美しく不穏…二十世紀最高峰の“絶望的傑作”4作品「チェコ映画傑作選」予告編

「火葬人」

美しく不穏…二十世紀最高峰の“絶望的傑作”4作品「チェコ映画傑作選」予告編

4月1日(水) 18:00

提供:
1960年代のチェコスロバキアで誕生した絶望的傑作4本をラインナップした「チェコ映画傑作選」の予告編(https://youtu.be/NZPyNY7Ir4c?si=lfoFHx97-pgiOrHJ)が公開された。

【フォトギャラリー】「チェコ映画傑作選」作品場面写真

日本では「ひなぎく」やヤン・シュバンクマイエル監督のアニメーションなど、自由な想像力によって生み出された個性溢れる作品がカルト的人気を誇るチェコ映画。この度、「黄金の60年代」と呼ばれたチェコ・ヌーベバーグの作品群の中から、これまでほとんど見ることができなかった傑作4本をチェコ映画傑作選と題して公開。「火葬人」、「第五の騎士は恐怖」、短編の「一口のパン」は今回が日本劇場初公開となる。

プラハに暮らす普通の男が親ナチスの友人や社会情勢に影響され、やがて破滅的な「最終解決策」へと駆り立てられていくさまを描いた「火葬人」は本国チェコでもすぐに公開禁止となり、共産主義政権が倒れる1990年まで上映できなかった問題作。戦時下における密告社会の恐怖を描く「第五の騎士は恐怖」は、「最高峰の映像美を誇る作品」と評され、ポーランドの鬼才イエジー・スコリモフスキ監督もフェイバリットにあげる傑作。さらに強制収容所に向かう貨物列車から飛び降りた二人の青年の逃避行を、心象風景とともに描く衝撃作「夜のダイヤモンド」はATG配給による1968年の日本公開以来、初のリバイバル(日本初公開の短編「一口のパン」と同時上映)。

この度、予告編が完成。オープニングで流れる美しくも不穏な音楽は「火葬人」のサウンドトラックで、シュバンクマイエルの『ジャバウォッキー」なども手掛けた作曲家ズデニェク・リシュカによるもの。そして登場するのはヤン・ニェメツ監督作、チェコ・ヌーヴェルヴァーグの最高傑作とも評される「夜のダイヤモンド」。強制収容所へ向かう列車から少年二人が飛び降りる冒頭は世界最高のオープニングシーンの一つにも数えられる。少年たちの主観の世界で構成された映像は、監督自身も影響を受けたと語るルイス・ブニュエル、アラン・レネにも通じる夢の感覚に満たされている。

次に同じニェメツ監督の短編「一口のパン」が続き、その後は「第五の騎士は恐怖」。壁一面にかけられた時計や、集められたグランドピアノ、螺旋階段から覗く住人たちと、端正で美しいシーンの数々に圧倒される。さらにはナチス占領下のプラハにて、レジスタンスたちを非合法に治療するため、モルヒネを求めてさまよう主人公の姿や「告示 本日処刑された者」という恐ろしい文言。幻覚的な映像に散りばめられた恐怖の伏線が。

そして最後は「火葬人」。葬儀社で火葬人を務めるコップフルキングルは平凡な男性だが、徐々にファシズムが忍び寄る世相に影響され、狂気に駆り立てられていく。広角レンズの多用やヒロエニムス・ボスの「快楽の園」の登場など凡庸さが一切ない映像に加え、「苦痛は大いなる悪 それを根絶せねば」「宇宙に解き放たれ宙を舞う偉大な機会です」といった不穏なセリフも登場する。いたって普通の男が加害者へと変貌していくさまを描いた、現代にも通じるグロテスクな暗黒映画だ。4月10日からヒューマントラストシネマ渋谷にて公開。

【作品情報】
夜のダイヤモンド

【関連記事】
チェコ・ヌーベルバーグの傑作「ひなぎく」4Kレストア版、26年3月14日公開
映画を超えた!?名作がずらりチェコの映画ポスター展開催
プラハの映画ポスターギャラリー代表が講演芸術性高いチェコポスターの魅力語る

© Czech Audiovisual Fund, Source: Národní filmový archiv, Praha
映画.com

エンタメ 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