4月3日(金) 23:20
「高校無償化」という言葉が浸透したことで、高校教育にはお金がかからないというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実際に入学準備を始めると、その出費の多さに驚くケースもあるようです。高校入学に際して必要となる「入学金」や「入学準備にかかる費用」は、授業料とは別に発生する大きな負担です。
入学前後に必要となる主な費用には、入学金のほか、制服代、通学費、施設設備費、教科書代などが挙げられます。初年度にかかる費用目安としては、公立高校で30万円~40万円前後、私立高校では年間で100万円近くかかる場合もあり、授業料支援だけではカバーしきれないケースがあります。
いわゆる「高校無償化」と表現されることの多い「高等学校等就学支援金」は、あくまで「授業料」を支援するものであり、入学金や制服代などの準備費用は原則として全額自己負担となる点に注意が必要です。
高校生活でかかる費用は、入学時だけではありません。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によれば、保護者が支出した子ども1人当たりの学習費総額(年額)は、公立高校で約59万7000円、私立高校では約118万円です。
内訳を見ると、公立高校でも学校教育費として年間約35万円が支出されており、塾代などの学校外活動費に約24万5000円が費やされています。私立高校の場合は、学校教育費が約83万3000円、学校外活動費が約34万7000円となっており、公立と私立では大きな開きがあることが分かります。
高等学校等就学支援金制度の改正により、2026年度からは私立高校を含め全国で所得制限が撤廃される見込みです。あわせて、私立高校については支給上限が一律で年45万7200円に引き上げられる方針とされています。
これにより、私立高校においても授業料負担の軽減が進み、制度の適用範囲は広がると考えられます。
一方で、この支援の対象はあくまで授業料に限られており、前述の通り、入学金や教材費、通学費などについては引き続き自己負担が必要となります。そのため、家計全体の負担がすべて解消されるわけではない点には留意が必要です。
こうした点を踏まえると、高校進学にあたっては授業料以外の費用も含めて見通しを立て、事前に計画的な資金準備を行うことが重要といえるでしょう。
高校生活にかかる費用は、授業料にとどまらず、入学時の準備費用や日常的な学校関連費用など、さまざまな支出が発生します。
高等学校等就学支援金制度は一定の負担軽減につながるものの、対象外となる学校外活動費や入学時に集中する一時的な費用までを含めると、制度のみで全体を賄うことは難しいと考えられます。
そのため、現在の家計状況を踏まえたうえで、無償化によって軽減された分を単なる余剰資金と捉えるのではなく、将来の大学進学や塾・予備校費用などを見据えた準備資金として計画的に管理していくことが重要といえるでしょう。
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 令和5年度子供の学習費調査結果のポイント 1 学習費全体の状況 (1)学校種別の学習費総額(表1)(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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