4月20日(月) 22:30
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則65歳から受け取れます。ただし、受給開始の時期は一律ではなく、65歳で受け取るほか、66歳以後75歳まで繰下げることも可能です。
繰下げた場合の増額率は1ヶ月につき0.7%で、75歳まで繰下げると最大84%増になります。しかも、この増額率は一生続きます。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げることもできるため、基礎年金だけ繰下げるといった選び方も可能です。
繰下げ受給の最大の魅力は、毎月の年金額が増えることです。長生きするほど、増額された年金を長く受け取れるため、老後の家計を安定させやすくなります。
例えば65歳ではなく70歳まで繰下げると、増額率は42%です。生活費の土台となる公的年金が増えれば、預貯金の取り崩しを抑えやすくなります。特に、65歳以後も働く予定があり、当面の生活資金に余裕がある人には検討しやすい方法です。
平均寿命が高い日本では、老後の生活が長くなることも見据えて、繰下げした分を将来の生活費への備えとして考える意味があります。
一方で、繰下げ受給には注意点もあります。まず、受け取りを遅らせた期間の年金は入らないため、その間の生活費を別に確保する必要があります。
また、加給年金額や振替加算額は増額の対象にならず、待機中は受け取れません。
さらに、年金額が増えると、公的年金等にかかる税金や、介護保険料、住民税などに影響が出る場合があります。受取額が増えても、そのまま手取り増になるとはかぎらないため、額面だけで決めるのは危険です。
繰下げ受給が向いているのは、「65歳以後も働く予定がある人」「当面の生活費を年金以外でまかなえる人」「長生きリスクに備えたい人」です。
その一方で、すぐに生活費が必要な人や、健康面に不安が強い人は、無理に繰下げないほうが安心な場合があります。そのため、繰下げ受給が有利かどうかは年金額の増え方だけでなく、今後の働き方や家計の状況もあわせて判断することが大切です。
年金をいつ受け取るかは、人によって正解が異なります。繰下げ受給には、将来の受取額を増やせる大きな利点がありますが、その一方で、受給までの空白期間や税・保険料の増加といった負担も発生します。
受給開始の時期は「何歳が一番得か」だけではなく、働く予定や健康状態、貯蓄額、家族構成を踏まえて判断する必要があります。迷う場合は、ねんきん定期便やねんきんネットで見込額を確認し、手取りまで含めて比べると判断しやすくなります。自分の暮らしや将来設計に合った受け取り方を、無理のない範囲で検討してみましょう。
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 ねんきんネット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
定年退職後に年金をもらいながら働くなら月いくら稼ぐのが妥当?