「551の豚まんを新幹線で食べたらだめなのか?」という論争はこれまでたびたび巻き起こっています。3月上旬にもとある実業家がX上で新幹線内でトラブルになったことを報告し、大きな話題を呼びました。
そもそもマナーというものは、周りの人々への配慮に基づく礼儀作法であり、法律やルールのような強制力はありません。しかしながらマナー違反の度が過ぎると大きなトラブルに発展することもあります。
そこで今回は、そのようなトラブルを引き起こさないようにするために、551豚まんについて知っておくべき事実を整理しようと考えました。今回のトラブルで気になったのは、551の豚まんの真価について。私たちひとりひとりが、普段なかなか食べられないごちそう豚まんとどう向き合うのかは重要な問題です。
これからご紹介する事実をふまえて、自分が新幹線内で食べるか否かを判断するきっかけにしてもらえれば本望です。
①豚まん(肉まん)だからにおうわけではない
新幹線でのにおいトラブルにおいて、他の食品以上に取り上げられてしまうのが551の豚まん。551の豚まんだからにおうのか?たこ焼きなども同罪なのか?など、意外とわかっていないことがありそうです。
実は今回のような問題の原因になるにおいは、調理過程で発生する「含硫化合物」のよるもの。肉や卵には“硫黄”を含んだアミノ酸が多く含まれていて、この成分が加熱されることで含硫化合物が生成され、不快なにおいの原因になります。含硫化合物はごく微量でも異臭として感じやすい物質であるため、新幹線内でトラブルになるのには明らかな理由があると認識しておく方が賢明でしょう。つまり肉加工品である豚まんが温かい状態で提供されると、周囲の人々にとっては強烈な不快臭として感じてしまう可能性が高いのです。
ちなみに551側が蒸したて豚まんを提供している理由は、「新幹線でも食べてもらいたいから」ではありません。駅構内で売るなら食べてもいいだろ!食べちゃダメなら売るな!という議論は不毛です。
②ニンニクは使われていない
551のにおいを“ニンニク”のにおいだと勘違いしている人がいるかもしれません。それは大きな誤解。551だけでなく多くの豚まん(肉まん)にニンニクは使われておらず、豚まん特有のにおいはニンニクによるものではありません。においの元は前述のように加工肉に含まれる含硫化合物。
今回をきっかけに、一度は原材料に目を向けてみると、551のおいしさについて正しい理解につながるはずです。メイン具材は、豚肉と玉ねぎ。具体の旨味を引き立てるためにほんのり甘い生地で手包みして、当日生産のみの豚まんを1日約17万個を販売しています。
③全国のスーパーなどでは買えない
三つ目に正したいことは、551を別の豚まん商品と混同している可能性について。スーパーなどでよく見かける“蓬莱”と記載された豚まんは551とは別モノです。
これは「蓬莱本館」が作る「蓬莱本館 フレッシュ豚まん」という商品。両者とも元々は1945年に創業した「蓬莱食堂」でしたが、事業拡大のために1964年に分社独立。551と蓬莱本館の豚まんを比べてみると、皮も餡も全く別の味わいであることが分かります。
どちらが美味しいは好みになりますが、確実に言えるのは商品の製法や味が大きく異なるということ。551は大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山のみの店舗運営と百貨店での催事やオンラインショップでしか購入できないことを考えると、行列に並んででも購入したくなります。
しかしながら、どこで食べるかは別問題。近くで売っているからどこで食べても良いということではなく、普段はなかなか変えない食べ物をどこで食べるのが幸せなのか、今一度考えてみることは無駄にはなりません。
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みなさんは、新幹線内での豚まんをどう感じ、どう考え、どう対応しますか?
<TEXT/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12。
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