【本編を読む】
踏み外せば谷底に落ちてしまうような険しい山道であっても、その先に生活する人がいる限り郵便配達員は荷物を届ける。現役郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さんが同僚の実体験を漫画化した『郵便屋が集めた奇談』より、エピソード「山に棲む」が読者に深い感動を与えている。「平凡な生き方のなかにも等しく生きる重みがある」と絶賛される本作について、著者に制作の裏側を聞いた。
都会育ちの新人配達員アラタさんは、教育係の江藤さんと共に車両進入禁止の集落へ向かう。杖をついて歩くよう指示されたアラタさんが足腰は大丈夫だと断ると、江藤さんは「蛇を追い払うんだ」と激怒した。険悪な道中、アラタさんはおかっぱ頭に着物姿という不思議な少女を目撃する。その直後、江藤さんに予期せぬ緊急事態が発生し、事態は急転していく。
作中で江藤さんは得体の知れないアラタさんをひどく警戒している。著者はその理由を「わからないものへの恐怖」だと分析する。人間は未知のものに出合うと身を守るために警戒し、それが時に他者を避けたり、攻撃したりする態度として表れるのだという。単に嫌っているように見えても、根底にあるのは理解できないことへの恐れなのだ。
しかし、そうした未知との遭遇は、自分に足りない必要なものを補う絶妙な機会でもある。わからない相手を理解しようと歩み寄るうちに、実は相手を必要として惹かれていたと気づき、劇的に仲が深まってよい相棒になることも少なくない。他者を理解しようとする姿勢は愛の本質に近く、だからこそ怖い話は案外、愛の物語になり得るのだと著者は力説する。
作中には祖父から父、父から子へと語り継がれる昭和の田舎の怪談も盛り込まれており、単なるホラーにとどまらない深い人間ドラマが展開される。読者からは江藤さんのキャラクターデザインに対する愛あるツッコミも寄せられており、細部の描写にも注目が集まっている。山奥で起きた不思議な怪異と人間関係の真髄を描いた物語を、ぜひ本編で味わってほしい。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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