大事件ばかりがニュースではない、身近な小さな事件の方が人生を左右することも。注目のテーマを取り上げ大反響を呼んだ仰天ニュースから特別セレクション!(初公開2025年10月15日記事は取材時の状況)
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メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。よろしくお願いします。
オジサンが絶対に買ってはいけないブランド
今回はオジサン向けブランド指南。
男性は40過ぎても心は思春期、自分を客観的に見るのが苦手なものです。いくつになっても若い気でいる勘違いオジサンは多いもの。そこで今回はそんなオジサンに最後通告を突きつけます。
「40過ぎてるオジサンが買っちゃいけないブランド5選」、イタイおじさんにならないように……さっそくいきましょう。
おすすめできないブランド①『SHEIN/シーイン』
今回の表題はあくまで「40過ぎてるオジサン」が買ってはいけないブランド。たとえば、「さまざまなテイストを格安で楽しみたい」というZ世代の方々などにはSHEINほど便利なブランドはないでしょう。あらゆるトレンドを手頃な価格で展開し、かつ展開型数が信じられないほど多く、「被り」を気にする必要もありません。
私はSHEINを『長らく西欧の下請け生産をやってきた中国の逆襲だ』と捉えています。中国の効率的な工場背景と多くのハイブランドの下請けとして生産してきた経験をもとに、あらゆるデザインを格安で展開できる裏技のようなブランド『SHEIN』が誕生しました。
ZARAやH&Mなどとも違い、店舗を持たず物流を最適化しオンライン特化することでコストを極限まで抑えているところも驚異的。イリーガルなコピー商品が訴訟沙汰となり、度々問題にはなっていますが、ブランド設計的には「どこにも真似できない究極コスパのブランド」といえるでしょう。
そんなコスパに優れたブランドSHEINですが、さすがに40過ぎたオジサンがオシャレを気取れるものではありません。デザインは主要客層であるZ世代トレンドを強く意識し、コストの関係上当然素材も高級なものは使えません。
日本の価値観では”大人は「シンプルデザイン・いい素材・美しいシルエット」を好む”傾向が強い。SHEINは確かにコスパに優れていますが、中年以上のオジサマが選ぶべきとはいえません。
40歳オジサンが選ぶなら『GAP/ギャップ』
では「SHEINではなくどこがおすすめか?」といわれたら、もちろん高級素材や凝ったシルエットならユニクロもZARAも無印もいいのですが……案外、GAPがおすすめです。
デニムやTシャツなどアメリカンカジュアルがベースとなっていますが、他ファストブランドと比べ値段が高いだけあり、高級素材と凝ったシルエットで大人の着用に耐えられるクオリティとなっています。
同じファストファッションだと思ってお店に行くと値段の高さにビックリすると思いますが、GAPはセールが頻繁にあります。値下げのタイミングを見落とさずに狙えば、かなり得する買い物ができるはず。おすすめはやはりデニム
・ウルトラソフトデニム リラックスシャツ9990円
デニムのクオリティはユニクロをはるかに凌駕する出来。値段こそ高いですが、上下デニムのルードな着こなしもGAPなら文句なく、カッコいいですよ。
おすすめできないブランド②『COMME CA/コムサ』
コムサといえば、90年代に全盛期を迎えた日本のDCブランド。当時としては珍しいモノトーンを基調としたシックでシンプル、高品質素材を使った日本発の高級ブランド。40過ぎたオジサマなら「おしゃれをするならコムサ」といまだに考えている人も多いでしょう。
もちろんコムサは当時から「ツボを突いたデザイン」だったし、品質もさすが上々でした。一時は「ステータス」ともいえるくらいの存在でしたが……2000年頃を境にブランドは勢いを失っていきました。
その理由はいくつかありますが、一つ大きなところとしてはオンライン化に対応できなかったこと。経営層の方針によりDX化は遅れに遅れ、その結果、高齢化が進む百貨店の顧客のみを相手にしたブランドとなりトレンドデザインからは離れていきました。遅れながらオンライン化するにしても若年層に対応できる能力が失われ、コムサはかつての地位を失ったのです。
現在、コムサデモードという名前ではなく、SC向けの量販ブランド「コムサイズム」やハイエンドラインである「コムサメン」など複数展開していますが……いずれも当時の高級ブランドのような扱いとなっていません。価格も比較的手を出しやすいものが多く、かつてのこだわりは捨て、マスブランドへと進んでいるように見えます。
もちろんそれが悪いことではまったくありませんし、現行コムサも考え抜かれた万人向けのいいブランドだと思います。しかし、ながらオジサマが「高級品だ」と思って当時の感覚でコムサに手を出しても、世間はもうそう思ってくれないよ……という話。
