アメリカのロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の歌姫として知られ、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルのミューズとして1960年代に一世を風靡したドイツ人のニコの音楽伝記ドラマ「残響のメロディ魂の放浪者ニコ、最後の旅路」が、ニコの命日前日となる7月17日より公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルが披露された。
本作は88年に彼女が49歳で亡くなる直前の2年間に焦点をあてている。華やかな伝説の裏側にある孤独と再生を描く音楽映画であると同時に、ひとりの女性の晩年を描く人間ドラマとして世界各国で高評価を獲得。ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最優秀作品賞をはじめ、伊アカデミー賞が主催するダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の脚本賞、サウンド賞、メイクアップ賞などを受賞している。
1986年、英マンチェスターで孤独に暮らすニコは、過去の名声から距離を置き、ヨーロッパ各地を巡るツアーに出るが、その旅は薬物依存や不安定な精神、周囲との軋轢といった問題と向き合う過酷なものだった。ステージ上の姿と私生活の葛藤を交錯させながら、「ニコ」という偶像から脱却し、ひとりの女性=クリスタ(本名)として生き直そうとする彼女の姿をリアルに描く。アラン・ドロンとの間に生まれた息子アリとの関係や、東欧でのアンダーグラウンド公演などを通して、ニコの音楽性と人生が再び始動していく過程が静かに浮かび上がる。
監督は、「キアラ」がベネチア国際映画祭でリッツァーニ賞、ソッリーゾ・ディベルソ賞、SIGNIS賞、「ミス・マルクスで同FEDIC賞などを受賞したイタリア人女性監督のスザンナ・ニッキャレッリ。主演は、アカデミー賞外国語映画賞受賞作「未来を生きる君たちへ」のトリーヌ・ディルホム。本作では自ら歌唱も担当。神話化されたロックスターではなく、怒りや弱さを抱えた等身大の人間としてのニコを体現する。そのほか、「グレゴリーズ・ガール」のジョン・ゴードン・シンクレア、「4ヶ月、3週と2日」のアナマリア・マリンカが共演する。
なお、本作では、80年代後半の空気感を演出するために1:1のスクエアフォーマットを採用。ジョナス・メカス監督に1960年代のニコやアンディ・ウォーホルなどの実際の映像素材を借りて編集したフラッシュバック映像は必見だ。
「残響のメロディ魂の放浪者ニコ、最後の旅路」は、7月17日よりkino cinema新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
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