【写真】部屋の窓から顔を出す白シャツ姿の健二(岡山天音)
岡田惠和脚本、芦田愛菜主演、岡山天音共演で片思いの喜びと幸せを描くラブストーリー『片想い』が、本日3月26日(木)、27(金)夜10:00-10:45、NHK総合にて2夜連続で放送される。
岩手・盛岡の隣同士の家で育った優衣(芦田愛菜)と、ケンケンこと健二(岡山天音)。優衣にとって少し年上のケンケンはずっと片想いの相手だった。短大を出た優衣は地元で就職するが、仕事で限界を迎えて会社を辞め、ケンケンの実家の豆腐店で働くことになる――という物語が描かれる。
WEBザテレビジョンでは、主人公・菅原優衣(芦田)が片想いをする幼なじみ・菅原健二を演じた岡山天音にインタビューを実施。役柄・作品への思い、芦田との共演について語ってもらった。
■これほど贅沢(ぜいたく)な体験をさせてもらえる作品はなかなかない
――はじめに台本をお読みになった感想を教えてください。
人の営みというのか、生活みたいなものが、全編を通してすごく丁寧に描かれているなと感じました。“人”を演じる職業である俳優としては、これほど贅沢な体験をさせてもらえる作品はなかなかないな、という思いでした。スピード感があったり、過剰な展開が連続したりする作品も多い中で、僕自身、どこかそういう刺激に体が慣れてきている部分があるなと感じていたので、この作品の時間の流れ方はすごく新鮮でした。
――今回演じられた健二という役柄について、最初の印象はいかがでしたか?
『片想い』というタイトルの作品で、片想い“される側”なんだ、と。芦田愛菜さんが演じる役に片想いされる役というのは、ありがたいと同時にどうしようかとも思いました(笑)。
■優衣は健二にとって“オリジナルな登場人物”なのだろうと思います
――健二の優衣への思いを、ご自身の中でどう落とし込んで演じられましたか?
形容するのがすごく難しいのですが、例えば身の回りの人を“家族”や“友人”、“恋人”といった言葉でくくっていったとしたら、優衣の場所には彼女一人だけしかいないのかなと。“すごく特別な人”という言葉で言ってしまえば簡単ですけど、間違いなく愛情を向けている相手であって。健二にとっても、健二の人生においても、まさに“オリジナルな登場人物”なのだろうなと思いながら演じていました。
――健二は、優衣のどんなところが大事だなと感じていたと思われますか?
優衣に対する憧れみたいなものも、どこかにあったのかなという気はしました。健二と優衣それぞれに好きなものがあって、彼女がその好きなものへ向けるまなざしの眩しさだったり、何か自分にはないものを持っている。彼女は年下の存在だけれど、どこか追いかけていた部分もあったのかなと。フォローしたい、助けたいという思いと、その憧れが混じり合っている感覚でした。
――芦田さんは、映像を見た際に「目を見ていないシーンでも、岡山さんが健二として見せる表情にハッとさせられた」と、話されていました。
そう言っていただけると光栄です。ただ僕自身は、対峙している芦田さんの芝居に反射することしかできないので、僕が見せた表情のすべては、芦田さんが演じられた優衣によって引き出された健二だったんだと思います。
■健二の中では彼の人生がちゃんとつながっている
――健二という役柄を演じる際に、特に大切にしたことは何でしょうか。
健二という役は、優衣の視点から見ると“掴みどころがない”という大前提があるのですが、演じる僕自身まで彼を“掴めない人”にはしないようにと思っていました。健二自身、自分でもよく分からない無自覚な時間というものもあると思いますが、健二の中では彼の人生がちゃんとつながっている。優衣からすれば一緒にいる瞬間の彼しか知らないけれど、ドラマでは描写されない部分でも、彼のストーリーは地続きであって、彼の体内で起こっているドラマがある。そのことは自分の中で大事にしていた部分です。
――優衣が受ける印象と、健二の思いとの間に生まれるズレについてはどう意識されましたか?
