3月11日(水) 4:00
まず結論からいうと、結婚資金として渡すお金は、子本人名義の口座に入金する形で実行するのが無難です。理由は、贈与の履歴として日付けや金額、相手方に至るまで、すべてを客観的に残すことができるからです。
親から見れば「子への結婚資金」という感覚でも、これは「贈与」に関わる行為なので、法律上において、お金の流れはその意図も含めすべてを客観的に判断することが基本です。
その点、手渡しなどではなく、口座に入金する形であれば、第三者が納得する形でお金の流れを客観的に証明することができるのです。なお、最近は夫婦共通の口座を作る夫婦もいるようです。そういった口座に親からの結婚資金をいきなり入金するようなことは避けるべきでしょう。
なぜなら、そのお金が夫婦どちらに向けたお金なのか分かりづらくなってしまうからです。自分の子に向けてであれば、子の名義の口座に入金しましょう。
もし夫婦双方に半分ずつ贈る場合であっても、それぞれの個人単独所有の口座に入金するようにしてください。後述する課税の問題にも関わってくるため、特にこの点は重要です。
結婚資金であっても、基本的には1年間での贈与額が110万円を超えると贈与税がかかります。そのため、少しでも税金を安く贈与したいのであれば、110万円以下での額で複数年に分けて贈与をするべきでしょう。
なお、結婚資金や子育て資金であれば、最大1000万円(ただし、結婚資金として使えるのは300万円まで)まで非課税となる「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」があります。しかし、この制度は金融機関との契約を事前に結ぶ必要があります。
とはいえ、贈与税は年間での贈与額が200万円以下であれば10%です。一般贈与財産の場合、600万円超〜1000万円以下と比較的高額になると、なんと40%もの税率(実際の税額は税率をかけて算出した金額から125万円を引いた額になります)になります。
結婚資金の贈与にあたって大切なのは、結婚資金はあくまでも新しい生活への応援であり、お金の使い方については一歩引いた視点から見ることが大切です。すなわち、新しい夫婦に使い方は基本的に任せるべきということです。
なぜなら、夫婦生活がこれから始まるというときに親に干渉されてしまうと、あまりよく思われないこともあり得るからです。「家具の購入に使ってほしいけど、実際何に使うかは夫婦でよく考えて決めてね」くらいにしておくのがよいでしょう。
子に結婚資金を贈るのであれば、まずは最低限、下記の点に気を使っておきましょう。
・本人の口座に入金
・110万円以下を1つの目安に
・お金の使い方には過度に干渉しない
結婚資金を渡したことが親子、ひいては新婚夫婦における亀裂の原因となってしまうことのないように、結婚資金の贈与については慎重に行うようにしてください。
執筆者 : 柘植輝
行政書士
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