僕青・秋田莉杏、「辞めて帰りたい」涙の選抜発表から復活「今は殻を破る一歩手前」

秋田莉杏 (あきた りあん)

僕青・秋田莉杏、「辞めて帰りたい」涙の選抜発表から復活「今は殻を破る一歩手前」

2月26日(木) 8:48

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「僕が見たかった青空」、2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルとして結成したアイドルグループ(通称:僕青)だ。

同グループはセカンドシングル以降、シングル選抜システムを採用。メンバー21人(1名活動休止中)は、表題曲やメディア出演をしていく選抜の「青空組」と、ライブなどを中心に活動する「雲組」の2つチームに分かれて活動している。

この連載「あの日夢見た雲組」は、12月17日リリースの7枚目シングル「あれはフェアリー」で構成された雲組単独公演のライブとともに、雲組で切磋琢磨するメンバーに注目していく。

去年は12人、今年は9人体制で始まった東名阪ツアー

2026年の雲組は過去最少の9人体制となり、半年ぶりに東名阪をまわる雲組単独公演#25のレッスンから始まった。1月に5公演という過酷スケジュールのなか、「スタートは全体的に明るい雰囲気ではなかったです」と振り返るのは、兵庫県出身の秋田莉杏だ。

「2025年の年末もライブが重なっていてハードやったし、加入直後に痛めてしまった腰のケアが行き届かなくて、痛みと闘いながらレッスンに臨んでいました。

でも雲組だけで大阪や名古屋に行って、パフォーマンスの場を与えてもらえるのはありがたいことですし、9人でもファンの方にエネルギーを感じてもらえる公演にしたい気持ちが強かったんです」

東名阪ツアーの一発目は、1月12日開催の雲組単独公演#25@難波Yogibo HOLY MOUNTAIN。秋田は地元凱旋ライブで、高鳴る鼓動を感じていた。ステージ袖で伊藤ゆずに背中を強めに叩いてもらうという毎公演のルーティンを終えると「よっしゃ、Overtureが聞こえてきた。楽しむしかない!」とステージに向かった。

誰にも負けない秋田莉杏の可愛さは……

「大阪公演で青空組の最新シングル『あれはフェアリー』を雲組で初披露したんですけど、イントロから歓声と熱気がすごかったです。私は(須永)心海のポジション担当でした。ダンスの先生から『真似をするだけなら意味がない』と何度も言われていたので、心海の要素に加えて、自分の可愛さをプラスしちゃおうと思ってパフォーマンスしました」

秋田が初めてメインメンバーに選ばれた雲組楽曲「君のための歌」のイントロで彼女が会場を煽ると、手拍子と大きく揺れるペンライトが一体感を生んだ。



本人に「誰にも負けない秋田莉杏の可愛さは?」と聞くと、う~んと悩みながら「笑顔ですかね」と答えると、近くにいたマネージャーが「全力の真っすぐさ、もね」と加えてくれた。

処理できない感情が溢れた本番前

東京公演(1月14日)、名古屋公演(1月24日)では、八重樫美伊咲とデュエットで「思い出尻切れとんぼ」を歌唱バージョンで披露。リハーサルでは入念にハモリを確認していたが、楽屋に戻ると涙が溢れるぐらいの不安に襲われていた。

「美伊咲ちゃんは歌が上手いし、雲組公演でソロ歌唱も経験してるから足を引っ張らないようにしなきゃと思っていたんですけど、処理できない感情が溢れちゃったんだと思います。声を掛けてくれたゆずちゃんに吐き出せたことで、本番では自分の実力は出し切れたと感じました。でも、本番の映像を見返すと、『もっと上手になりたい』って悔しい気持ちのほうが大きかったです」



空手で培った負けん気とアイドルへの道

そんな人一倍の負けん気は、4歳から11年間続けた空手で培ったもの。僕青に加入する前には、“日本一かわいい中学生”を決めるコンテスト「JCミスコン2022」で、約8000人の中からグランプリを受賞。「もともと目立ちたがり屋の性格ではあったんですけど、自分が楽しいと思えることを仕事にしたいという気持ちが強くなりました」。その夢を応援してくれた2歳年上の姉の後押しもあって、僕青のオーディションに応募した。

「オーディション会場には可愛い子ばかりで、これは落ちたなと……。控え室で真横にいた(青木)宙帆ちゃんはサッカーボールを用意していたり、(塩釜)菜那ちゃんはクラリネットを抱えていたり、『それなのに私は何も持ってきてない!』って。でも、その時の全力を出すのは私の人生のモットー。最終審査で空手の型を披露したんですけど、空手をしているときは『私は無敵』と思えるぐらい人格が変わるんですよ(笑)」

いつの間にか影を潜めてしまった「自信」

僕青として活動を重ねるうちに、そんな度胸も自信もいつの間にか影を潜めた。団体行動を求められるアイドルグループにおいて、個性の出し方や自分の立ち位置など、「ステージで歌って踊る楽しさ」以外の壁に悩むことが増えていった。

「初期の頃は、ポジティブ思考で何も考えてなかったんです。好きなことにただ邁進しているという、純粋な気持ちで活動してたんですけど、セカンドシングル『卒業まで』以降の選抜発表で大きく変わったかもしれません。シングルごとにポジションが下がっていく現実に加えて、人と比べちゃう悪い癖が出てくるとネガティブな方向ばかりに考えてしまうんです」

初めて母ではなく、姉に電話した夜

そんな彼女に両親がいつも寄り添った。父親は悩みにたいして論理的なアプローチで対策を考え、母親は「泣いてる時間がもったいない。落ち込んでる暇あったら、自分もっとできることあるで」と励ました。

だが、7枚目シングルの選抜発表で自分のポジションを知った日。初めて母親ではなく、姉に電話した。そして、一度も口にしたことがなかったという「辞めて実家に帰りたい」と話して、息ができなくなるぐらい号泣した。

「僕青で3年間やってきましたけど、どうしていいかわからなくなって。お姉ちゃんはいつも私を肯定してくれるんですけど、そのときに泣きながら『莉杏、今の気持ちだけで動くのは絶対にちゃうで。頑張れるところまでやり切ってから言わんと』って。姉の言葉がなかったら、もう僕青には居なかったと思うので感謝しています」

「僕青1本でいこうと腹をくくりました」

雲組単独公演#25の東名阪ツアーを終えた今は「ライブが楽しい場所になった」と少しずつ前を向く。青空組に戻りたい気持ちもある。そのための足りないのは自信だと話す。

「今年3月で高校生活が終わるんですけど、ギリギリまで別の夢のために大学進学することも考えていたんです。でも、叶えたい夢もあるし、僕青1本でいこうと腹をくくりました。今は思いっきり殻を破るその一歩手前にいると思うので、今の感情を超雲にすべてぶつけたいです」

ネガティブだった過去の自分が追いつかないぐらいのスピードで走り抜けてもらいたい。


【秋田莉杏(あきた りあん)】

2007年、兵庫県生まれ。あだ名はりあん。2023年6月15日に結成したアイドルグループ「僕が見たかった青空」(通称「僕青」)のメンバー。5月26日より舞台「紅哭-KURENAI-」に霧音役で出演することが決定。7枚目シングル「あれはフェアリー」が発売中。3月29日(日)KANDA SQUARE HALL(東京)を皮切りに、6都市を回る「僕が見たかった青空 全国ツアー2026」や、6月20日(土)には河口湖ステラシアターにて「結成3周年記念僕が観たかった『青空野外』ライブ2026」の開催も決定した。最新情報は公式HPをチェック



<取材・文/吉岡 俊撮影/星 亘(扶桑社)>



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