【漫画】本編を読む
西野みや子(@miyakokko61)さんの作品『わたしの親が老害なんて』は、寿司屋で店員に怒鳴り散らす父や、古い価値観を押し付ける母など、身近な親との摩擦をリアルに描いている。本作は、かつては頼りになったはずの両親が、世間とのズレに気づかないまま周囲から「老害」と呼ばれる存在へと変わっていく戸惑いを綴った物語だ。
■常識のズレが招く周囲への謝罪
混雑した寿司屋で20分待たされた父は、少人数の客が先に案内されると「順番を抜かすな!」と店員を怒鳴りつけた。「お金を払うお客様に失礼だろ!」と憤慨する父の横で、周囲の冷たい視線を浴びながら謝罪するのは娘の栄子だ。父は元教員で、母もそんな父に従いながら、昔の価値観を娘や孫に押し付けてくる。
「最低2人産むのが務め」「男が稼ぐから仕事を辞めろ」といった言葉を、両親は悪気なく放つ。帰省した孫の美咲に対しても、つわりで生ものを控えている声を無視し、お祝いだからと寿司の出前を強行する。さらには美咲の染めた髪が「赤ちゃんに悪い影響がある」と根拠のない否定を口にするなど、自分たちが正しいと信じて疑わない態度が、家族を疲弊させていく。
■自分自身も同じ道を歩まないために
作者の西野さんは、自身のつわり中に「2人分食べないと」と言われたプレッシャーや、無痛分娩を周囲の女性陣に反対された経験を作品に投影している。「老害とは特別な誰かを指すものではなく、自分の価値観を他人に押しつけたときに生まれるもの」と語る。年齢に関係なく、異なる文化や考え方を受け入れようとしない態度が、摩擦の原因になるのだ。
作中では、娘の栄子も「自分は美咲の味方」だと思っているが、長年親に言われ続けた価値観が無意識に体に染み込んでいる描写がある。西野さんは、この言葉のインパクトに注目しつつも、背景を知ることで自省のきっかけにしてほしいと願っている。親世代からの違和感は特別なことではなく、私たちのすぐそばにあるのだ。
取材協力:西野みや子(@miyakokko61)
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