ディズニー&ピクサーの最新作「私がビーバーになる時」(公開中)は、タイトルの通り、ビーバーが主人公(ただし見た目はビーバー、中身は人間)。実は本作、当初はペンギンが主人公の物語になる予定だったことが判明した。
本作は、猪突猛進な主人公メイベルがおばあちゃんの大切にしていた森を守るため、極秘テクノロジーを使い、見た目はビーバー、中身は人間のままで夢見ていた動物の世界へ飛び込む物語。人間が企てた高速道路建設計画を止めるため、優しすぎる王様ビーバーのキング・ジョージやのんびり屋のローフをはじめ、森の仲間たちを率いたメイベルが人間に立ち向かっていく。
本作を手掛けたダニエル・チョン監督は、ピクサーの名作「インサイド・ヘッド」でストーリーボードアーティストとして参加し、物語づくりの最前線を支えてきた実力派クリエイターのひとり。その仕事ぶりが評価され、才能に目を留めたのが同作の監督であり、現在ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるピート・ドクターだった。
数々のヒット作を世に送り出してきたドクターから「監督を任せたい」と声がかかり大抜擢されたチョン監督は、「最初は、世界からペンギンの数がどんどん減っている謎を探るため、人間がペンギンの体に入り込んで潜入するという、スパイ映画のような物語だったんです。しかしピートから『世の中にはもうペンギンの物語が十分すぎるほどにあるのでは?』と指摘されたことで気付いたんです。たしかに『ハッピーフィート』や『サーフズ・アップ』をはじめ、例を挙げるとキリがないくらいにたくさんあるな、と」と語り、「彼の言う通りでした」と笑いながら振り返った。
そんな中チョン監督が出会ったのが“ビーバーが生態系をつくる存在である”という事実。イエローストーン国立公園内のバランスが崩れていた生態系にビーバーがやってきてダムや池を作ったことで、多くの動物や植物が再び集まり、豊かな自然環境が生まれていったことを知った。
チョン監督は「ビーバーは自分たちの住処を作るためにダムを築きますが、その結果として多くの生き物たちの居場所が生まれます。まるで生態系をデザインするエンジニアのような存在なんです。そこで、ビーバーの物語を作ろうと決めました」と振り返る。
さらに制作チームは物語のスケールについても大きく見直した。当初のアイディア段階では世界中を舞台にしたペンギンによる壮大な冒険譚だったが、物語をより深く、キャラクターに寄り添ったものにするため、舞台をひとつの地域に絞る決断をしたという。プロデューサーのニコル・パラディス・グリンドルは「物語をより具体的、そして身近にすることで、キャラクターの感情やテーマを深く掘り下げることができました。それが結果的に作品をより力強いものにしたと思います」と語っている。
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