4月19日(日) 23:20
長年にわたり親へ渡してきた生活費が、何らかの事情でまとめて返金されるケースでは、その取り扱いに戸惑うこともあるでしょう。合計300万円というまとまった金額となると、「税務上どのように扱われるのか」と不安に感じる方も少なくありません。
まず、親に渡していた生活費のうち、扶養義務者間の「通常必要と認められる生活費」に直接充てられていた部分は、原則として贈与税の対象とはなりません。
ただし、生活費の名目であっても、通常必要と認められる範囲を超える金額などについては、通常の贈与として扱われる可能性があり、その場合、年間110万円の基礎控除を超えた部分については、贈与税の課税対象となる点に留意が必要です。
一方で、いったん親に渡した現金は、基本的にその時点で親の財産とみなされることがあります。そのため、後日その資金をまとめて返金された場合には、「新たに財産を受け取った」と判断され、改めて贈与税の課税対象とみなされる可能性があります。
このようなケースでは、単なる返金であるとの認識であっても、税務上の取り扱いが異なる場合があるため注意が必要です。特に金額が大きくなる場合には、贈与税の課税対象となるかどうかを含め、事前に整理しておくことが重要といえるでしょう。
前章で、扶養義務者間における通常必要と認められる生活費に充てられている場合には、原則として贈与税の対象とはならないと解説しましたが、この点においても要件を踏まえる必要があります。
国税庁のウェブサイトには、贈与税が課税されない財産の定義が明確に記されています。扶養義務者間(親子や夫婦など)で、「生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は非課税とされています。
ここで重要なポイントは、非課税となるのは「必要な都度、直接これらに充てるために贈与を受けた財産」に限られるという点です。つまり、月々の食費や家賃、医療費など、日常生活を営む上で必要となる費用を、そのタイミングで直接使うために渡す部分については、贈与税の対象とはなりません。
一方で、本来の生活費などの範囲を超えて渡していたり、あるいは生活費の名目であっても、結果的に貯蓄に回っていたりする場合には、通常の「贈与」とみなされ、年間110万円の基礎控除を超えた分が贈与税の課税対象となる可能性があります。
今回のケースにおいても、母親が仕送りとして受け取ったお金を、その都度生活費として使用しておらず、結果として貯蓄に回していた場合には、当初の趣旨にかかわらず通常の贈与とみなされるかもしれません。このような点も踏まえ、資金の使途などについては適切に整理しておくことが望ましいといえます。
今回のケースでは、生活費として渡していた資金であっても、後からまとめて返金された場合には注意が必要です。いったん親に渡した現金は、その時点で親の財産とみなされることがあるため、返金時には税務上、新たな贈与として取り扱われる可能性があります。
また、扶養義務者間の生活費の贈与であっても、「必要な都度使用されていること」が非課税の前提となるため、結果として貯蓄に回っていた場合には課税対象となる可能性があります。こうしたトラブルを避けるためにも、資金の用途ややり取りの経緯を日頃から整理し、必要に応じて専門家へ相談することが重要といえるでしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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専業主婦ですが、毎月「夫の口座」から「私の口座」へ、生活費として「30万円の送金」があります。友人から「贈与税」の心配をされましたが、納税する必要はありませんよね?