諸行無常のファッショントレンドの中で、リブランディングを強いられたのがコムサであり、高級ブランドとしての面影はもはやないのです。
40歳オジサンが選ぶなら『Theory/セオリー』
では当時のコムサにも近いようなシンプルシックな高級ブランドとなるとどこを選ぶべきでしょう。もちろん価格に天井がないアパレルの世界ですが、当時と近い金銭感覚で選ぶなら『Theory/セオリー』はいかがでしょうか。
シンプルかつ高級素材、動きやすさや快適さを意識した高い実用性、そしてラグジュアリーとまではいかない程よい値段。まさにイメージぴたりです。運営しているのはファーストリテイリングであり、ユニクロと兄弟企業にあたります。
もともとアメリカで誕生したセオリーはアメリカ人が求める合理性とNYライクな高級素材を併せ持つブランド。2003年にユニクロに買収されて以来、堅調なモノ作りで定評があります。テーラードジャケットなども高級感たっぷりながらストレッチ性や耐久性に富んだものとなっており、韓国ではラグジュアリーブランドとして認識されるほど地位が高い。
・Cashmere 3 Hilles Quarterzip Sweater5万3900円
個人的におすすめはカシミアやウールなどのニット類。
ユニクロのニットも十二分におすすめできますが、セオリーは触ると高級感が段違い。韓国などと比べても日本はかなり安くセオリーが手に入るのでおすすめ。
ここは内外価格差がかなり大きいのでローカルである日本人にはお得。案外チェックしている人少ない気がしますが、ユニクロの正統進化系であり、おすすめできます。
おすすめできないブランド③『Dr.Martins/ドクターマーチン』
1960年に誕生した英国老舗ブーツブランド。労働者階級に支持されたブランドであり、当時のパンクロックにおいては反骨精神の象徴として愛されました。もともと医師(ドクターが付いていることから分かるかと思います)が開発したこともあり、クッショニングに優れているゴムソールもウリの一つ。
快適さと低コストの両立がなされ、その後ファッションアイコンとしての立ち位置も獲得。ビートルズのチェルシーブーツがファッションシューズのアイコンだった英国ですが、ピート・タウンゼント(ザフー)が最初の火付役となり、ドクターマーチンにトレンドが移り、現代までその人気が続いているのです。
断っておきますが、ドクターマーチンは悪いブランドだと言っているのではありません。私自身も何足も持っていますし、ファッショニスタの足元には欠かせないシューズブランドであることも疑いようがありません。
しかしながら、その特徴的なステッチデザインや無骨な丸みの強いフォルムは「何も考えずに履いてサマになる」ものではないことも事実です。ファッション感度が高いオジサマなら最高の相棒となるでしょうが、「手頃で手が出しやすいからドクターマーチン買ってみるか」と何も考えずに手をだすと悪魔的な見た目にもなるでしょう。
40歳オジサンが選ぶなら『KLEMAN/クレマン』
では「何がおすすめか?」といわれると当然革靴も価格が天井知らずです。手頃な値段で本格的なもの……といわれるとフランスのワークシューズとして長らく愛されている『KLEMAN/クレマン』がおすすめ。
日本に『KLEMAN/クレマン』を持ってきた方から直接お話しを伺ったことがありますが、その方はフランスで新規ブランドを発掘して国中をめぐる中、バスの運転手が履いていた靴が何気なく目に止まったとのこと。「それはいったいどこで買えるんだ?」と生産工場を聞き出し、日本の代理店として活動。瞬く間に大手セレクトショップと契約が決まり、現在でも定番ブランドとして君臨しています。
フランスの安全基準をクリアした快適性・耐久性に富んだシューズであり、またフォルムもフォーマルとカジュアルのちょうど中間を狙った着こなしやすい万能選手。
・TONNANT|トナン3万3000円
トゥには丸みを持ちながらシャープな細さと絶妙な甲の低さを持つチェルシーブーツ。3万円で買えるとは思えないクオリティでマーチンよりも汎用性は明らかに高いです。
何も考えずに履くのならこちらがおすすめ。マーチンはオシャレな人、感度の高い人、コーディネートに自信が持てる人ならいいですが、そうでないならこちらを選んでみましょう。
おすすめできないブランド④『Paul Smith/ポールスミス』
英国を代表するブランドであり、全世代におすすめできる名ブランド。ここでポールスミスを挙げるのは主に小物についてです、服ではありません。
『日本のポールスミスはライセンスブランドであり、本国とは関係ない会社が作ってる』などはそこかしこで見られるライセンス批判ですが・・・実はポールスミス本人は日本のポールスミスに対して特に注力して気にかけており、ライセンス品ながら英国本国のランウェイショーなどで登場するようなエッセンスもふんだんに入れ込んでいます。