そこも注意した点です。ある種ミスリード的な部分と言えるかもしれませんが、優衣が受け取る印象と、健二がどういうつもりでそこにいるかということが、すれ違ってしまう瞬間があります。その時に、健二としての正当性や整合性を、自分自身でしっかりと見据えておくようにしました。たまたま優衣の目にはこういう風に映ったけれど、健二としてはこの正当性を持ってここに立っている、という両面を、きちんと担保しなければいけないなと意識しました。
■芦田さんの姿に、本当に感服しました
――現場での芦田さんの印象はいかがでしたか?
思いやりをすごく感じました。丁寧にその場所にいらっしゃり、丁寧に人と向き合う。それは役に対しても同じなんです。僕が手を抜いているわけじゃないですけど、芦田さんは本当に(手を)抜かないというか。自分の身を削って、芝居のエネルギーを相手に、そして作品に届けようとするんです。
俳優は、同じせりふやシーンを何度も繰り返して演じることになりますが、芦田さんからは何度やっても熱量や鮮度を感じるんです。そういう姿勢は、目指そうと思ってもなかなかできないことだと思います。でも芦田さんはそこにしっかりと、誠実に向き合い続けている。キャリアが誰よりもある方なのに、一つ一つのことに丁寧に触れていく姿には、本当に感服しました。コミュニケーションを取っていても、それはすごく感じましたね。
――近くで演じていて、その“削っている感覚”は伝わってくるものですか?
明らかに感じます。たとえばカメラが自分には向いていない、別のアングルの撮影で芦田さんのせりふだけが流れるような時でも、彼女は全く濃度を変えずにやってくれるんです。それは共演者やスタッフ、作品への深い愛情があるからこそできることだと思うんですが、すごく興味深い方だなと刺激を受けました。
■優衣と初めて交流できたという実感が湧きました
――印象に残っているシーンを教えて下さい。
『片想い』は人の愛着を呼び起こすような作品だと思っていて、僕自身も愛着を覚えるシーンばかりでした。中でも、最初に優衣と面と向かってお芝居をした、お好み焼き屋さんのシーンが印象に残っています。それまでは言葉を交わしていても、お互いの矢印が相手に向き合うような芝居が少なくて。お好み焼き屋さんでの撮影は、二人の会話がメイン。そこでようやく優衣と初めて交流できたという実感が湧きました。健二は決して自己開示が得意なタイプではなく、外から見ているとどこか掴めない人物。あのシーンでは彼の細かい複雑さ、いわば「A面とB面」が同居しているような部分が台本にも用意されていて、演じていても楽しかったです。…まあ、朝イチからの撮影で、一日中お好み焼きの匂いがすごかったんですけど(笑)。スタンバイ中もお好み焼きを食べて「おいしいね」と話しながら、役以外でも芦田さんと交流が持てた時間でした。
――劇中の健二はイラストを描くシーンもありますが、いかがでしたか?
明け方のシーンで、電車のタイミングに合わせなければいけなかったり、完成品の絵を再現しなければという緊張感がありました。でも、そのドキドキが楽しかったです。何よりイラストそのものがすごくすてきで。監督がオファーされた上房由起さんの絵なのですが、この絵を描くなら健二はこういう人なのかなと、健二を演じる上での大きなヒントをいただきました。
■一人ひとりの息遣いにピントを合わせたような作品です
――健二は思いを内に秘めるタイプですが、岡山さんご自身は、心の内を言葉にする方ですか?
言葉にするのは…基本、苦手ですね(笑)。あまり真っすぐには言わないかもしれません。友人の話も聞く方が好きです。場合によってはあえて言わないようにしている時もあるし、自分でもよく分かっていない部分があるのかもしれません。仕事でもプライベートでも人と接することが多い中で、「あ、自分ってこうなんだ」と、この年齢になっても改めて自分を発見することがあって。まだまだ自分というものを知っていく最中であり、その過程にいるような気がしています。
――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。
登場人物が非常に少なく、どこか柔らかい雰囲気をまといながら一人ひとりの息遣いにピントを合わせたような作品です。
『片想い』というタイトルは非常に強くて直線的ですが、とても面白いテーマが掲げられていると感じています。ただ登場人物に愛着を抱いたり、悶々としたりするだけではなく、見てくださった方の人生の、何か一つの材料になってくれるような作品だと思います。愛らしい人たちが映っていると思いますので、ぜひ楽しんでいただければうれしいです。
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