『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.55【コミックス派はネタバレ要注意!】

『キン肉マン』大好き作家・燃え殻さんと爪切男さんが2月の連載を激論!

『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.55【コミックス派はネタバレ要注意!】

3月29日(日) 23:30

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『キン肉マン』大好き作家・燃え殻さんと爪切男さんが2月の連載を激論!

『キン肉マン』大好き作家・燃え殻さんと爪切男さんが2月の連載を激論!





『ボクたちはみんな大人になれなかった』の燃え殻、『死にたい夜にかぎって』の爪切男の意外な共通点、それは『キン肉マン』!!

希代のストーリーテラーのふたりが2月分の『キン肉マン』連載を甘く、そして辛く批評。

***

―今回の「先月の肉トーク」テーマ―

第520話 6本腕VS6本腕!!の巻(2月2日更新分)

第521話 12本の腕の行方!!の巻(2月9日更新分)

第522話 クレーターに降り立つ貴公子!!の巻(2月16日更新分)

あらすじ

世界各地で同時開催された五大刻との一大決戦。"炎天の刻"サラマンダーの出現により、アシュラマンとのエクストラマッチが始まった。序盤、苦戦していたアシュラマンだが6本腕を駆使し、闘いを優位に持っていくと、なんとサラマンダーまでも炎でできた腕を生やして6本腕に!!一方、ウォーズマンとのとの闘いを終えたぺシミマンのいるパトムスキー・クレーターにはロビンマスクが現れる


【生まれたてのサラマンダーの印象】燃え殻(以下、燃)2月分の連載は、第520話~第522話の3回で。

爪切男(以下、爪)3話のうちの実質半分が、アシュラマンとサラマンダーの闘いで、あとの半分は、ロビンマスクとペシミマンの闘いがこれから始まる、っていう内容でしたね。

うん。アシュラマンが思いっきりベビーフェイスになってたね。

そうですね。で、サラマンダーが、なんか、いちいち品がないというか。

神様的な振る舞いが見られなかった。

そう。ヒールを演じてるというよりも、生まれながらというか、単純にイヤなヤツ、みたいな感じの言い回しが多くて。びっくりしました。

何かというと、すぐ四足歩行になる感じも、神様感ないよね。

イキった兄ちゃん、みたいな感じがしましたよね。まだ生まれたばっかりなのに。

そうだ、生まれたばっかりだ。これまでの7人の悪魔超人とか悪魔六騎士とかは、みんなが集まるとチーム感があったじゃない? でも、サラマンダーは、もし時間超人で集まってもチーム感がなさそうな感じがする。

ああ、一体感なさそう。

ひとりでずっと激ワルな顔をしている。

あまりにもイヤなヤツすぎて、「これ、アシュラマン勝つんちゃうか?」と思えてきてしまいましたよね。

ほんとにそうだよね。



にしても、アシュラマンって、怒り面を多用しますよね。冷血面は、ここ最近まで使ってなかったから「出た!」と思ったけど。

あ、そうだ、話がそれるけど、アシュラマン、マスクの下は3面とも「泣き面」になるじゃない? 昔に見たあれが印象的すぎて、忘れられないんだよ。また見られないかな。

JC20巻より

JC20巻より





第521話でサラマンダーがアシュラマンに食らわせるサラマンダージェニュインテラー。この技、エグいですよね。相手を炎で焼きながら、パイルドライバーの要領で、リングに突き刺すように落とす。

【ぺシミマンの複雑な現在地】で、場面が切り替わって、シベリアのロビンマスクとペシミマンが相対しているシーンになるじゃない?

これはめちゃめちゃ熱い展開ですよね。

テリーマンとジェロニモとかもあるけど、そういう『キン肉マン』の歴史の中でも、ロビンマスクとウォーズマンの師弟関係って、読者が共通で理解している物語性があって。

この右の人もロビンマスクでした(JC9巻より)

この右の人もロビンマスクでした(JC9巻より)





うん、そうですね。

それこそ、テリーマンがキン骨マンに足を撃たれて片足になったのと同じくらい、物語の中で継続して語られている。それが、今のこの展開だよね。

ですよね。なんかロビンは、けっこうウォーズマンのことを認めてるんですよね。

ね。ウォーズマンを抱きかかえながら、「そんなお前が見せてくれた今の試合...敗れこそしたが、それはまるで私がいくら羨んでも到達できなかった...」って言ってるもんね。

でも、その途中で、画面から「ロビン...」と呼びかけるキン肉マンのことは、プイッと無視する。こういうとこが、「ロビン、めんどくさい人やなあ」と(笑)。

ペシミマンも、ウォーズマンを倒したら、次はロビンマスクと闘う。この人、重いテーマを背負う試合が続いていくよね。

確かに。ペシミマンって、ほぼウォーズマン寄りですもんね。ロビンマスクが現れた瞬間から、ずっと怒ってるし。

そうだね。同じ時間超人のはずなのに、サラマンダーとは全然種類が違う。

違いますよね。サラマンダーが今のところ軽くて、ただのイヤなヤツすぎてね。

ペシミマンは、たとえば......昔の『キン肉マン』で言ったら、悪魔超人の中にスプリングマンが入っていたのと一緒で。普通の漫画だったら、悪役の中に入らない超人が、そこに入っている。ステカセキングなんかも、本来悪役じゃないし。

