4月16日(木) 4:30
初めての投資で「まずは月3000円から」という慎重な姿勢は、決して間違いではありません。相場の値動きに慣れるための第一歩として、少額スタートは有効な選択です。
しかし、そのまま10年間放置すると、投資額が少ない状態が続くため、資産形成のスピードはどうしても緩やかになりがちです。投資信託で堅実とされる年利5%で運用できたと仮定して考えてみましょう。
毎月3000円を10年間(120ヶ月)積み立てた場合、元本は36万円です。そこに運用益が加わるものの、最終的な資産額は約46万円にとどまります。銀行預金よりは増えているとはいえ、結婚や住宅購入、子育てといった30代以降の大きなライフイベントを支えるには心もとない金額といえます。
月3000円は、あくまで投資に慣れるための入口とし、家計が安定してきた段階で次のステップへ進む視点が欠かせません。
では、20代の段階で「月1万5000円」の積立に踏み切っていた場合はどうなるのでしょうか。年利5%で運用したケースで確認してみましょう。
毎月1万5000円を積み立てると、10年間の元本は180万円です。ここに運用益が加わり、最終的な資産額は約232万円まで成長します。月3000円の場合と比較すると、最終的な資産の差は約186万円にもなり、この金額差こそが複利の力を示しています。
積立額は5倍でも、資産の増え方はそれ以上です。運用で得た利益がさらに利益を生む複利の力の構造により、時間とともに差が拡大していきます。
投資元本が大きいほど、この効果は強く働くため、10年という長期間での運用で毎月1万2000円の上乗せが将来の大きな差につながる点は見逃せません。
増額したほうがよいと頭では理解していても、多くの人が月3000円のまま据え置いてしまいます。その背景には心理的なハードルがあります。「相場が下がったらどうしよう」という不安や、「収入が増えてから考えよう」という先送り意識が影響しているのです。
しかし、20代から30代にかけての10年間は、投資において時間を最大限に生かせる貴重な期間です。この時期に投資額を増やさないことは、将来のリターンを逃す機会損失につながります。
さらに、現在は物価上昇が続いており、現金の価値は実質的に目減りしています。ただ貯めるだけでは、資産価値を守れない時代に入っており、無理のない範囲で投資割合を引き上げる判断が、将来の家計を支える重要な一手になるでしょう。
NISA口座を開設し、投資を始めたこと自体は大きな一歩です。ただし、月3000円のまま長期間放置すると、非課税メリットや複利の恩恵を十分に生かせません。
「10年で約46万円」と「約232万円」の差は、時間がたつほどさらに広がっていき、この差を後から取り戻すには、同じように長い年月が必要になるため、なかなか難しいでしょう。
もし、現在も少額設定のままであれば、見直すタイミングかもしれません。ぜひ無理のない範囲で増額することが重要です。
将来、「あのとき増やしてよかった」と思える選択ができるかどうかは、今の行動にかかっており、それが資産形成へとつながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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