2月18日(水) 0:10
公営住宅法第二十八条では「公営住宅の入居者は、当該公営住宅に引き続き三年以上入居している場合において政令で定める基準を超える収入のあるときは、当該公営住宅を明け渡すように努めなければならない」と定められています。
都営住宅の「政令で定める基準を超える収入」は、一般区分の場合で認定所得月額15万8000円です。60歳以上の高齢者世帯や障害者世帯などの特別区分の場合は、認定所得月額21万4000円となります。
このように、都営住宅では原則として所得額を基準に、明け渡しの対象となるかが判断されます。所得額がこの基準を超えている場合は「収入超過者」に該当し、都営住宅を明け渡しに向けて努力することが求められます。
ただちに退去しなければならないわけではありませんが、収入超過者には割増使用料が加算されます。一定期間後には、近隣の民間賃貸住宅の家賃と同水準の使用料を支払うことになります。
東京都住宅政策本部によると、都営住宅の入居条件となる「所得金額」とは、給与所得・事業所得・年金所得のことです。以下のものは、所得金額の計算対象にはなりません。
・遺族年金、障害年金
・仕送り、失業給付金、労災保険の各種給付金、生活扶助料、支援給付金等の非課税所得
・退職金等の一時的な所得
今回は「2000万円の遺産を相続することになったので都営住宅を退去させられてしまうのか?」ということですが、相続した遺産は原則として一時的な資産であり、所得金額には含まれないとされています。
収入が基準を下回る金額の年金のみであれば、これまで通り都営住宅に住み続けることができるでしょう。
相続した財産は所得に含まれませんが、相続財産から利益が生まれた場合は所得申告が必要になることもあります。
例えば、不動産を相続し、その不動産を人に貸していて家賃収入がある場合などです。所得が増えて都営住宅の使用料に影響が出たり、明け渡し請求の対象になったりする可能性があります。
また、極端に高額な預貯金がある場合は、住宅に困窮していることを証明しづらくなるなどの影響も考えられます。所得申告の必要性があるにもかかわらず申告しなかった場合は、不正入居とみなされてしまう可能性もあるので注意が必要です。
都営住宅の入居者は、住宅使用料を決定するために「収入報告書」を毎年提出することになっています。相続財産から利益が生まれた場合は、この報告書により所得申告をしましょう。これを基に住宅使用料が値上がりしたり、明け渡し請求の対象になったりする可能性があります。
都営住宅の入居者は、一定の所得を超えると住宅を明け渡すよう努めなければなりません。しかし、相続した遺産は所得金額の計算対象にならないため、資産が増えても退去を求められることはないと考えられます。
ただし、相続財産から利益が生まれた場合は、使用料に影響が出たり、明け渡し請求の対象になったりする可能性があります。利益を隠すと不正入居になるため、忘れずに所得申告をしましょう。
デジタル庁e-GOV法令検索 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第三章公営住宅の管理 (収入超過者に対する措置等)第二十八条
東京都住宅政策本部 住まいのしおり IV 手続編 4-4 収入超過者・高額所得者に対する措置
東京都住宅政策本部 所得基準 所得基準 確認の手順 所得金額計算上の注意
東京都住宅供給公社 よくあるご質問 使用料の手続き 収入報告とは何ですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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