高木豊のDeNA戦力分析&セ・リーグ順位予想前編
昨シーズンは、阪神に13ゲームの大差をつけられての2位だったDeNA。相川亮二新監督のもとで新たな戦いに挑むことになるが、はたして現状の戦力はどうなのか。かつて大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)で活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊氏に見解を聞いた。
高木氏が注目選手に挙げた梶原photo by Sankei Visual
【足を使える選手たちに注目】――春季キャンプ、オープン戦で気になったDeNAの注目選手を挙げるとしたら?
高木豊(以下:高木)梶原昂希です。昨年はダメでしたが、今年はよさそうな感じがします。活躍するのが隔年では困るんですけどね。今シーズンは1、2番に定着してほしいですが、将来的には3番を打てるバッターだと思っています。
――梶原選手が「よさそう」なのはどのあたりですか?
高木2024年のよかったときの状態に少しずつ戻りつつあります。この状態をキープできれば、ホームランも軽く10本以上打つでしょう。盗塁も20以上、いや、それ以上走れる足を持っていますし、走塁にも意欲的に取り組んでほしいです。
今年から指揮を執る相川監督は、どちらかといえばランナーを動かしていきたいタイプの監督ですし、梶原が塁にいれば動かしていくんじゃないかなと。必然的に盗塁の数も増えるような気がします。
――野手陣全体の仕上がり具合やポジション争いについては、どう見ていますか?
高木外野手は梶原、佐野恵太、蝦名達夫、度会隆輝らの激しい争いになりますね。仮に外野の一角が崩れて筒香嘉智に外野を守らせることになった場合でも、牧秀悟をファーストに回して、石上泰輝と林琢真で二遊間を固められます。サードには宮﨑敏郎がいますし、キャッチャーも含めて層は厚いです。
バッティングの技術は全員高いです。タイラー・オースティンが抜けたので打線の迫力は昨シーズンに比べて見劣りするかもしれませんが、つないでいける打線だと思います。最近はどこの国の野球もホームランで決まる試合が多いんですけど、試合終盤で1点を取りにいく時の足も大事なんです。
――梶原選手などの足が生きてきそうですね。
高木梶原、林、石上あたりがスタメンに入ると、足でかき回す野球ができますよね。一方で、牧をセカンドにして、筒香をファースト、宮﨑をサードにすると、走れる選手が梶原くらいになる。林か石上がショートに入った場合は足を使えますが、梶原が上位を打っても、このふたりが上位に入ることはあまりないでしょうね。いずれにせよ、足のある選手はいるので、相川監督がそのあたりをどう考えていくかです。
ただ、バンテリンドームナゴヤにホームランウイングができましたし、一発が出にくい球場が甲子園だけになるんですよね。そういう意味では、ホームランも必要です。
――石上選手は昨シーズンの後半戦で打率.307をマークしました。大卒3年目ですし、ブレイクを期待したい選手のひとりですね。
高木侍ジャパンの井端弘和監督が石上を見て絶賛していたのが、やっぱり足なんです。「あの選手は走ることを覚えたら、相当走れる脚力を持ってますよ」と言っていました。林もそうですが、そのふたりで二遊間が組めるとスピード感も合うし、いいと思います。
【ピッチャー陣は不安も】――ピッチャー陣で注目している選手は?
高木ジョン・デュプランティエです。先発の柱を担っていた外国人投手たちが抜けましたし、デュプランティエが規定投球回を投げて二桁勝利を挙げてくれないと、ピッチャー陣はかなり苦しくなると思います。東克樹はここ数年の"勤続疲労"の影響があってか、オープン戦で簡単にホームランを打たれていますし、少々不安です。
竹田祐や石田裕太郎らが先発の二番手に挙がってくると思いますが、このあたりがちょっと弱いですよね。阪神であれば、村上頌樹、才木浩人、中日であれば、髙橋宏斗、金丸夢斗と続いていて充実しています。その点でDeNAは、二番手、三番手のピッチャーが厳しいです。
――シーズンに入ってみなければ、わからない部分も多そうですね。
高木竹田も石田も伸びしろがあるふたりなので、シーズンに入って化ければいいなと思いますが、勝っても10勝前後が精一杯なのかなと。例えば、先ほど挙げた阪神や中日の先発は、打線とかみ合えば15勝近く勝てるイメージが湧くんですけどね。
――リリーフ陣はいかがですか?
高木ショーン・レイノルズやハンセル・マルセリーノら新外国人投手がどれだけできるかですね。あとは伊勢大夢らに頑張ってもらうしかないです。宮城滝太はどうなのか、左は坂本裕哉しかいないのか......結局は外国人投手頼みですし、あまり代わり映えしないんです。新外国人投手たちが、昨年までいたローワン・ウィックを上回るような活躍をしてくれればいいのですが、日本の野球に合うかどうかも含めて未知数ですからね。
――ルーキーに関してはどう見ていますか?
高木小田康一郎(1位・内野手/青学大)、宮下朝陽(3位・内野手/東洋大)、成瀬脩人(5位・内野手/NTT西日本)ら内野手がいますが、宮﨑敏郎の後釜とか、牧秀悟が本格的にファーストにコンバートされた時の二遊間とか、そういうことで獲っていると思うんですけど、今年から戦力として計算しているわけではないですよね。ファームで経験を積ませるほうがいいと思います。
とはいえ、一軍の試合も経験させたいので、その場合は宮﨑を休ませる時にサードに入れるといった形になっていくのかなと。ただ、よっぽどよければ、昨シーズンの広島の佐々木泰のように、途中からサードに入れて使っていくような気がします。
監督が変わって、これまで頼っていた外国人選手たちも抜けました。新たに入った選手たちは未知数ですが、いい方向にチームが変わっていくことを期待しています。
(後編:高木豊のセ・リーグ順位予想は巨人、古巣のDeNAがBクラス 「苦しいスタートになりそう」>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
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