「すごく興奮しました」小嶋陽菜さん暴行事件…中国人被告の“勘違いの恋”と異常すぎる供述に法廷騒然

暴行現場となった渋谷区内の商業施設/筆者撮影

「すごく興奮しました」小嶋陽菜さん暴行事件…中国人被告の“勘違いの恋”と異常すぎる供述に法廷騒然

2月20日(金) 8:54

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昨年1月、東京地裁(横倉雄一郎裁判官)でとある男の初公判が開かれた。その男は、AKB48の元メンバーでモデル・実業家としても活躍する小嶋陽菜さん(37)を待ち伏せして暴行を加えた罪に問われていた。

小嶋陽菜さん暴行事件の全貌

裁判では、興奮したように早口で中国語を話し、法廷通訳人や裁判官に発言を制止されるような場面もあった。

ストーカー規制法違反と暴行の罪で起訴されたのは、中国籍の被告人(男性・逮捕当時42歳)。

判決などによると、被告人は2024年8〜10月にイベント会場などで小嶋さんを複数回待ち伏せした。さらに同年10月28日夜には、渋谷区内の商業施設でイベントをしていた小嶋さんを待ち伏せしたうえで、終了後に施設から出てきた小嶋さんの腕をつかんで転倒させる暴行を加えた。

昨年1月、被告人の初公判が開かれた。初公判で被告人は、裁判官に「起訴内容に間違いはありますか」と問われると「彼女のためなら受け入れます」と述べ、おおむね起訴内容を認めていた。

被告人は中国語で供述…法廷は大荒れの展開へ

そして昨年4月の第3回公判。勾留中だった被告人は、黒色のジャージに無精ひげを生やし、職員に連れられて入廷してきた。傍聴席を見渡すと、身を縮めたような猫背姿で被告人席に腰を下ろし、開廷をじっと待っていた。

30分ほど審理が行われ、閉廷となる直前。これまで冷静に受け答えしていた被告人が、感情を抑えきれなくなったのか、突如として中国語で話し始めた。

「私は発言できますか?」 (筆者注:法廷通訳人が日本語に訳した内容である。以下同)

本来の手続きでは被告人が発言する場ではなかったが、裁判官は発言を許可したところ、被告人は「すみません」と最初に謝罪したうえで、興奮したように早口でこう述べた。

「(小嶋さんの)両腕でつかんで告白したかったんです。でも彼女は私のことが怖かったんだと思います」

興奮した姿の被告人に、裁判官は発言を制止しようとするが、話し続ける。

「(小嶋さんが私を)避けようとしたので、私は倒れ込みました。私は、みんなから危険な人物だと誤解されています。でも、私は有名人を追いかけている、ただの小さな人間です」

裁判官に強い口調で発言を止められても、無視して話し切った被告人。社会へ訴えかけたかったのか、発言する口調から自身の強い意志がうかがえた。

所属事務所は警視庁に相談していたが…

昨年5月の第5回公判では、被告人質問が行われた。被告人の口から事件を語れるチャンスとあってか、感情的に述べるばかりだった。

検察側の証拠などによると、小嶋さんの所属事務所が過激なファンについて警視庁に相談していたといい、事件前から被告人は要注意人物として周知されていたという。過去には、小嶋さんの勤務先の関係者から「近づかないように」と注意を受けていたといい、警察沙汰になったこともあったと検察側は指摘する。

だが、再三にわたって注意されても、被告人は想いを募らせ続けた。それどころか被告人は、小嶋さんの関係者が「近づかないように」と注意していたのは、本人の意思ではないかもしれないと思い込んでいたようだ。

「直接、彼女に会えば、もしかしたら彼女の親切さでチャンスがあるのではと思いました」(被告人質問から。以下同)

歪んだ想いが溢れた末路

募り続けた想いが溢れてしまった被告人は、ついに行動に移してしまう。

犯行当日に被告人は、暴行現場付近の商業施設で小嶋さんのイベントが開催されることを知った。小嶋さんと直接話せるチャンスだと考えた被告人は、周辺の物陰に隠れて、出待ちするように商業施設の裏口を注視し続けていたという。

午後9時ころ、待ち焦がれた小嶋さんが商業施設の裏口から出てきた。小嶋さんを発見するとすぐさま小走りで近づき、彼女の腕を掴んだという。

「私は、ずっと彼女のことを待っていました。イベント後の彼女を待っていて、(小嶋さんを)見つけたときはすごく興奮しました」

「もう二度と会えないと思ったので…」

そして、その時の心情を強い口調で次のように語りだした。

「もう二度と会えないと思ったので、告白しました」

公判で被告人は、何度も「会いたくて、会いたくて、興奮しました」と述懐していた。

被告人に腕を掴まれた小嶋さんは、その場で転倒した。興奮を抑えて告白する間もなく、周囲にいた関係者によって取り押さえられてしまった。

“雲の上の存在”に手を出してしまった代償

検察側は質問の中で、小嶋さんが被告人の想いを受け入れなかった理由について自身の見解を尋ねた。

「当時は会いたくて、一緒にいたくて、非現実なことをしたと思います。民族も生まれた国も社会的地位も違うので、嫌われたと思います。今は好きになったことが間違いだと分かりました」

さらに被告人は法廷で、何度も自身に言い聞かすようにこんな言葉を口にしていた。

「私みたいな小さな人間と付き合ってくれない。彼女はとても優秀な人なので」

昨年6月の公判では、被告人に対して懲役8か月・執行猶予3年(求刑・懲役8か月)の判決が言い渡された。その後、被告人側は判決が不服として東京高裁に控訴したが、昨年12月に控訴には理由がないとして、第一審の判決が維持された。

いつしか「推し」から恋愛感情へと変わり、犯行に及んでしまった被告人。“雲の上の存在”に手を出してしまった代償は大きかった。

文/学生傍聴人

【学生傍聴人】
傍聴歴7年、傍聴総数1000件超。 都内某私立大の大学院に在籍中の現役大学院生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴をはじめ、有名事件から万引き事件など幅広く傍聴している。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行なっている。

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