もしあなたの義母がアポなしで何度も家に来るとしたら、どう感じますか?
今回は、そんな義母に頭を抱えながらも自分たちのペースを守るために立ち向かった女性のエピソードをご紹介します。
かなりの頻度でやってくる義母
佐伯沙織さん(仮名・33歳/主婦)は結婚して2年目。夫の健太さん(仮名・34歳)とともに、1歳の娘・瑠璃ちゃん(仮名)を育てながら、毎日慌ただしく家事と育児に向き合っていました。
「瑠璃が生まれてから、孫の顔が見たいからなのか義母がかなりの頻度で勝手にやってくるようになってしまって」
義母は沙織さんたちの自宅から徒歩20分の場所に住んでおり、週に何度も訪問しては勝手に冷蔵庫や引き出しを開けるなど、少しデリカシーにかける行動も目立っていたそう。
「しかも毎回、手作りのおかずをお土産だと言って持ってくるのですが……サバの味噌煮、筑前煮、おでんの繰り返し。バリエーションが少なく、しかも量は多くて、悪いですがもう正直お腹いっぱいという感じなんです」
私の料理を否定? ストレスが溜まる日々
しかもある日、義母に笑顔で「私の味をしょっちゅう食べていたら、あなたの味付けもまともになると思って。よかったわね!」と言われてしまい……。
「嘘でしょ、私の料理をまずいって思っていたってこと? と腹が立ちました。健太は私の料理を美味しいと喜んで食べているっていうのに」
さらに義母は「私がここに来て、沙織さんの話し相手になってあげているからストレス解消になっているでしょ?」と続けたそう。
「正直、はぁ? お前が来る度にこっちはストレスマックスだわ! と思いました。こっちが気を遣って興味のない話に付き合ってあげているのに……義母的には話し相手になってあげている気でいたなんてと衝撃を受けました。どれだけ上から目線なんだよと」
ついに我慢の限界が
そんなある日、沙織さんはついに我慢の限界がきてしまい「お義母さん、もうおかずは大丈夫です。私は自分の家庭の味を作っていきたいので」と思いを伝えたそう。
すると義母の目がカッと見開かれ「それどういう意味? 私のおかずが嫌だって言うの? へ〜あんた、息子を取ったうえに私まで邪魔者扱いするんだ?」と荒ぶり始め、ヒステリックな声で叫び出し、瑠璃ちゃんがビックリして泣き出してしまいました。
「私はなるべく冷静に『違います。ただ、私たちのペースで暮らしたいと言っているだけです』と言いましたが、義母は聞く耳を持ってくれませんでしたね」
義母は「この家を支えているのは誰? 息子の給料も、私が育てたおかげでしょう? なのに何様のつもりよ! 偉そうにしないでよ!」と詰め寄り、かなり緊迫した空気になったそう。
その瞬間ドアが開き、帰宅した健太さんが困り顔で立っていました。
「健太が『もうやめてくれ。母さんが来るたびに、沙織も瑠璃も疲れ果てているのをもう見ていられないよ』とたしなめると、義母は『何言ってるの? 私はあんたたちのためを思ってやっているのに! 口答えしないでよ』と涙声で健太を突き飛ばそうとしたんですよ」
すると健太さんは険しい表情で義母の両肩をつかみ「これからは、来るときは必ず連絡して。用がないときは来なくていい」と伝えました。
歩み寄れるチャンスもあったのか
「それがよほどショックだったようで、それ以来義母のおかず攻撃もアポなし訪問も、ぴたりと止んだんですよね。今思えばちょっと可哀想なことをした気もしますが……あのときの私は私でいっぱいいっぱいだったんですよ」
もちろん義母には悪気があったわけではなく、良かれと思っての行動だったのでしょう。可愛い孫に会いたいという思い、息子夫婦を助けてあげたい気持ち、そして自分の経験を活かしたい思い……それらが重なり、知らず知らずのうちに空回りしてしまっただけなのかもしれません。
どんなに近い家族であっても、相手の立場に立ったほんの少しの思いやりがあれば、こんな衝突はきっと起きなかったのではないでしょうか。
時には衝突してしまうことがあっても、根底には相手を思いやる気持ちを忘れずに、すれ違いもお互いを分かり合うきっかけにできたら良いですよね。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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