【第76回ベルリン国際映画祭】会期後半、コンペ作品はザンドラ・ヒュラー主演作などが高評価

ザンドラ・ヒュラー主演「Rose」チーム

【第76回ベルリン国際映画祭】会期後半、コンペ作品はザンドラ・ヒュラー主演作などが高評価

2月22日(日) 6:00

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第76回ベルリン国際映画祭も最終日を迎え、すべてのコンペティション作品が出揃った。批評家の評価がもっとも高いのは、17世紀を舞台にザンドラ・ヒュラー扮する主人公が兵士に変装して生きるマルクス・シュラインツァー監督の「Rose」、メキシコを舞台に、あるアパートの孤独な大家と、そこを父と間借りすることになった少年の可笑しくも感動的な交流を描いたフェルナンド・エムケ監督作「Flies」の2本。期せずして両作品ともモノクロである。

またジュリエット・ビノシュがアルツハイマーの母をケアする娘に扮したランス・ハマーの「Queen at Sea」、ティッツァ・コビ&レイナー・フリメル監督がウィーンを拠点にするブルース・ミュージシャン、アル・クックを描いたモキュ・フィクション「The Loneliest Man in Town」、ベス・デ・アラウホ監督自身の子供時代のトラウマ体験をもとにしたチャニング・テイタム、ジェマ・チャン共演の「Josephine」も評価がいい。もっとも、前半に並んだ作品のなかに良作があまりなかったため、今年のベルリンは質がいまひとつといった声も聞こえた。

またオープニングの審査員会見のヴィム・ヴェンダース監督の発言を発端に、ベルリン・ボイコットを唱える波がハビエル・バルデムやティルダ・スウィントンを筆頭にハリウッドで挙がっていることを受けて、「Josephine」の記者会見でもチャニング・テイタムに同様の質問が向けられた。事情を知らなかった彼が困惑、司会者が急いで話題を切り替える一幕も見られ、映画祭期間中、映画の話題よりも政治的な議題に振り回されていた印象がある。

フォーラム部門では批評家連盟賞を受賞した岩崎裕介監督の「チルド」と、吉開菜央監督の「まさゆめ」が観客の大きな支持を受けていた。両作ともパノラマ部門の内山拓也監督作「しびれ」同様、奇しくも監督自身の経験をもとにしたところに共通点がある。もっともそのアプローチは対極的だ。前者は本来かなり悲惨な物語を娯楽的なアプローチでジャンル映画に仕立て、観客の笑いと支持を得た。後者は監督自身が体調を崩して禅寺に入った経験をきっかけに作られたもので、個人的な経験を独特の詩情とともに語りながら、普遍的なメッセージをたたえた作品に昇華しているところに力を感じさせる。上映後のQ&Aでも熱心な質問が飛び交っていたのが印象的だった(佐藤久理子)

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チルド

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