あおり運転してきた白い車が「“あおることに必死で”パトカーに気づかず」警察に捕まるまで。一発で免許取消しも、最新の厳罰事情

※写真はイメージです

あおり運転してきた白い車が「“あおることに必死で”パトカーに気づかず」警察に捕まるまで。一発で免許取消しも、最新の厳罰事情

2月28日(土) 8:43

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2020年の「妨害運転罪」創設から5年。警察庁が発表した最新の集計によれば、高速道路における「車間距離不保持」の摘発件数は、令和6年の4,713件から、令和7年(2025年)速報値では2,881件へと推移しています。

警察による取り締まりの強化によって減少傾向にはあるものの、依然として年間2,800件以上の危険な違反行為が摘発されているのが実態です。これほど厳罰化が周知され、ドライブレコーダーが普及した2026年現在においても、なぜ無謀な運転で人生を棒に振る者が絶えないのでしょうか。

今回は、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、バイクによる執拗な追跡と、パトカーによる劇的な摘発劇という「今こそ教訓にすべき2つの事例」を厳選。最新の統計と法規に照らし、あえて今読むべき警告として再構成しました。執拗な恐怖にさらされた被害者が、毅然とした態度で悪質な運転者を「自業自得」の結末へと追い込んだ記録です。

【事例1】車間距離“ゼロ”のバイクに冷や汗

矢崎薫さん(仮名・30代)は残業を終え、クタクタになりながら車で自宅に向かっていた。市街地を抜け、郊外へと続く暗いバイパスを走行中、後ろから“ものすごい勢い”で接近してくるバイクが見えたという。

「あっという間に車間距離が“ゼロ”になりました。ミラー越しに見える運転手は男性で、なにかを怒鳴っていました」

矢崎さんは、少しでも車を減速すれば追突されると、本気で身の危険を感じたそうだ。

「私は左に車線変更して道を譲ったんです。バイクが猛スピードで追い越したかと思った瞬間、車との間に割り込んで急ブレーキをかけました」

明らかに“あおり運転”だ!

背中に冷や汗をかきながら、矢崎さんはなんとか一定の距離を保とうと必死だった。

そのとき、矢崎さんは“あること”を思い出した。

「数日前に知人から勧められてスマホにインストールしていた、“ドライブレコーダーアプリ”を思い出したんです。すぐに録画ボタンを押し、バイクのナンバープレートや異常な運転の様子をしっかり記録しました」

地元のニュースに取り上げられる事態に

すると奇跡のようなタイミングで、覆面パトカーが矢崎さんたちの異変を察知。パトランプを点滅させながら、「そこのバイク、左に寄せて停車してください!」と指示したのだ。

矢崎さんは思わずハンドルを握る手に力が入り、心のなかで「よしつ!」と叫んだ。

「私は警察官に事情を説明し、録画映像を見せると、『これは悪質ですね。証拠として使わせてください』と言われました」

数週間後、警察から矢崎さんに連絡があり“その内容”に驚愕したという。

「バイクの運転手は無免許で、過去にも複数の“あおり運転”をしてマークされていたそうです。正式に送検されたみたいですね」

この出来事は地元のニュースでも取り上げられ、「市民の通報が悪質運転者摘発につながった」と報じられたようだ。

「“あおり運転”は恐怖でしたけど、社会に貢献できたという自負はありますね」

そして、なによりも“スカッ”とする結末となり、矢崎さんにとって心に残る忘れられない出来事になったという。

【事例2】「私、なにかしたかな?」と困惑

仕事を終え帰宅しようと車を運転していた小林彩佳さん(仮名・20代)。サイドミラーで後ろを確認すると、1台の白い車がパッシングを繰り返していたという。

明らかに距離を詰めてきたため、「これは“あおり運転”だ」と小林さんは確信した。

「こういう経験ははじめてで、『私、なにかしたのかな?』と困惑しました。焦って事故を起こすのがイヤだったので、できるだけ平常心でいようと深呼吸をして運転を続けたんです」

しかし、あおることに飽きたのか、白い車は右車線へ移動した。

「これで、不快なあおりから解放される……」

ホッとした瞬間、今度は小林さんの目の前に割り込み、ノロノロと走り始めたのだ。

「制限速度が40キロの道で20キロほどのスピードしか出していなかったので、迷惑でしかありませんでした。でも、“あと少しで家だし”と思って我慢しました」

“あおることに必死で”パトカーに気づかず

すると、「そこの白い車、止まりなさい」という声とともにパトカーが近づいてきたという。たまたま現れたのか、誰かが通報したのかはわからなかったが、「今日はツイてる日だ!」と小林さんは思ったそうだ。

「私を“あおることに必死で”パトカーに気づいてないなんて、愚かだなって思いました」

白い車は止まることを渋っていたが、3回目の呼びかけでようやく停車。小林さんはその光景を横目で見ながら“なにごともなかったように”通り過ぎたという。

「相手の顔はハッキリと見えませんでしたが、黒いサングラスをしていてチャラそうでしたね。警察官に厳しく詰め寄られていました」

アホすぎる——。

思わず小さく呟いた小林さん。安全運転を続けながら、少しだけ“スカッ”とした気分を味わった。

■改めて知っておきたい「あおり運転」の代償

今回のエピソードのように、一瞬の怒りに任せた行動は、今の時代「一生の後悔」に直結します。2026年現在、あおり運転(妨害運転)に対する処罰は、想像以上に重くなっています。

・パトカーや覆面による「現行犯」の重み
今回の事例のように、警察官がその場で現認した違反は言い逃れができません。妨害運転罪が適用されれば、最大5年の懲役(拘禁刑)または100万円以下の罰金という、極めて重い刑事罰が科せられます。

・バイク(二輪車)も例外ではない厳罰
あおり運転は四輪車だけの問題ではありません。バイクによる著しい接近(車間距離不保持)や割り込みも、厳正な取り締まりの対象です。

ここがポイント! 無免許なら「さらに絶望的」な結末に

今回のエピソードに登場したバイクの運転手は「無免許」でしたが、これは「あおり運転(妨害運転)+無免許運転」の併合罪となり、刑事罰はさらに加重されます。

・「免許がないから関係ない」は大きな間違い
「失う免許がないから、行政処分は受けない」と勘違いされがちですが、それは大きな誤解です。免許を持っていない者に対しても「欠格期間(免許を新たに取得できない期間)」が厳格に設定されます。最長10年間、法的に一切の免許取得が許されないという代償は、将来の生活や仕事に計り知れない制約を課すことになります。

・払えなければ「監獄」行き。100万円以下の罰金という現実
「金がないから罰金も払わない」という理屈は通用しません。妨害運転罪(著しい交通の危険)には、最大100万円という非常に高額な罰金が設定されています。もし罰金を完納できなければ、「労役場」に留置され、刑務所作業と同じような強制労働によって1日あたりの金額を換算し、全額分を「身体」で支払うことになります。

・「拘禁刑(懲役)」で社会から隔離されるリスク
悪質なケースでは、罰金ではなく執行猶予なしの実刑(拘禁刑)が科せられる可能性も十分にあります。妨害運転罪では最大5年の刑が定められており、無免許運転が重なればその期間はさらに延びることになります。

被害に遭った際は相手を刺激せず、高速道路ならSA・PA、一般道ならコンビニやガソリンスタンドなど「人の目があり、明るい場所」へ避難してください。「車外に出ることなく、ためらわずに110番通報」をすることが、あなた自身を守る最善の策です。

※あおり運転の罰則や対応に関する詳細は「警察庁公式サイト」でご確認ください

<取材・文/chimi86再構成/日刊SPA!編集部>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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