【高校野球】二刀流・菰田陽生の離脱、左腕エース・檜垣瑠輝斗の不調 山梨学院の2年生バッテリーは絶体絶命のピンチを救えるか

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【高校野球】二刀流・菰田陽生の離脱、左腕エース・檜垣瑠輝斗の不調 山梨学院の2年生バッテリーは絶体絶命のピンチを救えるか

3月26日(木) 7:00

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山梨学院の2番打者で、投打の二刀流として注目を集める菰田陽生(はるき/3年)が、長崎日大戦の1回表に放った一発は圧巻だった。レフトスタンド上段へ飛び込む本塁打は、「打った瞬間、それとわかる」当たりだった。

低反発の新基準金属バットが採用されて3年。これほど絵になる一発は珍しい。おそらく今大会を振り返る際、この映像は何度も繰り返し流されることになるだろう。

菰田のホームランから初回に5点を奪った山梨学院が、試合を優位に進めた。だが5回、ファーストを守っていた菰田がランナーと交錯するアクシデントもあり負傷退場。7回には2点差まで追い上げられたが逃げきり、2回戦に駒を進めた。

【プロ注目・菰田陽生が特大弾】試合後、山梨学院の吉田洸二監督は「菰田のケガが心配で......」と表情を曇らせ、こう続けた。

「菰田は途中で交代しましたが、キャプテンがいなくてもチームのまとまりは変わりません。ただ、攻撃の戦術や得点力を考えると、やはり大きな影響があります。攻撃面では、菰田がいないと厳しい。彼は技術的な大黒柱ですから。それでも、交代後は全員でよく頑張ってくれました」

しかし、初回の本塁打の話題になると、いつもの柔和な笑顔を見せた。

「菰田は、あれくらい飛ばせる打者だということを、みなさんに見てもらいたかった。本当にうれしいですね」

さらに、2番に起用した意図についてはこう語った。

「初回に賭けていたんです。たとえ菰田が凡退しても、『攻めていくぞ』という姿勢を示したかった。それがあのホームランですから。点数をつけられないほどの、値千金の一発でした」

監督の目論見どおり、好投手と評判の長崎日大・古賀友樹(3年)に大きな衝撃を与えた。

「カーブをどう打つかを考え、それを狙い撃ちしました。相手も驚いたと思います。一打で試合を動かすことができました」

菰田の豪快な先制弾で主導権を握り、そのまま守り抜いた形となったが、この試合で重要な役割を担ったのは、2年生バッテリーだった。

初戦の長崎日大戦で先発した山梨学院の2年生左腕・渡部瑛太photo by Ryuki Matsuhashi

初戦の長崎日大戦で先発した山梨学院の2年生左腕・渡部瑛太photo by Ryuki Matsuhashi





【チームの危機を救った2年生バッテリー】甲子園のマウンドに初めて立った背番号14の左腕・渡部瑛太(2年)は、こう振り返った。

「先発を告げられたのは、甲子園の室内練習場に入ってからでした。監督からは『一番調子のいい渡部でいく』と言われました。キャプテンの菰田さんには、緊張していることを見抜かれて『落ち着いて投げろ』と声をかけてもらいました。緊張はしましたが、『やってやろう』という気持ちが上回りました」

渡部は初回に1点を失ったものの、6回途中まで投げて追加点は許さなかった。

「立ち上がりが悪く、球数も多くなってテンポをつくれませんでした。ただ、試合が進むにつれて球数を抑えて投げられた点はよかったと思います。課題は球数を減らすことと、スライダーやカットボールの高さを意識することです」

そんな緊張気味の渡部をリードした光永惺音(れのん/2年)は、身長180センチ、体重75キロの恵まれた体格のキャッチャーだ。

「初回と2回は余裕がなく、少し慌ててしまいましたが、ベンチから『落ち着いていこう』と声をかけられ、3回以降は冷静にプレーできました」

ちなみに、光永の兄・翔音(しょうおん/現・中央大競泳部)さんは、日大豊山(東京)時代に競泳と野球の二刀流で注目されたアスリートだ。

「(2023年夏の甲子園で)兄が入場行進の先導役を務めた時、自分は中学2年生でした。その映像を見て、『あの舞台に立ちたい』と思いました。小学生の頃は水泳もしていましたが、野球のほうが好きでした。自分には野球しかありません。先輩たちを勝たせられるキャッチャーになりたいと思い、この冬は一生懸命に練習してきました」

高いポテンシャルを持ちながら、まだそれを十分に発揮しきれていない印象がある。捕手というポジションでは、何よりも経験が求められる。

「3年生になる頃には、先輩の横山悠さん(現・立正大)のようなキャッチャーになりたいです」

試合後、吉田監督に2年生バッテリーについて尋ねると、苦笑いを浮かべながらこう語った。

「捕手はチームの課題のひとつですが、今日の試合はいい経験になったと思います。初回はふたりともバタついて、『何をしたいんだ......』という場面もありましたが、そこからよく立ち直ってくれました」

試合後、菰田の骨折が判明し、2回戦以降のプレーは絶望的となった。また、昨年の甲子園を経験し、主戦を任されるはずだったサウスポーの檜垣瑠輝斗(るきと/3年)もコンディションも万全ではない。

こんな時こそ、下級生の力が必要だ。渡部は言う。

「光永は、自分がうまくいかない時には厳しい言葉をかけてくれます。グイグイ引っ張ってくれるので、とても投げやすいです」

吉田監督は渡部をこう評価する。

「本来はもっといいピッチングができる投手です。彼のポテンシャルはこんなものではありません。この甲子園でも、さらに力を発揮できるはずです」

チームの大黒柱である菰田を欠く厳しい展開となったが、3年ぶりの選抜制覇へ、2年生バッテリーにかかる期待は大きい。

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