【MLB】WBC準々決勝敗退の陰で... メジャースカウトが語る侍ジャパン戦士のリアル評価「大谷翔平は例外中の例外」

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【MLB】WBC準々決勝敗退の陰で... メジャースカウトが語る侍ジャパン戦士のリアル評価「大谷翔平は例外中の例外」

3月19日(木) 9:55

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メジャースカウトが見た日本人選手の現在地(前編)

世界最高峰の舞台であるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。その裏側では、各国のスカウトたちが鋭い視線で選手の「真価」を見極めている。今回の大会を視察したメジャースカウトは、日本人選手をどう評価したのか。名前の挙がった注目株から、日本野球の現在地、そしてスカウティングの最前線まで、そのリアルな声に迫る。

侍ジャパンのメンバーとして初めてWBCに出場した日本ハム・北山亘基photo by Sankei Visual

侍ジャパンのメンバーとして初めてWBCに出場した日本ハム・北山亘基photo by Sankei Visual





【メジャースカウトが唸った日本人投手】 ──今回のWBCを視察して、とくに印象に残った日本人選手を教えてください。

今回の侍ジャパンは主力の多くがすでにメジャーリーガーだったので、調査対象は限られていましたが、それでも面白い素材が揃っていましたね。まず北山亘基(日本ハム)ですね。今回のメンバーのなかではまだ名前が売れていないほうですが、個人的には"掘り出し物"として非常に注目しています。フォークなどの落ちる球のキレ、そしてコンスタントに150キロを超えるスピードは、メジャーのスカウトたちの間でも評価が高いですよ。

──ロッテの種市篤暉投手やオリックスの宮城大弥投手はいかがでしたか?

種市は、メジャー志向が強いと聞いています。近い将来の候補としてリストに入っています。アメリカでは「落ちる球でしっかりストライクが取れる」タイプが重宝されるので、その点でも評価は安定しています。

宮城は小柄なサウスポーながら、あのチェンジアップとコントロールは一級品。ただ、一部のスカウトからは「あの独特なカーブがメジャーの強打者に高めにいったら、一発で仕留められるのでは?」という慎重な声も出ています。

──近い将来、メジャーに行くと言われている髙橋宏斗投手はどうですか?

彼は、いつメジャーに来てもおかしくないと常にマークしています。行き先はドジャースが有力という見方が強いですね。山本由伸投手と親しいらしいので......(笑)。

──直近で動きがありそうな選手は誰でしょう。

平良海馬(西武)は、今年のオフにも動き出す有力候補として名前が挙がっています。あと、伊藤大海(日本ハム)も注目株です。ちなみに僕たちメジャーのスカウトも、日本のアマチュアスカウトと同様に、その年のオフにスカウト対象となる選手、翌年以降、あるいは数年後に対象となる選手とグループ分けして視察しているんです。また獲得する可能性が低かったとしても、日本の現状レベルを把握する意味でも視察し、本国(アメリカ)に報告しています。もちろんプロだけではありません。高校生から大学、社会人、独立リーグまで全国を駆け回っています。

【日本人野手にパワーは求めていない⁉︎】 ──次に野手について聞きたいのですが、投手とは評価が違いますか。

野手の場合、球団によって評価基準がまったく違ってきます。今季から村上宗隆(ホワイトソックス)と岡本和真(ブルージェイズ)がメジャーでプレーしますが、「日本人選手にパワーを求めなくてもいいんじゃないか」という考えもあります。パワーだけなら、ドミニカやベネズエラにいくらでも候補がいると。

それより、走攻守揃った中距離打者や、イチローさんのようなタイプがいいのではないか、と。日本でいくらホームランを量産しても、メジャーでは中距離打者に落ち着くことが多いというのもあります。大谷翔平については、ほんと例外中の例外ですから(笑)。

──村上選手と岡本選手に関しても、チームによって評価が分かれたのですか。

スカウトの間でも、意見が分かれましたね。村上を推すスカウトもいれば、岡本を推す人もいる。個人的には、岡本を評価していました。守備力を含めた総合力、打率を残せる安定感、そしてインハイや変化球への対応力。村上は内角攻めに苦労するイメージがあるのですが、岡本にはそれがない。トロントのような優勝を狙える環境に身を置けることは、すごく賢い選択だったと思います。

──ほかの野手についてはどうでしょうか。

なかでも佐藤輝明(阪神)は、数少ない候補者のひとりですが、投手ほどの確信は持てないというのが本音です。同じく森下翔太(阪神)も魅力的な選手ですが、メジャー移籍の議論になるのは、もう少しあとになるという位置づけですね。

【投手の日米差は確実に縮まっている】 ──最近のMLBは、データ活用がすごい勢いで進んでいると聞きます。実際、現場ではどう受け止められているのでしょうか。

データ重視の流れは、さらに加速していくだろうと思います。回転数や変化量などを数値化して、それをメジャーの選手と比較し「いくら投資して大丈夫か」というひとつの判断材料になっています。だから、仲間内では「スカウトは冬の時代だ」なんて声も上がっています。極端な話、あと数年もしたらスカウトという仕事自体がなくなるんじゃないか、と心配する人もいるほどです。

──それでも現場に足を運ぶ価値はどこにあると思いますか。

やはり「自分の目で見る」という価値は揺るぎません。ビデオはどうしても「いい場面」だけをつなぎ合わせがちですが、それだけでは選手の本質は見抜けません。練習への取り組み方、試合前後の振る舞い、そして大舞台のしびれる場面でも普段どおりでいられるか。こうした数字に表われない部分は、現場でしかわかりません。バッターにしても、単にヒットか凡打かだけでなく、「自分のスイングができた結果の凡打」なのか、「完全に崩された凡打」なのか。そこまで深く踏み込んで見る必要があります。

──今回のWBCで、あらためて日本人投手はどう評価されていますか。

ここ数年で質が一気に上がり、日米の差は確実に縮まっています。コントロールや球速の向上はもちろん、アマチュア時代から科学的な育成が行なわれていることも背景にあります。今の日本のエース級なら、メジャー全30球団のどこへ行っても、先発ローテーションとして十分に通用する実力があると思います。

──一方で、思うような結果を出せずに帰国するケースもあります。その差はどこにあるのでしょうか。

成功には、実力以外の要素も大きく影響します。チームとの相性、生活環境、気候、近くに日本人コミュニティがあるかどうか、そしてメディアからのプレッシャーなどです。僕らは調査を通じて「性格」も重視します。たとえば、有原航平(現・日本ハム)は投手としても人としてもすばらしい。ただ、勝負の世界では「いい人すぎる」ことが、結果として仇(あだ)となることがあります。もちろん、メジャーの滑りやすいボールにどれだけ適応できるかも、重要なチェックポイントです。

つづく>>

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