【写真】江川卓「自分としてはミッキーマウス」“怪物”の異名に不満タラタラ
4月14日に放送された「プロ野球 レジェン堂」(毎週火曜夜10:00-10:55、BSフジ)。今回のゲストは、“怪物”の異名で知られるレジェンド・江川卓が満を持して登場。MCの徳光和夫と遠藤玲子とともに、高校時代から数々の伝説を残してきた江川のルーツや、これまで多くのレジェンドが証言してきたホップする球の秘密に迫る。
■野球未経験から始まった怪物伝説…原点はまさかの石投げ
福島県平市(現いわき市)で生まれた江川。4歳までしか同地で過ごしておらず、その後は父親の転勤とともに静岡へ。小学校には野球部がなかったが、その頃からすでに長嶋茂雄に憧れておりソフトボールでサードを守っていたという。
そんな江川の“野球の原点”は、意外にもボールではなかった。徳光にルーツを問われると「初めは石投げですね」と語り、地元を流れる川幅100メートルの天竜川で毎日のように石を投げて遊んでいたエピソードを明かす。「毎日投げていると少しずつ距離が伸びるんですよ。5年生のときに向こう岸に届いた」と、江川は“投げる楽しさ”の原点を振り返る。
平らな石を風に乗せるコツを体得したことで距離が伸びたといい、これが後に江川の代名詞となる“ホップする球”につながったというから驚くほかない。さらに小学4年生にしてソフトボール投げや走り幅跳びといった種目で、上級生が出した体力測定の記録を超えていたという逸話も披露。当時から規格外の運動能力を備えていたことがうかがえるエピソードだ。
■“怪物”という異名に「そりゃねぇだろ」
中学で野球を始めた江川は、その強肩を買われて外野手として活躍していた。しかしある日の試合、登板していた投手が負傷するアクシデントに見舞われて江川が急遽登板。その試合の好投を機に投手としての道を歩み始める。そんな中、中学2年時にまたも父親の仕事の都合で静岡から栃木への転校が決まってしまう。
江川本人は静岡のチームで野球を続けたいという思いがあったが、父親の意向には逆らえなかった。しかし、結果としてこの転校が江川の才能を大きく開花させることに。新天地で県大会にエースとして登板するといきなり優勝を果たし、さらにはノーヒットノーランも達成したことから一躍注目の存在になった江川。多くの高校から誘いが舞い込む中、江川が選んだのは作新学院だった。
その理由は意外にも“プロ志向”ではなく“大学野球への道”だったという。早慶戦を観戦した際に「応援合戦や雰囲気がいいと思って。早稲田大か慶応大に入りたい」と感動したことを明かす江川。徳光から「プロ野球ではなくて?」と問われても、「大学野球一本ですね」と即答している。
入学後は1年生からエースとして活躍して、いきなり完全試合を達成。これをきっかけに全国から注目される存在となり、マスコミから取材も受けるようになった。しかし取材記事に事実と異なる内容を書かれたことに愕然。弱冠15歳にして「マスコミに対して冷たく当たっていこう」と決意したというエピソードには、徳光と遠藤も驚きを隠せなかった。
さらに徳光が「怪物っていうニックネームには抵抗があったんですか?」と質問すると、「自分としてはミッキーマウス(に似ているイメージ)だったので。怪物って書かれたのを見て“そりゃねぇだろ”と思った」と告白。長い付き合いのある徳光もこれは初耳だったようで、遠藤とともに爆笑して大いに盛り上がった。
■「球が浮くのが見えた」レジェンドが語るホップする球の正体と神がかった投球感覚
これまで番組に登場したレジェンドからは、江川に関するさまざまな逸話が語られてきた。中でも多かったのが、江川の代名詞ともいえる“ホップする球”だ。打者から「浮いてくる」と恐れられたその球について、本人も特別な感覚を持っていたという。
高校1年秋の大会では、10者連続三振を奪った際に「球が浮くのが見えた。この試合はノーヒットノーランか完全試合」と確信。しかしその直後、頭部にデッドボールを受けて救急搬送されるという衝撃的な展開に。結果的に試合は敗れたものの、その感覚は強烈に刻まれた。
さらにプロ入り後には、「手から(ボールを)離した瞬間にミットに入っている時があった」という境地に到達していたとも明かす。指先とキャッチャーミットの距離がわずか数センチに感じられたという発言には、スタジオも騒然となった。その年は20勝を挙げ、2年連続最多勝を獲得する一方で脇腹を痛めるなど、まさに“代償と紙一重”の境地だったと言えるだろう。
このほかにも36イニング無安打や完全試合の裏側、篠塚和典との対戦秘話など、今回は貴重なエピソードが次々と明かされた。幼少期の石投げから始まり、唯一無二の感覚へと昇華された江川の投球。その軌跡は、まさに天才という言葉では片付けられない奥深さを感じさせる。
野球という競技の枠を超え、身体感覚と直感が極限まで研ぎ澄まされたときに生まれるパフォーマンス。江川卓という存在は、その象徴のようにも思える。次週も引き続き江川をスタジオに招く「プロ野球 レジェン堂」。今もなお語り継がれる「空白の一日」の真相にも迫るとのことで、引き続き見逃せない内容となりそうだ。
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