにより、決して余裕があるわけではありません。親への仕送りが、子ども自身の将来に向けた貯蓄や、孫の教育費などを削ることにつながるリスクを考慮しましょう。
子どもに頼る前に、まずは以下の3つの対策を検討してみてください。
1つ目は固定費の抜本的な見直しです。スマートフォンのプラン変更、不要な保険の解約、自動車の維持費削減(手放して公共交通機関やタクシー利用に切り替える等)など、月数千円から数万円単位で削減できる項目がないか精査します。
2つ目は無理のない範囲での就労です。60代、70代でも短時間のアルバイトで、月に3万円から5万円程度の収入を得ることは可能です。このプラス数万円があるだけで、家計の赤字幅は縮小します。
3つ目は公的な減免制度や福祉サービスの活用です。収入が一定以下の世帯であれば、介護保険料の軽減や、高額療養費制度の自己負担限度額の引き下げなどが適用される場合があります。自治体の窓口で、自分たちが利用できる支援がないか確認してみましょう。
夫婦で月13万円の年金生活は、現在の日本の物価水準や平均的な支出データから見ても、非常に厳しい状況であることは間違いありません。
平均的な高齢夫婦世帯の支出が月25万円を超える水準にある中で、その約半分の予算で生活を維持するためには、収支の見直しを含めた家計管理が重要となります。あわせて、必要に応じて生活水準の調整を行うなど、現実的な対応を検討していくことが求められるでしょう。
まずは最新の家計調査の結果を参考に、自分たちの支出がどこに偏っているのかを可視化し、固定費の削減や少額の就労収入を確保することから始めてみてください。
厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III. 国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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