ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収を進めているパラマウント・スカイダンスで、経営幹部の交代が起きた。同社の社長を務めてきたジェフ・シェルが正式に退任することになったと、米バラエティが報じている。シェルをめぐっては、プロギャンブラーのR・J・チプリアーニとの訴訟が泥沼化しており、今回の退任はその騒動の延長線上に位置づけられるものだ。
チプリアーニは、危機管理広報の報酬として1億5000万ドル(現在のレートで約240億円)の未払いがあると主張したうえで、シェルがパラマウント・スカイダンスの機密情報を自分に漏らしたと告発している。具体的には、同社が進めているワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収について「金額が高すぎる」と漏らしたこと、さらに昨夏にまとまった77億ドル(現在のレートで約1兆2300億円)規模のUFC放映権契約に関する情報を事前に共有したことなどだ。シェル側は逆に、チプリアーニが恐喝と名誉毀損を目的に事実無根の話を作り上げたとして反訴している。
シェルにとっては、3年のあいだに大手メディア企業のトップ職を追われるのは2度目となる。2024年7月にパラマウント・スカイダンスのデビッド・エリソンCEOに招かれる前、シェルはNBCユニバーサルのCEOを務めていたが、2023年4月に親会社コムキャストの内部調査で従業員との「不適切な関係」が認定され解任された経緯がある。その従業員からはセクシュアルハラスメントと性差別で告発されていた。
パラマウント・スカイダンスでシェルは、大手メディア運営の経験とスポーツリーグとの大型契約をまとめた実績を買われ、エリソンCEOの右腕として日々の経営を任されていた。スカイダンスとパラマウント・グローバルの統合に伴う人員削減やコスト削減の設計にも深く関わってきた。ただ、3月2日に開かれたWBD買収に関する投資家向け説明会にはすでに姿を見せていなかった。
パラマウントはWBDを1110億ドル(現在のレートで約17兆7000億円)で買収することで合意しており、現在は規制当局の承認待ちの段階にある。エリソンCEOが後任を置くかどうかは明らかになっていない。
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