今年もまた、あの季節がやってきます。気象庁の発表によると、今夏も平年を上回る厳しい暑さになるとのこと。4月に入り、ふとした瞬間に汗ばむ陽気を感じるようになると、暑さとセットで思い出すのが「蚊」の存在です。
夏のある日、庭の草むしりをした際に全身が虫刺されでかゆくなったときは蚊の脅威を痛感しました。もちろん、部屋に侵入してきた蚊には問答無用で殺虫剤を“プシュー!”です。
そんななか発見したのは、殺虫剤を嫌うある少年の存在。8歳の息子さんを育てる「虫ぐるいの母と虫ぐるい湊」さん(@f2Yn9vJw3fvkUkm)は2025年7月、Xに以下のような投稿を発信しました。
「カブトムシに群がるコバエが酷すぎて、殺虫剤とかを嫌がるし殺すのもダメっていう息子に『なんとか対応考えてっ』って言ったら自作のコバエホイホイ作っててしかもめちゃ入ってくれて優秀」
家で飼っているカブトムシにコバエが大勢群がり、そのコバエたちを除去したいママ。しかし、息子さん……その名も「虫ぐるい湊」くんはコバエに殺虫剤を使うことを制止します。
そんな湊くんが自作したのは、その名も「コバエホイホイ」。これがコバエを捕獲しまくる素晴らしい出来だったそうです。
「コバエホイホイ」の作り方は、以下。
① ペットボトルの下部にコバエがはいれるくらいの隙間をいくつかあける
② 腐らせた野菜などを入れる
③ カマキリを入れる
④ 足場になるネコジャラシを入れる
⑤ しばらく待つとコバエが大量に入ってくる
⑥ ある程度入ったら出入り口を塞ぐ
⑦ カマキリが食べてくれる
「コバエホイホイ」なる発明が興味深いし、殺虫剤の使用を嫌がる湊くんも興味深いし、「虫ぐるい湊」という大胆な異名も興味深いです。
これらの気になることについて、湊くん、ママ、パパの3人から話を聞いてみました!
ディズニーには目もくれず虫を探し続ける“虫ぐるい”に成長
――家にハエやゴキブリが出てきても、ご家族が殺虫剤を使うことを湊くんは嫌がるんですか?
ママ:
はい。コバエや蚊などどんな小さな虫でも、殺虫剤どころか手でパチンって叩くのもダメというのが我が家のルールです。
――ルール(笑)。
ママ:
湊が「そんなことをしちゃダメだよ」と言うので、私たちは極力そのルールに沿って生活していたんです(笑)。
――ご両親は虫はお好きだったんですか?
ママ:
私はもともと虫が全然ダメで、ちっちゃなコバエでも「ギャー」ってなるタイプだったんです。写真や絵で見るのも鳥肌立っちゃうくらい、虫が苦手でした。
だからこそ、子どもは苦手じゃない程度になってくれたらなあとは思っていました。家のなかに虫が出たら私では対処ができないので、そういうときに頼れるかなというのはあったんですけど(笑)。
パパ:
私は子どもの頃にセミを捕まえたり、草むらでバッタを捕まえたりよくしていました。虫は好きです。
だからこそ、「好きになってほしい」という思いはありました。虫に興味を持ってもらいたいというか、生きているものの命の大切さや尊さを身近な虫を通して感じてほしかったです。
そのとっかかりとして、虫を捕まえたら見せてあげたりはしていました。だけど、僕の思惑以上に虫にどんどんのめり込んでいって(笑)。
ママ:
小さい頃から、お散歩に行くと蟻の行列を凝視したり、夏になるとそこらで死んでいるセミを手に取って観察していました。
今は、ディズニーランドやシーに連れて行っても園内で虫をずっと探していたり、サファリパークに動物を見に行ってもずっと虫を探しています。知人のお葬式の会場へ行ったときも、ずっと虫を探していました(笑)。学校の登下校中も、常に目はずっと虫を探しているような感じです。
コバエホイホイは進化して3バージョンに
――Xで話題になったコバエホイホイは、どんな構造なのでしょうか?
