骨格から好印象を設計する印象設計専門家・池田曜央子(いけだ・ようこ)です。元建築士という経歴を活かし、感覚やセンスに頼らず理論で似合わせるメイクや外見づくりを研究し、SNSやレッスンなどを通して提案しています。
40代に多い“不機嫌そうに見える”顔のお悩み
「なんか怒ってる?」「機嫌悪い?」――周りからそんなふうに言われたことはありませんか?
自分では普通にしているだけなのに、なぜか「怖い」とか「性格キツそう」と思われて、距離を置かれる……。実はこれ“大人女性あるある”で、メイクレッスンに参加される40代以上の方から本当によく聞くお悩みです。
でもこの現象は、もちろん性格の問題ではありません。年々変化する”顔の比率”の問題なのです。加齢によるそれらの変化を私は”オバ見えスキーマ”と名付け、心理学の”ベビースキーマ”の逆を意味する言葉として使っているのですが、オバ見えスキーマとは周りに“緊張・距離・圧”を与えてしまう顔の比率を指しています。
オバ見えスキーマ VS ベビースキーマ
ベビースキーマとは、人間や動物の赤ちゃんに見られる顔の特徴のことで、「パーツが下重心」「目が大きい」「唇がふっくらしている」「口角が上がっている」「フェイスラインが丸い」などといった要素を持つ顔のことで、人に「可愛い」「親しみやすい」「守ってあげたい」といった印象を与えやすい顔の特徴のことです。
それに対してオバ見えスキーマとは、元々の顔立ちから「パーツが上重心になる」「目が小さくなる」「唇が薄くなる」「口角が下がってくる」「輪郭が間延びして四角くなる」などといった加齢による変化のことを指します。年々ベビースキーマから離れていくことで、「怖い」「性格がキツそう」「近寄りがたい」そのような印象を与えてしまうのです。
もちろんこれは老化現象なので仕方ない部分ではあるのですが、できれば少しでも優しい顔になりたい、話しかけやすく感じの良い先輩でありたい、そう思う方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて、年々顔が怖く見えてしまう原因とメイクでの補正法についてお届けします。
メイクと表情筋でベビースキーマに寄せれば、たった数ミリの違いですが、受ける印象は大きく変わるのです。
加齢によって、顔のパーツはこう変わる
まず、加齢による変化は以下の通りです。
①額が狭くなる。
年々まぶたが下垂し目を開きづらくなります。そうすると額に力を入れてまぶたを持ち上げようとするため、額に横じわが出て額が狭くなります。結果としてパーツのバランスが上重心に変化していきます。
②眉間の縦ジワが強くなる。
視力が落ちると共に目を細めてものを見る習慣が増え、いわゆる”しかめっ面”のようなにらんでいる表情になります。眉頭付近に力が入るので眉間に縦ジワが強く出るようになります。
③目の縦幅が小さくなる。
目周りの筋肉が弱くなることや、皮膚のコラーゲンやエラスチンが減ることなどで、上まぶたがたるみ目の縦幅を圧迫していきます。
④人中(鼻の下)が長くなる。
下顎の骨を支えていた筋肉が弱まり鼻下が間延びします。その結果、鼻から下の比率が大きくなります。
⑤口角が下がる。
表情筋が弱ることで唇を引き上げる力が弱くなり、自然と口角が下がっていきます。
これらが複合的に発生することで”ベビースキーマ”から少しずつ離れ、結果として「怖い」「キツそう」「近寄りがたい」といった印象に変わって行くのです。これは性格や人柄のせいではなく、そう見える比率に変化しているだけなのです。でも安心してください、これら加齢による変化を理解すれば、メイクで補正することは十分に可能です。
メイクと口角で、若見え比率に寄せる方法
①くすみや影をハイライトで飛ばし、血色感をプラス。
赤ちゃんの顔には影やくすみはありません。くすみやクマをカバー力のあるファンデーションで整えた後、さらに影を飛ばしたい部分にハイライトを使用しましょう。
ハイライトで目周りやほうれい線などの影やくすみを取り去り、さらに血色感のあるチークやリップカラーを使うことで若々しく優しげな印象に見せることができます。
・おすすめファンデ
レブロン カラーステイ ロングウェア クッションファンデーション
薄づきでもカバー力のあるファンデでくすみやクマなどを消す
・おすすめハイライト
NARS ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N
微粒子のハイライトパウダーでさらに影を飛ばす
眉間のシワ、間延びした鼻の下をどうする?
②ハイライトで眉間の縦ジワの影を薄める。
険しく見える眉間の縦ジワは、ハイライトで影を飛ばすと和らいで見えます。また、縦ジワが強くなるのは度数の合わないメガネやコンタクトが関係していることもあるので、眼科で定期的に視力をチェックすることもおすすめです。
③ビューラーで目の縦幅を持ち上げる。
まつ毛を根本からしっかり持ち上げることで、想像以上にまぶたが持ち上がるケースがたくさんあります。まぶたが持ち上がると黒目の露出範囲も広がり目がぱっちり見えます。さらに下まぶたの涙袋にハイライトを入れ、ふっくら見せることで目の縦幅が広がってベビースキーマに寄せる効果があります。
・おすすめビューラー
SHISEIDO メーキャップ アイラッシュカーラー
日本人の目のカーブに合う定番ビューラー。カーブが強いビューラーだと中央がしっかり挟めない
④オーバーリップで人中を短縮する。
くちびるのリップラインを実際よりややオーバーに引いて厚みを出すことで、人中が短く見え、若々しい比率に近づきます。最近は若い方の間でも人中を短く見せるリップメイクが流行っていますが、大人はやりすぎ注意。できるだけ自然に仕上げるのがポイントです。
・おすすめリップライナー
セザンヌ 影色リップメイカー
柔らかい芯で描きやすいリップライナー。少し暗めな色が自然な影のように見えて使いやすい
⑤口角アップでベビースキーマへ。
最後は表情の話ですが、口角をしっかり上げる笑顔が重要です。
もちろん笑顔はそれ自体が好印象ですし、口角を上げることでフェイスラインが持ち上がり人中も短くなります。そうすると比率が一気にベビースキーマに寄って見えます。
大人の真顔は思った以上にへの字口になっており、それが意図せず不機嫌に見えてしまう大きな要因の一つです。「常に笑顔!口角は限界まで上げる!」大人はそれくらいやってちょうどいい笑顔になるのです。
笑顔での比率補正は効果絶大なので、メイクレッスンではいつも生徒さんに繰り返しお伝えしています。
メイクは盛るよりも、比率の補正が大事
以上、ベビースキーマに寄せる補正法でした。
顔立ちはそのままに、メイクと筋肉の使い方だけ。そのたった数ミリの変化で「優しそう」「安心感がある」「受け入れてもらえそう」そんな好印象が手に入ります。
大人のメイクは色々と盛るよりも比率を補正することが大切だと、アラフィフの私自身も常日頃感じています。加齢による印象の変化を理解して、メイクと表情で補正することで、あなた本来の優しさや思いやりが周りの人に正しく伝わるのではないでしょうか。
顔の印象は社会的評価を得るためのツールです。もうすぐ新年度、新しい出会いの季節にぜひ”好印象な顔”で素敵な出会いやチャンスを手に入れてくださいね。あなたの素晴らしさがもっと周りの人に伝わるように願っています。
<文・画像/池田曜央子>
【池田曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『骨格補正メイク顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社)Instagram:@ikeda.makeup ブログ
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