WBC独占配信で「契約率5%未満」の衝撃…150億円投じた“ネットフリックスの勝算”は

侍ジャパン公式Instagramより引用

WBC独占配信で「契約率5%未満」の衝撃…150億円投じた“ネットフリックスの勝算”は

3月4日(水) 15:40

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数日後に開幕が迫った第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。連覇を狙う侍ジャパンは、6日に1次ラウンド第1戦の台湾戦を迎える。

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今大会は大谷翔平(ドジャース)を筆頭に過去最多となるメジャー組が集結。メダルラッシュとなったミラノ・コルティナ冬季五輪に続いて、今度は野球が日本国民に元気と勇気をもたらしてくれるはずだ。

まさにドリームチームと呼ぶにふさわしい侍ジャパンだが、これまでソフトバンクとの侍ジャパンシリーズでは打線がかみあわず、わずか2安打で完封負けを喫した屈辱も経験。メジャー組不在という言い訳はできるものの、課題が浮き彫りとなった。それでも、歴戦の侍戦士たちがそろう本番にはしっかり帳尻を合わせてきてくれるだろう。

“ネットフリックス独占配信”による影響は…

しかし、冬季五輪の熱気に比べると、侍ジャパンフィーバーの気配をそれほど感じられないのも事実だ。

これには、今回のWBCは地上波はおろか、BSなどでも放送予定がないことが理由として挙げられる。侍ジャパンシリーズとWBC強化試合の合計6試合は地上波で放送されたにもかかわらず、リモコンの電源ボタンを押すだけではWBC本番を観戦できない。

野球ファンならすでにご存じの通り、米配信大手『ネットフリックス』が国内におけるWBC全47試合を独占放送するためだ。同社は150億円もの大枚をはたいて、前回大会で視聴率40%超えを連発した“お化けコンテンツ”の権利を獲得したため、観戦にはネットフリックスへの登録がマストである。

ただ、日本のテレビ局もWBCに全く関わらないわけではない。日本テレビはネットフリックスから中継制作を受託することを発表済みで、WBCを盛り上げるための特別番組も多く手掛けることになっている。ただし、繰り返しになるが、侍ジャパンを含むWBCの試合を国内で見るためには、ネットフリックスへの課金が必須となる。

契約予定の割合は5%未満?

そんな中、産業能率大学スポーツマネジメント研究所がWBCに関する興味深い調査結果を発表した。

47都道府県在住の男女1万人に行ったアンケートによると、WBCに関係なくネットフリックスと契約している人は17.3%に上るという。これに対し、WBCが理由で契約済みもしくは契約予定なのがわずか4.9%だった。

さらに大会の盛り上がり次第では契約を検討すると答えた人はわずか8.8%で、どんなに盛り上がっても契約予定はないが7割近い68.0%に達した。

3年前は50%に迫る日本人がテレビでWBCを見たとされるが、今大会は7割弱がネットフリックスと契約する意思がない。つまり、多く見積もっても3人に1人程度しかWBCをネット配信で観戦しないことが予想される。テレビの視聴率に例えれば、今回は30%超えがいいところというわけだ。

150億円投資の価値はあるのか…

地上波では、中継制作を受託した日本テレビ以外はニュースや情報番組などでもそれほど大きく取り上げない可能性が高い。WBCが理由で契約済みもしくは契約予定が4.9%という調査結果には、ネットフリックスも心中複雑だろう。

ネットフリックスとしては、大枚をはたいて獲得した権利である。1人でも多くの視聴者獲得を狙いたいところだが、盛り上がり次第で検討すると答えたファンを合わせても、たった10%台。この後、予想以上の契約数に至る可能性もゼロではないが、果たして150億円の価値があるかどうかは終わってみないとわからない。

一昨年には配信トラブルも

ただネットフリックスの制作側は、ホッと胸をなでおろしているかもしれない。というのも、視聴者数があまりにも莫大となれば、ネット回線のパンクが危惧されるからだ。

ネットフリックスといえば、2024年11月にプロボクシング元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソンと人気YouTuber兼ボクサーのジェイク・ポールとの試合を生中継。アメリカ国内外から大きな注目を浴びたが、その試合中にストリーミングの問題が発生し、多くの視聴者から不満の声が上がった。

また、国内でもDAZNがJリーグと10年に及ぶ長期独占契約を結んだが、初年度の2017年にこともあろうか開幕戦で障害が発生。映像が途中で止まったり、巻き戻ったり、エラーが表示されたりするなどの症状が全国規模で起こった。

開幕後の盛り上がり方に注目が集まる

Xでは今回のWBCでも「回線落ち」を危惧する声も上がっているが、ネットフリックスは世界で最も利用されているストリーミングサービスの一つ。技術的に相当の準備を施して本番に臨むことは確実で、よほどのことがない限り、トラブルに至ることはないはずだ。

そこへ来て、思ったほどの契約者を得られなければ、放送事故を心配する必要はないだろう。

ネットフリックスの独占配信という新たな局面を迎えるWBCは、侍ジャパンの試合以上にその盛り上がり方に大きな注目が集まる。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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