私(ラン)は、夫のコウタと二人暮らしです。子どもはいません。実家には父が1人で暮らしています。ずっと父娘の2人で頑張ってきたので、結婚後もなるべく父の様子を見に行っていました。私には母はいません。私が4才のときに家を出て行ったそうです。そのことで辛い思いもしたし、苦しんだ時期もありました。けれど父や周りの人たちに支えられて、なんとかやってきました。きっとこれからもこうやって生きていくんだろう……そう思っていたのです。
遠い記憶の彼方に母はいました。けれど、ある日突然、母はいなくなりました。
「もうお母さんは帰ってこないんだよ……」そう父に言われて、父の胸の中で号泣した記憶もあります。父は仕事が忙しい人だったので、父方の祖父母がよく手伝いに来てくれました。父と祖父母に囲まれて、私は大きくなりました。
ある日……私は、父に母のことを聞いてみたのです。
「お前が4才のときに、男を作って出て行ってしまったんだ」と、正直に教えてくれました。父に嫌なことを思い出させてしまって申し訳なかったと、聞いて後悔しました。ずっと隠されていた私と母とのわずかな写真も出してきてくれました。
母は気が付いたらいなくなっていた。やがて「死んだ」と記憶を書き換えていたら……実は不倫して出て行った人だった。
私にとって母の情報はこれくらいです。
写真を見る限りは、私も母も幸せそうに微笑んでいます。いったい何があったのか……。
分からないけれど、正直「分からなくてもいいか」そう思いました。
母がいないことで辛いこともあったけれど、それでも私は父と一緒にいて幸せだったし、母のことなんてどうでもいい。
そう思っていました。
原案・ママスタ脚本・渡辺多絵作画・よしはな編集・石井弥沙
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