【漫画】本編を読む
町の隅々まで郵便物を届ける配達員たち。現役郵便局員の送達ねこさんが、同僚たちの不思議な体験や怖い話を漫画化した『郵便屋が集めた奇談』が話題だ。今回は、過労で事故を起こした配達員の奇妙な体験を描いた『死に損なった俺の話』を紹介するとともに、作者に制作の裏側を聞いた。
2000年代後半から2010年代前半ごろ、N局に勤めていた星野さんは別の配送業も兼業していた。すでに18連勤中だったが、急な欠勤の穴埋めを頼まれ「稼げるから」と軽く引き受けた矢先、事件は起こる。
配達先の民家で呼び鈴を鳴らした次の瞬間、星野さんの体はいつの間にか家の中に入っていた。「玄関を開けていないのになぜ」と混乱していると、玄関をガラッと開けて血みどろの姿で入ってきた人物がいる。それは、星野さん自身だった。
本作の背景について、送達ねこさんは当時の過酷な労働環境を指摘する。「ひと昔前の郵便局は人が足りず、非正規職員が十何連勤もしていた。兼業も普通で、休日や退勤後にスーパーや別の仕事に従事する人が少なくなかった」と振り返る。
送達ねこさんのもとには、まだ漫画化されていない体験談が多くあるという。配達先の怪異や事件の注意喚起などネタは尽きないが、そのままでは差し障りのあるものも多い。「そんな『表に出せない話』には描く意義が大いにあると思う。漫画の力をつけて、いつかすべてを描きたい」と意欲を語る。
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