3月25日(水) 5:40
学資保険のお金にかかる税金は、契約者と受取人の設定によって変わります。ここでは、契約者と受取人が同じ場合と異なる場合で、税金がどのように変わるのか見ていきましょう。
学資保険の満期保険金を受け取る際、契約者と受取人が同一人物であれば原則一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。
例えば、父親が契約者として保険料を積み立て、満期金も父親自身が受け取るケースがこれに該当します。満期保険金における一時所得の金額を算出する計算式は、以下の通りです。
・一時所得の金額=満期保険金-払込保険料総額-特別控除額50万円
この計算式を基に、学資保険で受け取った300万円にどのくらい税金が発生するのか見ていきましょう。毎月1万5000円を15年間、総額270万円払ったと想定します。
・(300万円-270万円-50万円)×1/2=-10万円
計算結果がマイナスになるため、課税の対象となる一時所得は0円となり、結果として所得税は発生しません。また、満期保険金を一括ではなく年金形式で分割して受け取る選択肢もあります。この場合、税務上の扱いは、一時所得ではなく公的年金等以外の雑所得です。
雑所得の金額は、その年に受け取った年金額から、その金額に対応する保険料を差し引いて算出します。受取期間が数年にわたる場合は、毎年の所得としてカウントされることになるため、一括受け取り時とは仕組みが異なる点に注意が必要です。
学資保険において、契約者と受取人が別人の場合、そのお金は税法上で贈与とみなされます。このケースでは、所得税ではなく贈与税の課税対象となる点に注意が必要です。
保険料を負担した人とお金を受け取る人が違う場合は、税法上は贈与として扱われます。具体的には、以下のようなパターンです。
・夫が保険料を支払い、妻が満期保険金を受け取る
・親が保険料を負担し、子が教育資金として直接受け取る
贈与税には一般税率と特例税率があります。直系尊属(父母や祖父母)から18歳以上の子や孫へ贈与される場合は特例税率が適用される場合がありますが、夫から妻へ贈与されるケースでは一般税率が適用されます。
国税庁「財産をもらったとき」によると、一般税率の税率と控除額は表1の通りです。
表1
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | - |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3000万円超 | 55% | 400万円 |
出典:国税庁「財産をもらったとき」を基に筆者作成
では、実際に学資保険で300万円を受け取った際、どの程度の贈与税が発生するのか計算してみましょう。
・300万円-110万円(基礎控除額)=190万円(基礎控除後の課税価格)
・190万円×10%(一般税率)=19万円(税額)
この試算から分かる通り、今回の300万円に対しては、契約者以外が受け取ると19万円の贈与税が課されることになります。契約者と受取人を同一にしていれば所得税(一時所得)扱いとなり、税負担が軽く済むケースが多い一方、別人に設定すると贈与税によって負担が膨らむ可能性があるのです。
学資保険を検討する際は、将来の受け取り時の負担まで見据えて、慎重に契約者と受取人を設定することが大切です。
学資保険の満期保険金は、契約者と受取人の組み合わせによって税金の種類が変わります。契約者と受取人が同じ場合は所得税・住民税として扱われるため、特別控除の影響で税金がかからないケースも少なくありません。
一方、契約者と受取人が異なる場合は贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。学資保険を契約する際は、将来受け取るときの税金まで含めて契約内容を確認しておくと安心でしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1755生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産をもらったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
学資保険の祝い金や満期保険金は受け取り方によって税金が変わる? 賢い受け取り方とは?