夫の不倫をきっかけに離婚する――。だが、ただ別れるのではなく、最高の条件を引き出すために周到な準備を進める妻もいる。
夫の不貞の証拠を押さえ、住宅ローンの支払いと養育費を約束させたうえで離婚した女性。さらに別の女性は、あえて夫を“泳がせ”、不倫を待ってから離婚協議に臨んだという。
不倫の証拠、財産分与、養育費……。夫に有利な条件を許さない“計画離婚”のリアルを当事者の証言から追った。
夫から離婚を切り出されて…
夫の不貞行為をきっかけに熟年離婚するケースでも、計画立てて最高の条件を引き出した妻がいる。一昨年、20年の結婚生活に終止符を打った山川恵津子さん(仮名・44歳)もそんな一人だ。
「30歳を過ぎてから子供をつくろうとしたのですが、その頃にはレスに……。何度も流産、死産を経験して不妊治療の末、結婚11年目で長女を授かったので喜びもひとしおでした。ところが、長女が4歳のときに夫が『好きな人ができたので離婚したい』と言い出したんです」
話し合うなか、実は夫がそれまでに3人の女性と不倫していたことも発覚したという。
「でも、離婚したら娘を転校させて公立学校に通わせるという話をしたら、夫は『イヤだ』と。娘と離れるぐらいなら離婚は諦めるし、新しい彼女とも別れるとなった。夫婦関係が改善したこともあって、その後、5000万円でマイホームを購入しました」
将来的な離婚を視野に入れていた
実は、このとき恵津子さんは将来的な離婚を視野に入れていた。そのため、「離婚時にはすぐに高値で売れる、駅近の物件を私が探した」と話す。
「それから1年足らずで、夫が既婚者マッチングサイトで、不倫相手を探していることがわかったんです。夫が知らぬ間にスマホが自宅のタブレットと同期されて、連絡を取り合っていた20人以上の女性の写真がそこに保存されていた」
数々の不貞行為の証拠と自白が揃っていただけに、離婚協議では恵津子さんの要求が通ることに。夫は住宅ローンの支払いと月10万円の養育費を娘が成人するまで支払い続ける約束をし、マイホームは恵津子さんのものとなった。
「その家を今、売り出していて、売れたら残債を除いて2000万円の利益になる見込みです。元夫は住宅ローンの支払いがなくなるので、売却後は養育費を20万円に引き上げることで合意を得ています」
「夫の不倫を待った」という妻も
最高の離婚条件を引き出すために「夫の不倫を待った」という妻もいる。波多野由美子さん(仮名・56歳)だ。
「元夫はお金にだらしない人で、借金がかさんで一度自己破産しました。そのときに離婚しようとも思ったのですが……するなら財産を根こそぎ奪いたいと考え、別居を選択して、しばらく“泳がせた”」
別居中は、裁判所が作成した算定表に従って、婚姻費用(生活費など)を夫から受け取り、その一部を離婚後の生活資金として蓄えたという。
3年我慢して計画離婚
できる限り別居期間を引き延ばす腹積もりだったが、3年で元夫は不貞行為に走った。
「向こうから『離婚したい』と切り出したのですが、なかなか理由を言わなかった。私がのらりくらりとかわしていたら、職場の同僚と不倫し、相手が身ごもっていることを告白したんです。それで離婚協議に移行したのですが、子供が生まれた時点で両親が結婚していなければ、母親の戸籍に入るしかない。『綺麗な戸籍にしたいでしょ?言うとおりにしないと離婚届に判を押せない』と揺さぶったら、元夫は簡単に折れた」
当初、夫は150万円の慰謝料を提示していたが、離婚調停を経て200万円に増額。お金のない夫から月3万円×10年間の養育費をもらうことで合意したという。
※2026年3月10日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
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