アンカツが苦悩の末に選定した「3歳牡馬番付」皐月賞&ダービーは「ハイレベルな大混戦」

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アンカツが苦悩の末に選定した「3歳牡馬番付」皐月賞&ダービーは「ハイレベルな大混戦」

4月16日(木) 9:50

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安藤勝己選定「3歳牡馬番付」(前編)

牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)が目前に迫っているが、今年の3歳牡馬戦線は牝馬以上に、かなりの混戦模様だ。

そうした状況にあるのは、出世レースのGⅡ東京スポーツ杯2歳S(11月24日/東京・芝1800m)をはじめ、2歳GIの朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS。12月21日/阪神・芝1600m)、ホープフルS(12月27日/中山・芝2000m)と、いずれも1番人気が敗戦。年が明けてからも、GⅢ京成杯(1月18日/中山・芝2000m)、GⅢ共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)、皐月賞トライアルのGⅡ弥生賞(3月8日/中山・芝2000m)、GⅡスプリングS(3月15日/中山・芝1800m)など、主要レースの大半で1番人気が敗れているからだろう。

その結果、現状では皐月賞、GI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)に向けて、断然の存在が不在。ここまでの重賞やトライアルの勝ち馬、上位争いを演じてきた馬の多くにチャンスがある、と見ていい。

どの馬が勝ってもおかしくないクラシック。その予想は難解極まりない。ならば、牝馬同様、競走馬の分析に長けた安藤勝己氏に話を聞くべきだろう。そのうえで、安藤氏独自の視点による「3歳牡馬番付」を選定してもらい、皐月賞、ダービーの行方につながるヒントを得ていきたい――。

出世レースの共同通信杯を制したリアライズシリウス(黄帽)photo by Koichi Miura

出世レースの共同通信杯を制したリアライズシリウス(黄帽)photo by Koichi Miura



今年の3歳牡馬戦線は、昨年のクロワデュノールのようなズバ抜けた馬がいない。とはいえ、2歳戦からこれまでの重賞勝ち馬、好走馬は、いずれもレースぶりに見どころがあって、素質の高さも感じられた。突出した馬はいないものの、粒ぞろいの面々がそろっていて「ハイレベルな大混戦」と言える。

また、有力馬各々がいろいろな路線からクラシックに向かってきているとあって、比較が難しいことも混戦模様に拍車をかけている。はたして、皐月賞、ダービーを制するのはどの馬なのか。主要な重賞やトライアル戦など、それぞれのレースをどう評価するかが重要なポイントとなりそうだ。

前頭筆頭:ベレシート(牡3歳)

(父エピファネイア/戦績:3戦1勝、2着2回)

有馬記念や宝塚記念などGI通算4勝のクロノジェネシスの初仔ということで、早くから注目されてきた同馬。新馬戦(7月20日/小倉・芝1800m)を快勝し、2戦目の1勝クラス・エリカ賞(2着。12月13日/阪神・芝2000m)は勝ち切れなかったものの、前走の共同通信杯で僅差の2着に入って、その血統のよさをのぞかせた。

直線坂下でほぼ最後方にありながら、坂を上がりきってから猛追。ホープフルSの覇者ロブチェン(牡3歳)をかわし、先行して鮮やかに抜け出した勝ち馬リアライズシリウス(牡3歳)にアタマ差まで迫った。上がりタイムはメンバー最速の33秒0。すごくインパクトのあるレースだった。

結果的に勝てなかったのは、たまたま。内容的には勝っていてもおかしくなかった。デビュー戦から常に鋭いキレ味を見せてきたけれど、世代屈指の末脚を秘めていることをあらためて証明した。

ただ、皐月賞はスキップして最大目標をダービーに定めたようだ。共同通信杯のレースぶりからもダービーのほうが向くのは確かゆえ、出走権を得て順調に駒を進めることができれば、本命候補となる1頭だ。



小結:リアライズシリウス(牡3歳)

(父ポエティックフレア/戦績:4戦3勝、着外1回)

前走でクラシックとの関連が深い共同通信杯を勝利。後続に4馬身差をつけた2戦目のGⅢ新潟2歳S(8月24日/新潟・芝1600m)を勝ったときも強い競馬だったが、その強さが本物だったことを示してみせた。

この馬のよさは、前で競馬ができること。つまり、自分で競馬をつくれるところだ。共同通信杯でもそうだった。やや早仕掛けという感じもしたが、それでも後続の追撃をしのぎきったのは立派。この世代の有力馬は差し・追い込み馬が多いことを踏まえると、この脚質は強みと言える。

気になるのは、勝った3戦がすべて左回りであること。右回りの朝日杯FSでは5着と振るわなかった。朝日杯FSはおよそ4カ月の休み明けで、馬体重も12kg増だったことを考えると、回りだけが敗因とは言えないが、現状では左回りのほうがスムーズに走れていることは明らかだ。

そういう意味では、狙いは皐月賞よりもダービーとなるが、ダービーは2400mという距離がどうか。もしかすると、GINHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)でこそ、という馬かもしれない。

(つづく)

安藤勝己(あんどう・かつみ)

1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。

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