養子縁組の実体験を映画化、実在の家族が“迎えるまで”を再演する驚異のリアリティ「ヴィットリア抱きしめて」

養子縁組の実体験を映画化、実在の家族が“迎えるまで”を再演する驚異のリアリティ「ヴィットリア抱きしめて」

4月4日(土) 10:00

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イタリアの巨匠ナンニ・モレッティがプロデューサーを務めた「ヴィットリア抱きしめて」。4月4日の「養子の日」(日本財団が、特別養子縁組制度の普及と理解促進を目的として制定)に寄せて、主演&監督の特別インタビューが公開された。

第81回ベネチア国際映画祭にて最優秀イタリア映画賞(アルカ・シネマ・ジョヴァーニ部門)およびFEDIC アワード最優秀作品賞をダブル受賞し、世界各地の映画祭を席巻した本作は、本作のモデルであり自ら主演を務めたマリレーナ・アマートの実体験と、彼女を導いた監督たちの言葉から、現代における「家族の選択」を紐解いていく。

2016年の実話から誕生。本作の舞台は、イタリア・ナポリ南部。3人の息子と夫に囲まれ、ヘアサロンを営むジャスミンが「娘が欲しい」という強い衝動に突き動かされ、周囲の反対を押し切りながら養子縁組に挑む姿を描く。主人公ジャスミンとその家族を、プロの俳優ではなく、モデルとなったマリレーナ・アマート氏とその家族本人が演じている。

監督のアレッサンドロ・カッシゴリとケイシー・カウフマンは、前作の撮影中に偶然出会った美容師のマリレーナから、彼女自身の「養子縁組」の実体験を聞き、その強烈なキャラクターと物語に即座に映画化を確信したという。監督は「プロの俳優ではない彼女たちに、自分自身以外の人物を演じさせることはできなかった」と語る。

出演の打診を受けた当初、マリレーナは「かなり驚き、緊張した」と振り返る。撮影は、単なる再現を超えた「感情の追体験」となった。「リハーサルを繰り返すたびに、まるでその瞬間に戻ったかのようだった。再現だと理解していても、感情はリアルだった」と語る通り、劇中では夫との激しい衝突や、養子縁組の厳しい現実を前に挫ける様が、剥き出しの言葉と表情で表現される。

監督によれば、撮影現場では想定外の現象も起きたという。「彼らは自分たちが経験した場面を演じることで、過去の問題や未解決の葛藤に向き合った。まるでカメラが存在しないかのように、本気で問題を解決しようとしていた」と、映画制作が家族の絆を再確認するプロセスになったことを明かしている。

イタリア国内の養子縁組は、親の年齢が20歳から45歳までという制限があり、三親等以内の家族・親戚全員の同意が必要など、非常にハードルが高い。劇中でも、費用面や待機期間を伝えられたジャスミンが絶望する場面が何度もある。そして国際養子縁組という方法もあることや、養子となる子どもたちが厳しい環境に置かれている現実も描かれている。マリレーナは「イタリアのプロセスは経済的にも負担が大きく、大変だった。でも、準備さえできていれば「恐れないで」と伝えたい。養子縁組を考えているカップルたちに「あなたたちは一人じゃない」と感じてほしくて、この映画に出る決心をしました」と語る。

映画のタイトルにもなっている娘のヴィットリアは、今や13歳の賢く美しい少女に成長。「初めて会ったとき、彼女は5歳で栄養失調の状態でしたが、目にした瞬間から愛していました。彼女が我が家に来たとき、喜びも一緒にやってきたのです。父が他界してから祝うのをやめていたクリスマスが、ヴィットリアのおかげで再び始まりました。養子は、計り知れない幸せを運んできてくれます。それこそが、私が一番伝えたいメッセージです」と、同じ境遇の人々へエールを送っている。

世界的には、養子の対象となる子には、家族をもつ権利があるとされている。「養子の日」に家族の意味や養子という家族の形を考えるきっかけとなり、ある家族の切実な願いと大きな決断を描いた物語は、単なるドラマを超えて、私たちに「家族とは何か」を深く問いかける。

「ヴィットリア 抱きしめて」は4月10日から全国で順次公開。

【作品情報】
ヴィットリア抱きしめて

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