「エンジェルフライト THE MOVIE」ドラマ版との違いは?キャストの反応は?【監督・堀切園健太郎×脚本・古沢良太インタビュー】

「エンジェルフライト THE MOVIE」(配信中)

「エンジェルフライト THE MOVIE」ドラマ版との違いは?キャストの反応は?【監督・堀切園健太郎×脚本・古沢良太インタビュー】

2月20日(金) 18:00

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米倉涼子主演のドラマシリーズ「エンジェルフライト」の続編となるPrime Original映画「エンジェルフライト THE MOVIE」(配信中)。このほど、監督を務めた堀切園健太郎と、脚本を担当した古沢良太のロングインタビューを入手。企画の始まりから撮影時の思い出、脚本に関する秘話などを明かしている。

【「エンジェルフライト THE MOVIE」あらすじ・概要】

異境の地で亡くなった人の遺体を国境を越えて故国へ送り届ける「国際霊柩送還士」の姿を描いた、米倉涼子主演のドラマシリーズ「エンジェルフライト」を映画化。

海外で亡くなった日本人の遺体を国内に、あるいは日本で亡くなった外国人の遺体を母国に搬送する業務を担い、羽田空港内に事務所を構える小さな会社「エンジェルハース」。口は悪いが情に厚い剛腕社長・伊沢那美(米倉)は、個性豊かな社員たちとともに、国際霊柩送還の仕事に日々励んでいる。そんな彼女のもとに、8年前に海外の事故で安否不明となった恋人・足立幸人が、メキシコで生きているかもしれないという情報が届く。今さら知りたくもないと思う那美だったが、柏木会長の命令で、メキシコで亡くなった日本人送還のため現地へ飛ぶことになる。そして、故人の魂を迎えるメキシコの祭り「死者の日」の最中、那美は送還業務に追われながらも、自身と幸人の過去と向き合うことになる。

●“前作を超えるもの”を作らなければ意味がない

――続編となる本作の配信が決定した時の意気込みやお気持ちを、改めて振り返って教えてください。

堀切園健太郎監督(以下、堀切園):ドラマ版は米倉さん演じる那美と松本穂香さん演じる凛子の2人が軸になるストーリーだったので、エンジェルハースの他のメンバーの活躍の場が少し物足りなかった、という心残りも正直あって。だから続編では、皆さんがさらに活躍できる場を作りたいと思っていました。

一方で、続編を作るなら同じことを判で押したように繰り返すのではなく、スケールもボリュームも内容も前作を超えるものを作らなければ意味がないとも思っていて。前作はかなり時間をかけて、本当にやりきった感覚があったので、「それをどうやったら超えられるんだろう」という怖さも同時にありました。喜びと同時に、「また古沢さんと一緒に台本を作っていくのか、またあれをやるのか……大変だろうな」と思いながら知らせを聞いていました(笑)。

脚本・古沢良太(以下、古沢):僕も、シリーズ化できたらいいなと思いながら始めていたので、そのつもりで作ってはいました。ただ、うまくいくかどうかはわからないという気持ちもあって。でも反響が良かったということで、Amazonさんが続編を決めてくださった。よかったな、という気持ちと同時に、「そうか、決まったのか……大変だな……どうしよう……」とも思いました(笑)。

堀切園:国際霊柩送還士の話は、今までドラマや映画で描かれてこなかった世界なので、いい加減には作れない。原作の出来事をそのままドラマ化しているわけでもないので、僕たちも一から取材して、現職の方の話を聞きながらエピソードを考えて、「現実にこういうことは成り立ちますか?」と確認して、ダメなら直して……というトライ&エラーを繰り返してきました。

しかもドラマとして面白くなきゃいけない。前作を作り始めた当時は配信ドラマ自体が今ほど一般的ではなく、世界配信のドラマってどんなものなんだろう、と全てが手探りでした。海外ドラマを参考にハリウッドのやり方なども調べた上で、まずは古沢さんを中心に複数人のライターでライターズルームを作り、いろんな意見を取り入れながら、強度の高い脚本を作ろう、ということに。一歩一歩、進んでは戻ってを繰り返しながらかなり丁寧に作りました。脚本家としては相当大変だったと思います。

古沢:僕は新しいことをやってみたい気持ちが強いので、今まで誰も書いていない職業の世界の話だし、チャレンジしたいと思っていろんな構想や夢をふくらませたりしていたんですけど、実際やり始めてみると、原作はノンフィクションなのでモデルになった人や会社もある。ドラマだからって現実とかけ離れたことはできないと気付いて。そういった制約の中で書いては却下され、書いては却下され…というのを繰り返しながらこれは意外と大変だな、と。僕も含めた複数のライターでかなり苦しみながら時間をかけて作ってきました。

●ドラマ版と映画版、何が違う?