ああ、そうですよね。



そういう意味では......さっき、サラマンダーは一体感がない、という話があったけど、他の時間超人たちも集まれば、ある種のチーム感が見えてくるかもしれないね。

ペシミマン、ウォーズマンと同じロボ超人じゃないですか。ロビンはずっとウォーズマンを導いてきた人なので、これから始まるペシミマンとの闘いの中で、ペシミマンに何かを教えていくのかもしれない。

ああ、そうか......ペシミマンがロビンに毒を吐いているセリフを見ていると、ウォーズマンの気持ちと同じような......ロボ超人の悲哀みたいな。今まで冷や飯を食わされてきた日々を、エリート超人に教えましょう、みたいな感じに見えるけど。

ペシミマン、時間超人の側にいるけど、だからといって時間超人に心酔しているわけじゃない感じですもんね。難しい位置にいるんだろうな。もしかしたらペシミマンも、ウォーズマンにとってのロビンマスクみたいな、心が通じる相手がほしいのかな。

それを察したからウォーズマンは、「おまえとわかり合いたい」と言ったのかもしれない。で、負けたけど、もしかしたらウォーズマンは、ペシミマンに対して友達ギリギリのところまできたのかもしれないですね。

ウォーズマンVSぺシミマン終盤のやり取り(JC90巻より)

ウォーズマンVSぺシミマン終盤のやり取り(JC90巻より)





なるほどね。それで、サラマンダーに火炎放射を浴びせられる中で、アシュラマンは、冷血面にチェンジすればいいんだ、ということに気がついて、前身の火傷がみるみる元に戻っていく、というのは『キン肉マン』らしくて、いい展開だよね。

ここまで焼かれてからじゃなきゃ気づかへんって、ほんまにアシュラマン大丈夫か? とは思いましたけど(笑)。炎を見た瞬間に気づいてほしい。

でも、サラマンダーに手詰まり感があるので、アシュラマンの勝利が見えてきたよね。

確かに。サラマンダーは、技を出し尽くした感がある。でも、ここに来て冷血面がクローズアップされるのは、いいですよね。アシュラマンの冷血面が、こんなに大活躍した闘いって、過去になかったんじゃないかな。

そうだね。僕ら、前回のこの対談で、アシュラマンは負けるんじゃないか、って話をしたけど、勝ちそうな展開になってきた。

アシュラマン、実はシングルでは一度も勝ったことがなかったのが、ここに来て初勝利かも。こんなに長い連載で、ここでそのトンネルを抜けさせるって、すごいですね。



【ゆでたまご先生超えのトンデモアイデア!?】あと、思ったのが......昔、超人みんなで、ウォーズマンの身体の中に入って闘ったこと、あったじゃない?

ああ! ありましたよね、「黄金のマスク編」で。

今、倒れているウォーズマンを見ると、ロビンマスクとペシミマン、ウォーズマンの身体の中に入りそうだな、っていう気がする。

大きなダメージを負ってしまったウォーズマンの身体の中枢部分に直接ショックを与えるべくミクロ化して、体内に入るキン肉マンたちとそこへ立ちはだかる悪魔超人たち(JC14巻より)

大きなダメージを負ってしまったウォーズマンの身体の中枢部分に直接ショックを与えるべくミクロ化して、体内に入るキン肉マンたちとそこへ立ちはだかる悪魔超人たち(JC14巻より)





(笑)。また入る?

入りそうっていうか、入ってほしい。ロボ超人であるペシミマンが闘う場所として、ウォーズマンの身体の中っていいな、と思ったんだよね。

すごい展開やな、もう一度ウォーズマンの中で闘うっていうのは。それはちょっと観たいな。

『キン肉マン』の中で、世界中に闘う会場あるじゃない?今回、ペシミマンとロビンが闘おうとしているこのリングではない場所を用意したほうがいいと思うんだよね。

そうか。今のこのリングは、ウォーズマンとペシミマンの闘いで使われたリングだし。

闘う場所やリングって、『キン肉マン』の世界において、すごく重要だから。そういう意味で、ロビンマスクとペシミマンのリングが、前の試合と同じわけがない、どこかに移るのではないか、というね。

その移る先がウォーズマンの身体の中。

という形で、『キン肉マン』の昔のネタを回収しにいってほしい。

昔は、ウォーズマンの体内の五重塔で闘いましたよね、正義超人たちと悪魔六騎士がね。

そう考えると今回も、ロビンマスクとペシミマンだけでいいのか? って気はする。

ほかにも入れます?そうか、じゃあ、ここからしばらくは、ウォーズマンの体内での闘いになるということ? すごいなあ。

ザ・ニンジャとかも入ってほしい。でもほんと、あの、ウォーズマンの身体の中の五重のリングでの闘いって、『キン肉マン』の中でも大きなエピソードじゃない?

それはそう。おもしろかったですよね、あの闘いは。

ウォーズマンの心臓の上に落っこちちゃうとか、あったよね。

そうですね......最初は「燃え殻さんがまた突拍子もないことを言い出した」って思ったけど、ここまで熱弁されたら、なんか、ありそうな気がしてきた(笑)。

いやあ、あってほしいなあ。

ありえなくはないですよね。前例があるんだから。

燃え殻(MOEGARA)

1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、『明けないで夜』(マガジンハウス)など多数の著作がある。最新著は『これはいつかのあなたとわたし』(新潮社)。3月30日には、『ブルーハワイ』文庫版が新潮文庫より発売。ラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:30~27:00)もチェック

爪切男(TSUMEKIRIO)

1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』も発売中。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。主演:木村昴でのドラマ放送でも話題となった『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化。最新刊は、『愛がぼろぼろ』(中央公論社)

取材・文/兵庫慎司©ゆでたまご/集英社

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