ペアローンを組んで家を購入しましたが、昨年離婚しました。最近になって金融機関から「元夫の支払いが滞納している」と連絡があり、不安でたまりません。このままでは私のほうに支払い義務が回ってきてしまうのでしょうか…?

ペアローンを組んで家を購入しましたが、昨年離婚しました。最近になって金融機関から「元夫の支払いが滞納している」と連絡があり、不安でたまりません。このままでは私のほうに支払い義務が回ってきてしまうのでしょうか…?

3月11日(水) 4:00

夫婦それぞれがローンを組む「ペアローン」。これにより、購入できる住宅の幅が広がるので、利用している方は多くいるでしょう。 では、ペアローンを組んで購入した家について、夫もしくは妻の一方が支払いを滞っている場合、もう一方が負担しなければならないのでしょうか? 法律上と実務のずれについて整理しましょう。

ペアローンの法的な位置づけ

ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別個に金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ仕組みです。つまり、法律上は「2本の独立したローン」です。各自が自分の借り入れ分について返済義務を負い、相手の債務について当然に連帯しているわけではありません。
 
しかし、実務上では、多くの金融機関では、互いに連帯保証人になることを条件としています。連帯保証人は主たる債務者と同一の責任を負います。そのため、片方が返済不能になった場合、保証人である配偶者に請求が及ぶ可能性があります。ここが、最大の注意点です。
 

「払わなくてよい」と言い切れない理由

仮に連帯保証をしていない場合でも、不動産は通常夫婦共有名義であり、両ローンには同一物件に対する抵当権が設定されます。どちらか一方が延滞を続ければ、金融機関は担保不動産全体について競売手続きを進めることが可能です。
 
つまり、法的に相手の返済義務がなくても、家を守るために事実上支払わざるを得ない状況になる場合があります。
 

団体信用生命保険との関係

住宅ローンでは通常、団体信用生命保険(団信)に加入します。借入者が死亡または高度障害になった場合、該当者のローン残高は保険金で完済されます。
 
ただし、失業や収入減少、病気療養などは団信の対象外です。そのため、収入減による延滞リスクは依然として残ります。近年は「就業不能保障特約」付き商品が販売されている場合もありますが、内容は金融機関ごとに異なります。
 

離婚時・別居時のリスク

離婚しても、金融機関とのローン契約は自動的には消えません。名義人が返済義務を負い続けますし、連帯保証も原則として外れません(金融機関の承諾が必要)。
 
また、住宅ローン控除は各自が自分の借り入れ分について適用を受けます。返済不能により延滞や代位弁済が発生すれば、信用情報への影響も生じる可能性があります。
 

まとめ

ペアローンは「法的には別々の借金」です。したがって、原則として相手のローン返済義務までは負いません。
 
しかし、(1)連帯保証をしている場合、(2)共有不動産に抵当権が設定されている場合、(3)家を守りたい場合、には実質的に負担を引き受けざるを得ないケースが多いのが現実です。不測の事態に備えてあらかじめ、以下の項目について確認・準備しておきましょう。


・連帯保証の有無
・団信の保障範囲
・世帯収入の片働きシミュレーションを実施しておく
・万一のときに備えた生活資金(6~12ヶ月分)の確保

ペアローンは、「借り入れ可能額が増えるメリット」と「家計運営力が分散されて弱くなるデメリット」を併せ持つ仕組みです。
 
不動産は、長い期間にわたって付き合っていく財産になる場合が多いので、契約内容を正確に把握したうえで、最悪のシナリオも想定し、「備えあれば憂いなし」にしておくことが大切です。
 

出典

住宅金融支援機構 ずっと固定金利の安心【フラット35】 ペアローン
金融広報中央委員会 知るぽると 知っておきたい! 共働き夫婦のお金の話 家計&財産管理、離婚時の財産分与~
 
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者

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