――ドラマ版と映画版の違いで、意識したことは?

古沢:脚本的にはやっぱり、前作で那美という人の話の続きを放り出してしまっていたので、まずはそこに決着をつけるのが最大のテーマでしたし、一番難しかったところです。

もちろん前作を作っている頃から構想やイメージはあったんですが、実際に前作の制作を通して僕たちの理解もどんどん深まっていったので、最初に考えていたことでは十分じゃない、ということに当然なりまして。ほぼゼロベースから考え直しつつ、でもドラマで言っちゃったこともたくさんあるから、それも守りつつ……(笑)。

堀切園:言わなきゃよかった(笑)。

古沢:そこは苦労しましたね。

堀切園:いろいろありましたよね(笑)。最終的には二人一組でそれぞれの案件を担当する形に落ち着きましたが、最初は「一人ひとつの案件」みたいな形も考えていて。犬のご遺体を搬送する案件とか、ご遺骨の受け取り手がいなくて遠藤憲一さん演じる柏木会長が親戚中を回って断られ続けるエピソードとか、いろいろ考えたけど全部ボツになりました(笑)。さすがに一人ひとつは多いだろ(笑)、となったけど、それでも今回、那美の話も入れると5つもエピソードがあります。前作も複数の話が並行して進む構造でしたが、今回は5つの話だし、登場人物もとても多い。それを混乱なく構成して、物語がひとつになっていく。その力量は本当に古沢さんならではだと思っています。

ドラマは1話1時間弱でしたが、「映画一本分くらいの見応えがあった」という感想も多くいただいて、「じゃあ2時間の映画にしたらどうなっちゃうんだ!?」と思ったりもしましたが、今回も本当に濃密な2時間で、古沢さんの構成力が見事でした。

このあいだ米倉さんと遠藤(憲一)さんにもお話を聞いたんですけど、お二人とも台本が素晴らしかったと言ってくださって。本当にその通りだと思いました。ドラマ版ではメインストーリーとサブストーリーのようにエピソードに濃淡をつけたんですが、今回は上下をつけたくなかったんです。人の死や人生に上も下もないし、観ている側がどのエピソードに感情移入するかを自分で選べるようにしたい、という気持ちがあって。レギュラーの皆さんだけではなく、ゲストの出演者の皆さんのお芝居も本当に素晴らしかったので、どれも捨てがたいし。だから編集でも全部に力を込めて走り切りました。

――脚本を書かれるときは、全てのエピソードがメインになるように考えて書かれたのでしょうか?

古沢:そんな計算通りにはいかないですよね(笑)。原作本に書かれている話は参考にしつつも、エピソードはゼロから作っています。全体の流れにハマるようにということはもちろん考えましたが、全体のバランスは一旦あまり考えず「とにかく詰め込んだ」という感覚でした。本を監督に渡すときも「随分難しい脚本になっちゃったな。これは撮るの大変だろうな。でももう、あとは監督に任せちゃおう!」と思って渡したのですが、監督がいろんな工夫をして全体のバランスを取ってくれて、一本の映画としてまとめてくれました。

堀切園:古沢さんはこう言うけど、実際はものすごく緻密で、全部計算されていたんです。古沢さんの脚本の素晴らしさは編集の時に改めて実感しましたね。

群像劇なので、いろんな人の話やシーンが錯綜していく。しかもそれぞれのシーンのトーンもバラエティが豊かで、コミカルなシーンもあれば、号泣しているシーンもあって、誰かが泣いてたと思ったら急に笑える場面になったり。振り幅の大きい作品にしよう、という意識は前作からありましたが、一本の映画となるとまた違った難しさがありましたね。

それでも、台本を読んだときに「ここはもしかしたら長いかな?」と思ったシーンがあったとしても、実際に撮って編集すると全然そんなことはなくて。映像の世界って、流れていく時間の長さは変えられないじゃないですか。シーンを切り替えて戻ってきたとき、観ている人の感情をどれくらい繋げとめられているか?ということにいつも苦労するのですが、その点も含めて改めて古沢さんの構成の妙を感じましたし、助けられましたね。

