一人勝ちだった村上春樹の「壁」を越え、女性作家らがベストセラーを連発

一人勝ちだった村上春樹の「壁」を越え、女性作家らがベストセラーを連発

一人勝ちだった村上春樹の「壁」を越え、女性作家らがベストセラーを連発

2月23日(月) 6:00

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なぜ日本文学は英米で人気があるのか 『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』(早川書房)著者:鴻巣 友季子 Amazon | honto | その他の書店
この10年イギリスで日本の女性作家の小説が売れまくっている。なぜだろう。翻訳家の鴻巣友季子氏はアンテナを総動員して考察する。

英語圏で翻訳文学は脇役だ。英語ネイティブの人びとはあまり外国語を学ばず、他国の情報に関心がなかった。イギリスのEU離脱にもそんな背景がある。でも若い世代は何と愚かなと、これに猛反発。翻訳文学にも貪欲に手を伸ばしている。

若手翻訳者が育ったのも大きい。大学を拠点に2009年から翻訳ワークショップが始まり、100名以上が修了。盛んに翻訳を始めた。有名でなくても自分の感性にあった作家を発掘。外国文学を翻訳出版する小さな出版社も多く生まれた。

一人勝ちだった村上春樹の「壁」を越え、女性作家らがベストセラーを連発、文学賞に名を連ねた。中村文則、村田沙耶香、多和田葉子、小川洋子、柳美里、松田青子、川上未映子、若竹千佐子、川上弘美、市川沙央、柚木麻子、王谷晶ら新しい顔ぶれが書店にずらりと並んでいる。

本書は長年翻訳を手がけ、内外の事情に通暁する著者ならではの快作だ。翻訳を担う人びとの感性と使命感と情熱に心の底から敬服する。

【書き手】
橋爪 大三郎
社会学者。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。近著に『裁判員の教科書』(ミネルヴァ書房)、『はじめての言語ゲーム』(講談社)がある。

【初出メディア】
毎日新聞 2026年2月21日

【書誌情報】
なぜ日本文学は英米で人気があるのか 著者:鴻巣 友季子
出版社:早川書房
装丁:新書(256ページ)
発売日:2025-12-17
ISBN-10:4153400513
ISBN-13:978-4153400511 なぜ日本文学は英米で人気があるのか / 鴻巣 友季子
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