「もったいないバナナプロジェクト」が進化ドールの食品ロス削減活動が5年目、「果実全体に広げたい」

規格外バナナと「もったいないバナナ」プロジェクトのロゴマーク。規格外でも食用に適したものは袋にロゴの

「もったいないバナナプロジェクト」が進化ドールの食品ロス削減活動が5年目、「果実全体に広げたい」

3月19日(木) 12:19

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ノーベル平和賞受賞で世界共通語になった「MOTTAINAI(もったいない)」。さまざまな分野で環境活動として広がりを見せる中、バナナをはじめ果物の輸入・販売で知られるドール(東京)が展開している「もったいないバナナプロジェクト」が5年目に入った。今ではフルーツ全般の食品ロス削減につなげる「もったいないフルーツアクション」として活動を広げている。プロジェクトを担当するドール拡大推進室長の成瀬晶子さんにあらためて活動について話を聞いた。

▽「規格外バナナ」を“救出”

バナナは日本で最も食べられているフルーツで、日本にはフィリピン産を中心に年間約100万トンが輸入されている。ドールもフィリピンで日本向けバナナを生産しているが、皮の傷やサイズのばらつきといった理由で廃棄される「規格外バナナ」は、自社農園だけでも年間約2万トンにのぼるという。





成瀬さんは「SDGs(持続可能な開発目標)の観点からもフルーツに携わる企業として食品ロス削減に取り組もう」とプロジェクトを始めたきっかけを説明した。2021年9月、ドールジャパンで「規格外バナナ」を「もったいないバナナ」と名付け、廃棄されるバナナを“救出”するプロジェクトが始動。付き合いのある企業にも呼びかけ、「見た目」にとらわれない新たな商品を開発し、消費者への提供を始めた。

「規格外バナナ」は、皮に傷があったり、市場に出す規格としてサイズが合わなかったりするバナナだが、味や品質に問題はない。出荷時に廃棄対象になったものの、比較的形がいいものは「もったいないバナナ」と明記した上で、スーパーなどのバナナ売り場に並ぶ。「もったいないバナナ」は2026年3月現在、国内約1400店舗で販売している。

▽動画でSTORYを制作

ドールは、フィリピンで生産されたものの規格外としてはじかれ、捨てられる予定だったバナナが、日本に運ばれ正規品と同じ店頭に並ぶ様子を4分間の動画にした「もったいないバナナSTORY」を制作。量販店の店頭や映画館で配信し、理解を求めている。

青果バナナ以外では、バナナピューレ、パウダー、チップスといった原料を供給し、加工食品として生まれ変わらせるほか、「バナナ炭」やバナナ炭を原料としたペン立て、お香立てといったユニークな商品もある。「バナナ炭」は、バナナの形のまま、炭に加工するもので、軽くて着火が早く、燃え切るまでも早いなどの特徴があり、バーベキューなどにも適しているという。





成瀬さんは、プロジェクトに取り組む背景として、気候変動の影響もあると話す。「近年、フィリピンでも気候変動の影響でバナナの生産環境が悪化し、生産量は減少傾向にある」と指摘する。プロジェクトを通じて、これまでに200社以上が参画し、延べ150点以上の商品に生まれ変わらせた。取り組みによって、2025年度だけでも約4000トン(2700万本相当)の廃棄バナナを“救出”したことになり、生産地などへの還元にもつながっているという。





▽パイナップル、マンゴーなども

新たな取り組みも始めた。2024年10月から「オフィス・デ・ドール」と名付け、賛同する企業に「もったいないバナナ」を定期的に届けるサービスだ。成瀬さんは「バナナは1日2本食べるといい、という研究もある」と話し、仕事をしながらでも気軽に食べられるバナナを推奨する。ドールによると、「もったいないバナナ」をオフィスに配達している企業は約150社(2026年1月末現在)になり、“救出”の一助を担っている。

バナナ以外にも廃棄される果物にも「もったいない」を広げようと、2024年10月からドールが取り扱っているパイナップルやマンゴー、アボカドといった果物も含め「もったいないフルーツアクション」をスタート。成瀬さんは「今後は自社だけでなく、国産果実の食品ロスをなくそうと各方面に幅広く呼びかけていく」と話した。





ドールはプロジェクトを知ってもらおうと、毎月1日を「もったいないフルーツの日」、毎月7日を「バナ活の日」として日本記念日協会の記念日として登録した。こうした取り組みが評価され、「もったいないバナナプロジェクト」は「令和7年度 食品ロス削減推進表彰」の環境事務次官賞を受賞。動画「もったいないバナナSTORY」は、消費者が選んだ広告コンクール「JAA広告賞」のフィルム広告(長編)部門でメダリスト(トップ10)も受賞した。

▽フルーツロスをゼロに

成瀬さんは、プロジェクトの目標について「生産者が思いを込めて作ったバナナを余すことなく流通させるべく、年間2万トンの廃棄バナナをゼロにしたい」と意気込む。さらに「『規格外』って言うけど『そもそも規格って何?』と言いたい」と、外見から判断している現状に疑問を呈す。今後は「フルーツを扱う企業として、フルーツロスをなくす旗振り役になりたい」と話し、さらなる活動を展開する考えだ。

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