「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督の最新作「ハムネット」。監督、キャスト陣がシェイクスピア一家の絆について語る特別映像と、各界著名人からのコメントが公開された。
舞台は16世紀イギリスの小さな村。森を愛し、薬草の知識に優れ、不思議な力を宿した妻アグネス・シェイクスピアと、劇作家としてロンドンで活動する夫ウィリアム・シェイクスピア、そしてその3人の子どもたちが描かれる。ロンドンへ単身で出稼ぐ夫を尊重し、父親不在のなかで子どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、あるとき⼀家に大きな不幸が降りかかる――。
原作は2020年に発表され、英女性小説賞、全米批評家協会賞を受賞し、世界から喝采を浴びたマギー・オファーレル著の同名「ハムネット」。アグネス・シェイクスピアを演じるのは、「ウーマン・トーキング 私たちの選択」のバックリー、ウィリアム・シェイクスピアを演じるのは「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」のメスカル、その他、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィンなど実力派たちが脇を固める。
このほど公開された特別映像で、でシェイクスピアの妻アグネスを演じたバックリーは、「この映画で何より特別だったのは、シェイクスピアの家族を作り上げたこと」と振り返り、撮影を通して築かれた特別な時間を明かし、シェイクスピアを演じたポール・メスカルも「僕たちには、思っていた以上に深い絆が生まれた」と語り、共演者との強い結びつきを実感した様子を見せる。
ジャオ監督は、シェイクスピアの子どもたちを演じたボディ、オリヴィア、ジャコビについて「3人は今や生涯の親友になったわ」と語り、撮影現場で育まれた関係性の深さを強調。バックリーも「3人とも存在感が抜群で、自然と家族になれたわ」と、キャスト同士が本物の家族のような空気を築いていったことを明かしている。
ハムネットを演じたジャコビは、バックリーとメスカルについて「本物のママとパパみたいだった」「出会ってすぐに打ち解けたんだ」と現場の温かな雰囲気を振り返る。メスカルも「家族のリアルさが作品に深みを与えている」と語りつつ、「シェイクスピア一家だぞ。もっとクールに」と笑いを交える様子も捉えられ、和やかな撮影の裏側をのぞかせたシーンも捉えられており、キャストと監督が築き上げた“本物の絆”が、スクリーンに確かなリアリティをもたらしていることが伝わる映像となっている。映画は4月10日公開。
▼コメント全文
シェイクスピアの家族にスポットをあてたという点が今までになくエポック。
しかも淡々と、丁寧に、時に生々しく力強いドラマ。
シェイクスピアの台詞やシチュエーションが散りばめてあるのも面白かった。
――いのうえひでのり(劇団☆新感線主宰/ 演出家)
あれほど魅力的で奔放な妻がいたから大作家シェイクスピアは生まれたのか!
美しくも恐ろしい自然と共に生きた家族の、愛と思いやりの物語。
最後のハムネット少年の表情が心に焼き付いて離れない。
――岩崎MARK雄大(俳優)
死してなお輝き続けるハムネットの仄かな命の灯火。
それを喪失した家族の苦しみと痛みが生み出した『ハムレット』。
生と死の儚さが紡ぎ出した傑作の原点に直面した思いです。
――片岡千之助(歌舞伎俳優)
これは単にシェイクスピアが妻子を故郷に残してロンドンへ出て『ハムレット』を書いたのはなぜか、
その真相を明かす映画だけではない。生きるとは、愛するとは、を真正面から問う傑作だ。
繰り返し見る度に感動が増し、涙が止まらなくなる。
――河合祥一郎(シェイクスピア研究者/翻訳家)
現実と物語、映画と演劇の境界線が融解していく瞬間に、激しく心を揺さぶられる。
クロエ・ジャオの魔法に、またしても魅了された。
――川村元気(映画『8番出口』監督)
シェイクスピアよ、父として、夫として、こんな一面があったのか!
死に向かう僕らの人生が悲劇なら、さあ、飲み干せ、この「愛の劇薬」を!
――木村 龍之介(演出家・『14歳のためのシェイクスピア』著者)
迫りくる木々の葉擦れに耳を済ませば、湿った土の濃厚さに鼻先がくすぐられる。
まるで絵画集をめくるような胸の高鳴り、だが気づけば樹海で彷徨っているのだ。
叫び続けたその先、やっと見える眺望をどう受け止めるかは自分のみぞ知ること。
男と女、または親と子、あるいは生と死における定めを、強烈に突きつけられた。
――呉美保(映画監督)
こんなにも“命そのもの”を浴びる映画は初めてだ。
言葉にできない愛と痛みこそが、シェイクスピアの言葉を生んだのだと教えてくれる。
あの暗闇の中で、生と死が溶け合い、永遠が立ち上がる奇跡を目撃した。
――河内大和(俳優・演出家)
わずか126分間に、古今東西の人生における全ての哀しみ、痛み、喪失、恐れ、愛と喜び、癒しと希望がある。
あの美しいラストシーンには、映画史を塗り替える力がある。映画の奇跡をまざまざと見せつける。
こんなことが出来るクロエ・ジャオ監督は魔女か、天使だ。
――小島秀夫(ゲームクリエイター)
正体が謎のシェイクスピア。
その作品を散りばめて、真実を伝えようとスクリーンの向こうからやってきた。
虚と実を、生と死を超えて、亡き者を想い、耳を傾け、己の欲望のままに走る叔父を戒めたハムレットのように、
窯を覗くマクベスの魔女のように、立ち止まり、振り返る時、と警鐘を鳴らすため、現れたのだろう。
――佐野史郎(俳優)
異界と接続しそうな霊性を帯びたアグネス。母になり生活に追われる存在に、そして子を喪う経験も。
夫シェイクスピアの演劇と向き合うとき、彼女は再び霊性を帯び、はっとするような崇高な感情に包まれる。
心を震わせるアグネスの表情を見るだけで、こちらもなにか荘厳なものに包まれる気さえした。
――山内マリコ(小説家)
舞台と人生が渾然と溶け合う高揚感に包まれる。
目には見えなくとも確かにそこにあるものが、鮮やかに映し出された瞬間、人間は魂の生き物であるのだと痛感する。
――李相日(映画監督)
【作品情報】
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ハムネット
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