●各エピソードにイメージカラーを設定

――エピソードごとにカラーパレットを作成されていたと伺いました。

堀切園:はい。撮影に入る前に、まず各エピソードのイメージカラーを決めました。この作品は世界に配信されますよね。日本で暮らしている人なら俳優さんを見るだけで「この人の話だな」と分かるかもしれませんが、海外の方だと俳優さんを知らなくて誰が誰だかわからなくなってしまうこともある。名前も日本の名前は馴染みがないと覚えづらいでしょうし。登場人物が多いからこそ、理屈ではなく、見た瞬間に感覚的に分かるように“色”にこだわりました。

例えば、入山法子さん演じる、SIDSで亡くなった赤ちゃんのご家族のエピソードは、イメージカラーをブルー系にして。家や服も、青や紺や水色を中心に配色しました。

佐藤緋美さん演じる健臣のエピソードはグリーン系をメインにおいて、マーヴィンのシーンは桜などのピンクを印象的に入れていきました。メキシコのエピソードは、街並み自体はカラフルですが、人物の服は南米の情熱的なイメージとして赤を基調にしました。そうやって、観ている人が迷子にならないように美術も含めて作り込みました。

音楽も同じで、「このエピソードではこの音楽」というふうに決めて、無意識に「この音楽がかかったらこの人の話」と分かるように工夫しています。

●エンジェルハースのメンバーが再集結→キャスト陣の反応は?

――エンジェルハースのメンバーが再集結し、さらにパワーアップして帰ってきましたね。

古沢:本を作るにあたって、とにかくエンジェルハースのメンバー全員をしっかり活躍させてほしい、というオーダーが最初からありました。前作を通して一人ひとりがとても魅力的なキャラクターになったのは、脚本以上に俳優さんたちの力が大きいと感じています。前作に比べてさらにキャラクターが育ったなという感覚はありました。

しかも矢本(悠馬)さんや野呂(佳代)さんは、前作の撮影時期と比べて飛躍的に人気も実力も上がっていますよね。キャラクター以上に本人たちが役者としても育っていて、その分今回はスケジュールも大変だったと聞きました。そういう事情もあって、今回は二人一組で案件を担当する構成にしたひとつの理由でもあります。

堀切園:みんなシーズン2が決まったときはすごく喜んでくれました。久しぶりに集まったときも、大はしゃぎで。米倉さんと遠藤さんはこの前インタビューで「別に普通だったよね」みたいに言っていたけど、全然そんなことなくて(笑)。同窓会みたいになっていました。

米倉さんもみんなが集まるのがすごく楽しみだったみたいで、「エンジェルハースがみんな揃うシーンをたくさん書いてほしい!」って言ってました。本番前なのに延々とおしゃべりしてて、撮影始めるからスタンバイしてくださいって言ってもみんな全然席に着いてくれない、みたいなこともあって(笑)。本人たちはクールにやってましたよ?みたいに言うけど、実際は本当に楽しそうで賑やかでした。

各キャラクターも古沢さんが個性的に描き分けてくれていて、そこに役者の力が加わって、役柄を自由に膨らませてくれた。二人一組で誰と誰がどの案件を担当するかを考えるのも面白かったです。

例えば、一見クールな柊には、過去に赤ちゃんのご遺体の処置で苦労した経験があって、そのトラウマと向き合いながらも、新人の凛子の悩みや葛藤に優しく向き合いアドバイスしてくれるとか。柏木会長とみのりの組み合わせは前作からも掛け合いがすごく面白くて、個人的にも大好きです。みのりが会長をいじったり、会長が騒いでるのを白い目で見たり(笑)。

古沢:柏木さんは、ちょっと崩れすぎじゃない?(笑)最初あんな感じだったっけ?って。書きながら「あれ?」って思ってました(笑)。

堀切園:でも柏木さんの優しさとか、那美を見守る姿とか、会長としての良い一面もしっかりあります。二人のコミカルな要素がこの作品にとってとても重要な要素になっています。

あとは矢野と田ノ下さんのコンビも好きです。珍しく熱くなって暴走している矢野と、安全運転で見守る田ノ下さん。テンションの高い矢本さんと、それを「やれやれ」という感じで見ている徳井さんは、演技だけではなく、俳優としての先輩と後輩の関係性も滲み出ていたのではと思います。

●どのエピソードもラブストーリーのつもりで――

――この映画を観た人に、どんなメッセージを受け取ってほしいですか?

