嚥下食の提供や認定栄養ケア・ステーション設置、地域コミュニティスペースとしての役割を通して地域の健康を支えるカフェ「カムカムスワロー」

岐阜市にあるカフェ「カムカムスワロー」

嚥下食の提供や認定栄養ケア・ステーション設置、地域コミュニティスペースとしての役割を通して地域の健康を支えるカフェ「カムカムスワロー」

4月23日(木) 7:41

提供:
地域医療に貢献する「近石病院」が運営するカフェ「カムカムスワロー」。栄養ケアや地域のコミュニティをつなぐ場としてどのような活動を行っているのか、栄養科課長の管理栄養士、淺野一信さんに伺った。
【画像】評判を呼ぶランチの一例。ハンバーグランチ
岐阜市にあるカフェ「カムカムスワロー」


「カムカムスワロー」を立ち上げるきっかけとなったのは、近石病院の歯科・口腔外科医師、近石壮登さんによる発案だ。「訪問医療で訪れた際に、嚥下障害を持つ患者様やそのご家族様から、『嚥下食を食べられる店を知らないか?』と尋ねられたことが発端です。老若男女、嚥下障害を持つ方でも楽しく食事ができるインクルーシブな環境づくりがしたいという思いから、2022年にカフェをオープンしました」と淺野さんは話す。

医療分野から全く異なる分野への挑戦に、最初はニーズの動向などを探るのも大変だったと淺野さんは振り返る。「まずはじめは、カフェスタンドとして飲み物のみを提供し、ミーティングなどを行えるコミュニティスペースとしてスタートしました」。

そのうちに、「モーニングを出してほしい」「食事も食べたい」というニーズが増加。それに応えるようにランチをスタートし、少しずつステップアップを重ねたという。メニューを手がけるのはホテル出身のシェフら2人。気軽なカフェながら本格的な味わいが楽しめるとあって、病院帰りの人々や地域の人たちから人気を集めている。
【画像】評判を呼ぶランチの一例。ハンバーグランチ

スイーツで人気のフレンチトースト


嚥下食も、5日前までの予約制で提供する。「まずは食べたい料理をお客様にお伺いして、管理栄養士の監修のもと、おいしく安全な嚥下食の提供を行っています。事前予約の方もいらっしゃいますが、カフェでランチを楽しむついでに嚥下食について尋ねられる方も多いですね」と話す淺野さん。始めた当初は認知度が低かったが、徐々に評判は広がりつつある。「大垣市からいらっしゃったお客様は、ご主人と同じメニューの嚥下食を楽しまれました。一緒に食事をできることに大変喜んでいただけて、その次はお友達ともご来店されました。私どももうれしかったです」。
普通食と変わらないよう、味や形状に工夫を重ねた嚥下食ハンバーグ


また特別支援学校の修学旅行や障害者の旅行ツアーなどの食事場所としても協力。嚥下食のデリバリーもニーズが増えてきていると淺野さんはいう。「食べられるものがあるのにあきらめる、というのではなく、家族や大切な人と一緒に食事を楽しんでいただける時間を少しでも提供できればと思っています」。

最近では、NEXCO中日本の地域づくり研修の一環として、愛知県犬山市の「口福膳」や長良川温泉「十八楼」と連携し、嚥下食のコース料理を提供した。また、川島ハイウェイオアシスでのやわらか食の試食会に加え、東京都中野区の新渡戸文化高校、「口福膳」、長野市の「キノサカナ」、北海道厚真町の「Co-Wild」とのコラボによる嚥下食イベントを開催するなど、外部との連携も広がっている。
岐阜の旅館「十八楼」で嚥下食を提供

見た目も華やかな嚥下食のコース

高校生とともに作った嚥下食


こうした取り組みのほか、カフェ内には県下有数となる「認定栄養ケア・ステーション」も設置。淺野さんをはじめとする管理栄養士に、カフェでお茶を楽しみながら気軽に栄養相談ができるのが魅力だ。「日々の栄養ケアに関することや赤ちゃんがいらっしゃるお母さんの離乳食相談などさまざまな相談に対応しています。また公認スポーツ栄養士も在籍し、スポーツ選手の栄養管理も行っています」と淺野さんはいう。

また、毎月1回の割合で健康増進教室も開催。感染症と栄養バランスの関係など、わかりやすく親しみやすい内容で、地域の人たちの健康増進に寄与する。「カフェだけで終わらず、医療と地域をつなげる場として展開していきたい」と淺野さん。「食はどんな人にもつながる重要なコンテンツ。今後も嚥下食のメニュー開発や健康的なお弁当の提供など、さまざまな取り組みを通して地域の健康を支えていきたいと思っています」。
健康増進教室の様子。毎回地域住民が10名前後参加するという

淺野さん(写真右)と管理栄養士の熊崎健郎さん(同左)

大通りに面した明るい雰囲気の「カムカムスワロー」


※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。


【関連記事】
目指す“ニュー江戸時代”とは?バイオマスを炭化して作る「宙炭」の開発で国内農業を支え、国内自給率を高める取り組みに挑む「TOWING」
工場の排熱を利用し、3年後の商品化をめざしてコーヒー栽培に取り組む石塚硝子株式会社
【SDGs】環境にも障害者にも優しい、古着をアップサイクルした服づくりを行う「vivaclu」
「低投入、内部循環、自然共生」をモットーに、循環型農業とゼロ・ウェイストに取り組むローカルスーパーマーケット「渥美フーズ」
「父と同じ空間にいるのがつらい」大病で倒れ認知症になった父との果てしない喧嘩…限界だった在宅介護のリアル【作者に聞く】
Walkerplus

国内・経済 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