4月23日(木) 2:00
第3号被保険者とは、会社員や公務員に扶養されている配偶者のことを指し、保険料を自分で支払わなくても国民年金に加入している扱いになります。
通常、国民年金は自営業やフリーランスなどの第1号被保険者が自分で保険料を納める必要があります。しかし、第3号被保険者は配偶者が厚生年金に加入していることで、保険料は厚生年金制度全体で負担される仕組みになっています。そのため、収入がなくても将来は老齢基礎年金を受け取ることができます。
例えば、長年専業主婦として家庭を支えてきた場合でも、一定期間この制度に加入していれば、65歳以降に年金を受け取る権利があります。したがって、「働いたことがないから年金がゼロになる」ということはありません。
第3号被保険者制度は、以前から見直しが議論されています。その理由の一つが「公平性」です。自分で保険料を納めている人と、納めていない人が同じ基礎年金を受け取れる仕組みに疑問の声があるためです。
また、共働き世帯が増えたことで、制度が現在の働き方に合っていないと指摘されています。実際、パートで働く人の中には、収入を一定以下に抑えて第3号のままでいようとするケースもあり、これが労働意欲の減退に影響していると懸念されています。
ただし、こうした課題がある一方で、専業主婦の生活を支えてきた重要な制度であることも事実です。そのため、いきなり廃止される可能性は低く、仮に見直しが行われるとしても段階的に変更されると考えられています。制度変更がある場合でも、すでに加入している人への影響を小さくする措置が取られるのが一般的です。
仮に将来的に制度が見直されたとしても、これまでの加入期間が無効になることは原則としてありません。年金制度では、過去に納めた期間や加入していた期間はきちんと記録され、その分は年金額に反映されます。
例えば、長年第3号被保険者として扱われてきた場合、その期間は保険料を納めたものと同様にカウントされます。したがって、制度が変わったことでこれまでの分がゼロになることはありません。
ただし、今後の制度次第では、新たに保険料の負担が必要になる可能性はあります。この場合、保険料を納めないと将来の年金額が減る可能性があるため、制度変更の内容をしっかり確認し、必要に応じて対応することが大切です。例えば、パートで一定以上の収入を得て厚生年金に加入するなど、選択肢を検討することも考えられます。
第3号被保険者制度の行方に不安を感じる場合は、今からできる対策を考えておくことが大切です。まず、自分や家族の年金記録を確認し、どのくらいの年金が見込めるのかを把握しておきましょう。ねんきん定期便や日本年金機構のサービスを利用すれば、比較的簡単に確認できます。
また、将来の年金だけに頼らず、貯蓄や個人年金などを活用することも有効です。公的年金は大切な柱ですが、それだけでは生活費が不足するケースもあります。少しずつでも資産形成を進めておくことで、制度変更があっても柔軟に対応できます。
第3号被保険者の廃止については、現時点では決定事項ではなく、あくまで議論の段階です。不確かな情報に振り回されるのではなく、正しい知識をもとに落ち着いて判断することが大切です。今の制度を理解しつつ、将来に備えた準備を進めることで、安心して生活設計を立てていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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