【男子バレー】東レ静岡の山口拓海を支える「負けず嫌い」の精神バレー界全体の未来を見据え、クラブの経営や運営にも興味

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【男子バレー】東レ静岡の山口拓海を支える「負けず嫌い」の精神バレー界全体の未来を見据え、クラブの経営や運営にも興味

3月13日(金) 9:50

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『ハイキュー‼』×SVリーグコラボ連載vol.2(26)

東レアローズ静岡山口拓海前編

2020年から東レアローズ静岡でプレーする山口 photo by アフロスポーツ

2020年から東レアローズ静岡でプレーする山口 photo by アフロスポーツ





【苦戦していたチームでの役割】「負けず嫌いではあるかな、と」

東レアローズ静岡の山口拓海(28歳)は、自身の人生を振り返って言う。周りに振り回されたくなかったし、自分のやり方で答えを見つけてきた。

中学3年の時には指を骨折しながらも、親指と人差し指だけでペンを持って入試を突破し、群馬県屈指の進学校である高崎高校に入学。高校3年時には春高バレー予選までプレーを続けながら、国内有数の国立大学である筑波大学に合格した。

むしろ、逆境でスイッチが入るのか。

「ケガとかをできない理由にしたくなかっただけですね。春高も、インターハイ予選で負けたのが悔しくて続けただけ。1、2年時のインターハイは出られていたのに、自分が3年生の時は出られなくて。ほかの高校には中学で一緒だった選抜メンバーもいたので、そこにも負けたくなかったです」

山口はそう言って笑う。人生でも、コートでも負けず嫌いだ。

学業でも優秀な成績を収めてきた山口は、論理的な思考の持ち主である。リベロとしても何本もレシーブを重ね、自らのプレーを構築してきた。話し方も、常に相手を気遣っていて柔和だ。熟慮して選択肢のなかから最善を選ぶことが身についているのだろう。

その生き方の根底に、負けず嫌い精神があるのだ。

2025-26シーズンの前半戦、チームは想定以上に苦戦した。年末の天皇杯後、全員で話し合う機会があった。その発案者のひとりが山口だったという。

「天皇杯が終わり、家でぼんやり考えていて『個人個人が、それぞれ思っていることを周りに伝えるべきだ』と思い立って、すぐチームに伝えました。リーグ再開後の、ヴォレアス(北海道)、(日本製鉄ブレイザーズ)堺、ジェイテクト(STINGS愛知)、(広島)サンダーズとの試合は落とせなかったので、ひとりひとりが意見を出し、それをまとめて戦えるようにしたかった。チームでいろいろ話す時間を設けてもらったんです」

結果、ブレイザーズには連勝し、ほかのチームとも1勝1敗でポイントを獲得した。

「今シーズンは、そういう(アイディアを出す)のも自分の仕事。コートではリベロではなく、"守備固め"でプレーしている感じですからね。どうにかチームのために働きたいと思いました」

【将来的に、クラブの経営や運営にも興味】昨シーズン、ボールを受けて右手を骨折し、手術をした。その傷跡は今も痛々しく残る。プレー自体に支障はないが、痛むこともあって元通りとはいかない。トップレベルの競技者の代償として、一生つき合うことになる傷だろう。それも負けず嫌いの象徴だ。

「本当はケガをしたくないんですけどね」

山口は右手を無意識にさすって言う。

「今は『練習量をもっと増やさないとだめだな』と、あらためて思っています。試合に出る機会が少なくなると、必然的にバレーをする時間も少なくなる。その分、練習の時間を取らないと感覚が鈍っていきますね。試合の途中で出て、うしろ3つを守るというのは、今までとはメンタル面も違う。リリーフレシーバーとして入ってレシーブミスするのはあり得ないので、プレッシャーはありますね」

勝負のスリルを感じながら、コート内で勝ち筋を探してきた。それは今後の人生にも投影されるのだろう。

「将来的には、クラブの経営や運営に興味があります。それはGMにも伝えてあるんです」

山口は饒舌に続ける。

「3年くらい前、SVリーグが立ち上がることが決まって、リーグが実施したリーダー研修会に参加させてもらったんです。今後、バレー界がどう変わるのか。Bリーグの事例とか、大河(正明チェアマン)の話などを聞かせていただいたり、他チームの選手とグループワークしたり......。プロリーグとしてやることが増えていくし、変わっていかないといけない。それが楽しそうだなと思いました」

SVリーグの俊才は、バレー界全体の未来も見据える。クラブの経営、運営で負けず嫌いを発揮し、積極的なアイディアで変革を起こせたら――。プロスポーツの原則はトライ&エラーだ。

そこで、最後に訊いた。

――勝利と敗北、どちらを覚えていますか?

「インターハイと春高の予選、どっちも県ベスト8で終わっているんですが、負けた相手が中学の時に一緒にプレーした選手がいるところだったんです。僕は悔しくて泣いていたんですけど、そのメンバーに話しかけられて。僕はあまりしゃべれなかったと思うんですが、やはり負けたことのほうが覚えていますね」

やはり、山口は負けず嫌いの衝動が疼いた時が転機となる。

(後編:山口拓海は妻が「僕以上に『ハイキュー‼』が好き」アドバイスを受けてベストメンバーを選出した>>)

【プロフィール】

山口拓海(やまぐち・たくみ)

所属:東レアローズ静岡

1997年8月30日生まれ、群馬県出身。168cm・リベロ。ふたつ上の上級生に誘われ、小学1年の夏にバレーを始める。高崎高校ではバレー、学業ともに励み、一般入試で筑波大学に入学。バレー部でリベロのレギュラーを掴み、2020年に東レアローズ静岡に入団した。

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