堀切園:観る人に自由に受け取ってもらいたいと思っています。前作の反響で多かったのは、「自分の人生はこのままでいいんだろうか」とか、「いつ死ぬかわからないと実感した」という声。死は誰にでも起きることだけれど、日常では距離を置きがちなことでもある。だからこそ、明日が来るのは当たり前ではないと実感して、人生を見つめ直すきっかけになった、という感想をいただいたときは嬉しかったです。また、「大切な人もいつ亡くなるかわからない」と意識したことで、大切な人との関係を改めて大事にしようと思った、という声もありました。観終わったあとに前向きになれました、というコメントも多くて、それはすごく嬉しかったですし、そこは今回の映画でも引き継いでいるつもりです。

この作品は、亡くなった方と遺された方の関係性を描いていますが、今回どのエピソードもラブストーリーのつもりで描きました。ラブストーリーといってもいわゆる恋愛感情だけでなく、家族愛、夫婦愛、親子愛、ハリウッドスターとファン……広い意味でのラブストーリーとして作ったつもりなので、より広い意味で、多くの方に楽しんでいただけると思います。

古沢:前作のことを思い返してみると、この作品は堀切園さんに誘っていただいて始まったんですよね。十年以上前に一緒に作品を作ったんですが、その時は個人的にものすごく大変で(笑)。

その時に思ったのは、堀切園さんは人一倍粘る人だということ。本作りにも粘るし、納得いかないと黙り込んで考える。無言のプレッシャーをずっと与えてくる(笑)。終わった時は清々しくて、「もう二度とこの人とはやらないぞ」と思ったりもしたんですけどね。

それから何年かして、また一緒にやろうと誘ってくれた時、題材が面白そうだと思ったのはもちろんですが、当時の僕は、というか今もそうですが、ありがたいことに好きな仕事を好きなようにやらせてもらえているので、この辺で一回あの人に鍛え直してもらうのもいいかなと思って(笑)。火中の栗を拾う決意をして飛び込んだら、案の定大変だった。でも昔より堀切園さんも大人になられていて…。

堀切園:古沢さんも大人になってた(笑)。

古沢:だからとても楽しくやれました。同時に、やっぱりすごく優秀な監督だなと改めて思って。僕がプロットを書いては提出して……を繰り返す中で、堀切園さんの判断や提案がとても的確で、それに導かれながら書ききれた感覚があります。だからこの作品は、ある意味「堀切園作品」として結実しているなと思います。

今作はこんなに難しい台本にしてしまって、監督はどうするんだろうと少し心配もあったんですけど、見事に素晴らしい映画に仕上げてくださっていて驚きました。特にクライマックスの、映画を観終わった後に残る感情は、悲しいとか切ないだけでは言い切れない。喜びや清々しさもあるし、得体の知れない感情が何日か心にとどまる感じがあった。もちろん台本を作る時にそういう方向性は意識しましたが、それでもやっぱり演出力だと思いました。観てくださった方にも、そういう一言では言い表せない、ない交ぜの感情を抱いてほしいです。

●ロケ地秘話&新キャストとの撮影について

――ロケ地にメキシコのグアナファトが選ばれた経緯やポイントを教えてください。

堀切園:一昨年の死者の日の時期に、候補地を三か所回って来ました。一つ目はタスコで、白い建物で統一された坂の多い小さな町。二つ目は、サンミゲルアジェンテと言って、アメリカ人に人気のアートの街で、とても洗練されていて、おしゃれなお店がいっぱいあり、建物は暖色系で統一されている街。三つ目が、今回ロケ地に選んだグアナファトでした。グアナファトには「隣の建物と同じ色にしてはいけない」という条例があるので、とてもカラフルな街並みが特徴です。譲司と美沙子が定住したいと思うぐらいの魅力と、彼らの逼迫した状況、そして幸人が潜伏していたであろう少し影のある部分など、さまざまな表情を併せ持っていたのがグアナファトだったので、ここに決めました。

映画「リメンバー・ミー」でも参考にしたと言われる石畳の街は、教会を中心にいろんな色に溢れ、1時間もあれば一回りできるぐらいの小さな街でしたが、そこには高台があって、噴水のある広場が何個もあり、細い路地が迷路のようにあって、しかも長い長い地下道まである。ロケ場所として最適な場所でした。その中でも、今回は色にこだわっているので、撮影する場所でも背景が色に溢れたところを選ぶようにしていました。

――今作で登場する新キャストの方々との撮影はいかがでしたか?