いまだに日本ポールスミスは本国・本人のチェックがしっかり入ってるとも聞きますし、値段の割に優れたブランドであることは間違いありません。
真のポールスミスファンであれば、どんなにクオリティが高くとも「日本では本国のポールスミスがほぼ買えない」という事実に憤慨しているかもしれませんが……少なくとも品質や価格のバランスにおいて悪いブランドだと言うつもりは毛頭ありません。
しかし、ながら時計や財布などの小物についてはちょっと物申したい。
いや、これはどちらかというとポールスミスが悪いわけではなく……日本の戦略が悪かったのではないか。というのもあのマルチストライプデザインの時計や小物、新卒社員や大学生男子の愛用品となりすぎていませんか。
40代の男性からすれば激安なポールスミスの時計ですが、20代の社会人からすれば高級品。社会人になるにあたり記念として買う人が大変多く、またそうした売り方をしていたショップも実に目立っていた。
販売店がなまじ多いことも災いし、すっかりポールスミスの時計=新卒社員や若手の小物、というイメージになってしまいました。40過ぎたオジサマがつけるには少々迫力不足でありイメージ不足であるといわざるを得ません。
40歳オジサンが選ぶなら『FHB/エフエイチビー』
では、40過ぎたオジサンはどんな小物、時計を選べばいいのか?こちらもラグジュアリーに進めば数十万、数百万と天井しらずですが……あえてコスパのいいおすすめブランドを挙げるなら『FHB/エフエイチビー』がいいでしょう。
・F903-SWR-BK 4万2900円
『FHB/エフエイチビー』は時計ブランド、元々機械式時計として設計していたデザインがあったのですが70年代におきた「クォーツショック」によってスイス時計ブランドは壊滅状態。
当時、時計は歯車とゼンマイで職人が作り上げる高級品でしたが、日本のセイコーによって10分の1以下の価格で高品質の時計が生産される事態に。『FHB/エフエイチビー』もそこで計画頓挫したのです。
しかし、現代においてその設計図を利用し低コストのクオーツ時計を制作しているのが、今のFHBです。元々ラグジュアリーとして設計されたデザインなので存在感も抜群。一見するとクオーツの数万円クラスとは思えないほどの出来です。
おすすめできないブランド⑤『COACH/コーチ』
アメリカニューヨークで創業されたレザーブランドである『COACH/コーチ』。60年代に野球のグローブから着想を得たグラブタンレザーで一世を風靡。深みのある光沢と超耐久性が評価されており現代でも「オールドコーチ」として古着市場では大人気です。何十年経っても使用に耐えられる強烈な耐久性はここ以外なかなか見かけない。
レザーから始まりハイエンドなアパレルまで手がけるCOACHですが、立ち位置としてはラグジュアリーではなくあくまで「アクセシブル・ラグジュアリー」。プライスを見ると分かる通り、ルイヴィトンやセリーヌなど西欧のラグジュアリーと比較するとかなり安いです。
しかしながらそれらユーロ・ラグジュアリーと同じような出店位置を狙い、広告展開も巧みなため「ラグジュアリー」として認識しているオジサンも。もちろん悪いブランドではないですが「ドヤれる」ブランドとはなかなか言えないかな……。
他ラグジュアリーと比べアパレルやバッグのデザインはややマス向けで早いトレンドとは言えない。もちろんそれがいいところではあるのですが、「一点豪華」などを考えるならもう少し攻めたいところです。
40歳オジサンが選ぶなら『RRL/ダブルアールエル』『CISEI/シセイ』
では「どこがおすすめか?」といわれると、当然ルイヴィトンやセリーヌなどの本気のラグジュアリーは桁が変わってしまう。似たような価格帯でギリギリ買える、となるとRRLなどはどうでしょう。
ラルフローレンのヴィンテージ特化ライン。本格的なヴィンテージレザーを使用したトラベルバッグや分厚く頑丈なミリタリー、ケーブルニットなどコーチよりもほんのり土臭く高級感をプラスしたイメージ。どちらかというと女性に人気のあるコーチと比べこちらは完全に男性向け。オジサマに似合うカジュアルラグジュアリーなラインナップとなっています。
また、ヨーロッパ風の洗練されたバッグが好みなら『CISEI/シセイ』などはどうでしょう。日本人のデザイナーながらフィレンツェに工房を構えアルティジャナート(職人的手作業)なモノ作りをしているブランド。値段はかなり高いですが、同クオリティでブランドネームがつけば3倍してもおかしくないくらいのものばかり。おすすめです。
以上、40過ぎてるオジサンが買っちゃいけないブランド5選でした!
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
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