カブトムシに群がるコバエが酷すぎて、殺虫剤とかを嫌がるし殺すのもダメっていう息子に『なんとか対応考えてっ😡』って言ったら自作のコバエホイホイ作っててしかもめちゃ入ってくれて優秀。
→作り方は次 pic.twitter.com/QMq5WHbDtn— 虫ぐるいの母と虫ぐるい湊 (@f2Yn9vJw3fvkUkm) July 24, 2025
ママ:
ペットボトルの下の部分にU字型の切れ込みを入れて、この隙間からコバエが入ってくるという構造です。
下の部分に穴をつくったところが、湊ならではのポイントというか。というのも、コバエって飛んで逃げるので上に行くじゃないですか? 市販されているコバエホイホイは上に穴があるので、ふちに止まっているコバエは人間が近づくと飛んで逃げちゃうんです。でも、下に穴があると人間が近づいても上はふさがれている状態なので、飛んで外へ逃げられないんです。
ただ、下部にあけた穴の隙間が大きいからたくさんのコバエは入るのですが、逆に隙間から出ていっちゃうコバエも多かったんです。隙間からコバエが出ないように紙や養生テープをぐるっと巻こうとしても、その作業の間にコバエが逃げちゃうという欠点もあって(笑)。
なので、それらの問題点を改良した2号機と3号機も製作しました。まず、1号機よりもあけた穴のサイズは小さいです。
あと、半分に切った2つのペットボトルをつなぎ合わせる構造にして、下側のペットボトルはお湯につけて縮ませました。その結果、上からパコッと蓋ができる仕様になっています。最初は穴を開けておき、捕獲をおしまいにしたいときは上側をポッと押す。それだけで穴に蓋(上側のペットボトル)が被さる形状です。
――なるほど、一つの動作だけで密封できるわけですね。
コバエホイホイで“殺虫剤がない世界”の実現に近づく
ママ:
あと、湊の今年の夏休みの自由研究はコバエホイホイに関連した内容だったんです。
湊:
今年はクモの自由研究。生物的防除(害虫の天敵となる昆虫や微生物等を用いて行う病害虫の防除法)を使って、殺虫剤がない世界を作りたかったから。
ママ:
生物的防除とは殺虫剤を使わず、害虫を食べてくれる益虫で自然界のバランスや量をコントロールするという考え方なんですけど。
――人工的に殺虫剤で除去するのではなく、動物界の食物連鎖のなかで循環する。そうすれば、食べられた害虫の命も無駄にならないわけですよね。
ママ:
はい。そして今年の湊の自由研究は、みんなが割と身近で困っている虫・コバエをどの種類のクモが一番食べてくれるか調べる“クモの食糧グランプリ”を行ったり……という内容でした。
この自由研究を行おうと思ったタイミングにたまたまコバエホイホイが完成したので、ホイホイで実際に捕まえたコバエを4種類のクモへ与えました。「どのクモが一番コバエを食べるか?」という実験です。
嫌われ者のゴキちゃんにもいいところがあると知ってほしい
――今年の夏休みはクモの自由研究を行ったとのことですが、去年の自由研究の内容は?
湊:
水をきれいにするっていう噂があった、ボウフラの自由研究。家で亀を飼っているんだけど、そこの水がフンだらけになってて。その水を二つのコップに分けて、片方にボウフラを入れ、ボウフラがいる水といない水のどちらがきれいになるかを調べました。
小1だった一昨年はゴキブリの自由研究をやって、ゴキブリにいろんな種類がいることを調べました。
ママ:
この自由研究は竜洋昆虫自然観察公園の副館長で、新種のゴキブリを何種類も発見した“ゴキブリ博士”柳澤静磨先生に会いに行き、専門的な話を聞いてつくったんです。
あのとき、湊はどういう思いでゴキブリの自由研究したんだっけ?
湊:
学校にゴキブリが出たときにみんなが殺そうとしたから、先に僕が捕まえて外に逃がしてあげたんです。だから、嫌われ者のゴキブリにもいいところがたくさんあるとみんなに知ってほしかった。
自由研究の最後のページには、「ゴキちゃんはきらわれていてかわいそうです。でもしぜんではいきものの死体やうんちを食べるそうじがかりです。だからもりは、きれいなんです。みんなにゴキちゃんにきょうみをもってほしい」と書きました。
将来の夢は昆虫学者
――湊くんは「虫ぐるい湊」という名前でも活動しています。今まで、どんな活動を行ってきましたか?
ママ:
この夏に二つの出来事があって、一つは地域団体の虫採りイベントの講師としてのご依頼を受けました。二つ目はあるコンサートのゲストに虫博士として登場し、虫の豆知識のお話をさせていただきました。
――へぇーっ、すごい!最後に、湊くんの将来の夢を教えてください。
湊:
昆虫学者になりたい。
――一昨年のゴキブリの自由研究で会った、柳澤先生みたいな?
湊:
はい。ゴキブリの自由研究にも静磨先生の写真を載っけました。
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虫とあらばなんでも愛し、「殺虫剤のない世界をつくること」を使命にしている虫ぐるい湊くん。今回の取材は「僕のメッセージがみんなに届くことで、“虫の命も大切”と伝わったらうれしい」という思いで受けてくれたそうです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、是非とも昆虫学者になって“殺虫剤のない世界”を目指してほしいです!
<取材・文/寺西ジャジューカ>
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