4月11日(土) 23:40
まず押さえたいのは、資格を取っただけで年収が大きく上がるとはかぎらないという点です。実際には、その資格で応募できる仕事が増えるか、社内でより専門性の高い役割を任せてもらえるかが重要です。
例えば、厚生労働省の「job tag」によると、不動産営業は年収618万3000円、IT系のコンサルティング営業は652万6000円とされており、今の年収400万円から上を狙いやすい分野です。
一方で、資格だけでなく営業力や提案力、実務経験も収入に影響します。つまり、資格は年収を上げるためのゴールではなく、収入の伸びが期待できる仕事を目指すための第一歩と考えるとよいでしょう。
取得難易度と年収アップの期待値のバランスを踏まえると、有力な選択肢は宅地建物取引士、2級FP技能検定、そしてITパスポートを入り口として基本情報技術者の取得を目指すルートです。
宅建は、不動産業界への転職や営業職の年収アップを狙う人に向いています。「job tag」でも、住宅・不動産営業では宅地建物取引士の資格が仕事を進めるうえで有利とされています。
受験資格に制限がなく、業界未経験でも挑戦しやすい点は大きな強みです。不動産業界では資格手当が出る会社もあり、転職市場でも評価されやすいため、勉強の負担と年収アップの期待値のバランスが良い資格といえます。
FP2級は、金融、不動産、保険、総務、人事など幅広い職種と相性が良い資格です。日本FP協会によると、2級・3級FP技能検定はCBT方式で随時受検できるため、働きながらでも予定を組みやすくなっています。
FP資格だけで高年収になるわけではありませんが、家計、保険、税金、資産形成の知識は実務で使いやすく、営業や相談業務の説得力も高めやすいのが利点です。今すぐ大幅な年収増を狙う資格というより、転職や副業も含めて将来の選択肢を広げる資格として優秀です。
IT分野に関心があるなら、まずITパスポート、その先に基本情報技術者を目指す流れも有力です。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)によると、ITパスポートはITの基礎知識を問う国家試験で、全都道府県で毎月実施されています。
難易度は比較的入りやすく、未経験でも始めやすい一方、ITリテラシーを証明しやすいため、社内異動やIT業界への入り口として使いやすい資格です。さらに、IT営業やSE寄りの職種へ進めれば、年収レンジを上げやすくなります。文系出身でも挑戦しやすい点を考えると、将来性まで含めた費用対効果は高めです。
資格選びで失敗しやすいのは、「人気だから取る」という決め方です。
28歳であれば、まだ方向転換しやすい年齢です。営業や接客の経験があるなら宅建、金融や生活設計に関心があるならFP2級、今後の伸びしろを重視するならITパスポートから基本情報技術者というように、次に行きたい職種から逆算して選ぶほうが結果につながります。
資格は、取ること自体よりも、その後の仕事にどうつながるかが重要です。あらかじめ求人を見て、応募条件や歓迎資格にその名前があるかを確認しておけば、資格取得の目的が明確になり、勉強した内容を仕事に生かしやすくなります。
社会人5年目・28歳・年収400万円前後の人が、難易度と年収アップのバランスを重視して資格を選ぶなら、第一候補は宅建、次にITパスポートからIT系資格へ進むルート、安定した汎用性を求めるならFP2級が有力です。
特に「転職で年収を上げたい」なら宅建やIT系資格は相性が良く、「今の仕事にも生かしたい」ならFP2級が役立ちやすいでしょう。資格はゴールではなく、年収を上げるための手段です。自分の経験と次に狙う職種をつなげて選べば、資格勉強は将来の収入を伸ばす有効な投資になります。
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag 住宅・不動産営業
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag コンサルティング営業(IT)
特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会) 2級・3級FP技能検定(CBT試験)
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) iパスとは 試験内容・出題範囲
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
「日本の平均年収は460万円」と聞きますが、これは東京や大阪など都市部のみでしょうか?地方在住だと、どれくらいの年収が“平均的”とされるのでしょうか?