堀切園:今作で新たに出ていただいた俳優さんたちは、それぞれ設定が特殊で、求められることも多かったと思います。例えば木村祐一さんの役は、ギターを弾いて英語の歌を歌わなきゃいけない。一見頑固でとっつきにくい人物像を探していたところ、木村さんがもともと音楽をやられていたのでぴったりだということになったんです。

そして木村さんに歌を聴いてもらったら、「一回くらい先生に教われば大丈夫そう」と言ってくださったんですが、実際に一回レッスンを受けてみたらご本人が「これはダメだ!」とおっしゃって、そこから何度も何度もレッスンを受けてくれました。空き時間があれば貸しスタジオで練習して、ギリギリまで頑張ってくれました。妻の美佐子役の鶴田真由さんも歌うシーンがあったので、ボイストレーナーと一緒にレッスンしてくれて、皆さん本当に努力してくださいました。

佐藤緋美さん演じる倉持健臣という人物は、車いすで世界一周するバックパッカー。実際に車いすで世界一周された方に取材して、どうやって旅をしたのかという話から貴重品の入ったウエストバッグをどう持つかなどの細部にいたるまで、様々なことを教えてもらっていました。その方は下半身だけでなく上半身にも麻痺が残っていて、手をうまく握れない。実はこういうディテールは役者にとって足かせにもなり得るので、どうするか悩んだんですが、佐藤さんに話したら「僕はぜひ、ちゃんとやりたいです」と言っていただけて。車いすの扱い方ひとつとっても健常者が普通に乗ると観る人に違和感を与えてしまったりするので、たくさん研究して練習して、リアルな姿に近づけようとしてくれました。

入山法子さんが演じたのは、SIDSで赤ちゃんを突然亡くしたお母さん。これも実際に赤ちゃんを突然亡くした方の話を伺いました。とてもつらい状況なので、知っているつもりで演じてほしくない、という思いがあったので、入山さんにも直接お話を聞いていただいて。精神的にもハードな役ですし、入山さんも繊細な方で、とても入り込んで演じてくださったので今でも「まだ役が抜けてない」とおっしゃっていて、申し訳ない気持ちもありますが…。それでも真っ向から向き合って、内からにじみ出るような演技を見せてくださって、本当に素晴らしかったと思います。

●キャスティング裏話「良い脚本があって、役者が乗ってくれれば良いものができる」

――キャスティングはどのように進んだのでしょうか?

堀切園:まず台本ができ上がって、その台本に沿ってどういう人がイメージに合うかを古沢さんと話して決めていきました。木村さんは、あるドラマで素敵な芝居をされているのを観て、「こんな繊細な演技をする人なんだ」と驚いて、いつかご一緒したいと思っていました。

入山さんも素晴らしかったですね。若いころに仕事で苦労して、外国で結婚されてお母さんになって、という背景を持つ人物を演じるとなると、説得力を持たせるのはとても難しいと思うんですが、これまでの彼女のキャリアを見ると適任かと。とても大変だったと思いますし、本当につらい期間だったと思うけど、入山さんしかできない演技をしてくれたと思います。

緋美くんは音楽をメインで活動されている方ですが、とても繊細な芝居をされるんですよね。彼には嘘がない。自分で納得しないとアウトプットできないから、何度もテイクを重ねたシーンもありました。誠実ですごくいい役者さんです。

赤間さんは、古沢さんがもともとよく知っていて、キャラが立っていて素敵ですよね。撮影の最初の頃はお芝居もすこし遠慮されてましたが、「もっとやってください!」とお願いしてガンガン攻めてもらいました(笑)。

役者が褒められるのは嬉しいです。良い脚本があって、役者が乗ってくれれば良いものができる。結果として「この人しかありえなかった」と思ってもらえるのは本当に嬉しいですね。

古沢:生瀬勝久さんもよかったですよね。生瀬さんに泣かされたのは、ちょっと悔しかったです(笑)。あれは…すごかった。

堀切園:生瀬さんはコミカルな印象も強いですが、「真面目な役をやらせたらすごいことになるんじゃないか」と実はずっと気になっていて。今回、あれほど繊細なお芝居をやっていただいて、本当に素晴らしかったです。

――最後に視聴者へ向けたメッセージをお願いします。

古沢:暗い映画ではないので、気軽に楽しんでほしいですね。それが一番です。

堀切園:5つの物語が同時に進んでいくので、どれか一つは自分を重ねたり、共感できたり、何か感じるものがあるんじゃないかなと思います。

古沢:家族で観てもらいたいですね。

堀切園:前作の時、SNSで感想を見ていたら、「10歳の息子が一緒に観て涙を流してた。私の育て方は間違ってなかった」っていう感想を見かけてすごく嬉しかったんですけど。で、うちの娘にも見せたんですけど、娘は何も言わない(笑)。あれ?もしかしてウチはちょっと間違えたかな?(笑)もちろんお一人で見てもらうのも良いですし、今回は誰か大切な方と一緒に見てもらえたらいいなと思います。

【作品情報】
エンジェルフライト THE MOVIE

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